横井 恵理子 院長の独自取材記事
よこいレディースクリニック
(豊中市/少路駅)
最終更新日:2022/12/01

大阪モノレール線・少路駅より徒歩約10分。阪急バス・西緑丘停留所の前に立つビルの2階に「よこいレディースクリニック」がある。ゆったりとした設計のクリニックは気持ちが和む色調でコーディネートされ、相談室を設けるなど患者のプライバシーに配慮した造りが特徴。デリケートな悩みでも受診しやすく、話しやすい空間になっている。院長の横井恵理子先生がめざすのは、幅広い年代の女性がさまざまな悩みや困り事を気軽に相談できるクリニック。スタッフはすべて女性で、婦人科の疾患はもちろん、月経に関する悩みなどにもきめ細かに対応。併設する整形外科クリニックと連携し、婦人科と整形外科の両面から患者をサポートする。横井院長に、同院の診療ポリシーや地域医療にかける思いなどを語ってもらった。
(取材日2022年11月17日)
月経から更年期、がんまで女性のあらゆる悩みに対応
開業間もないですが、幅広い患者さんが訪れているようですね。

ありがとうございます。10代前半の若い方から、閉経後の女性まで幅広い年代の患者さんが受診されます。すべての年代の女性が受診しやすいクリニックであるよう心がけています。診療の際は、患者さんがどのような悩みで受診されたのかしっかり把握することを大切にしています。例えば、更年期の方の場合、さまざまな症状に悩んでおられます。また、婦人科の患者さんは、もやもやとした気持ちや不安な思いを抱えておられることが多いので、本当に困っておられることは何か、どんなことを心配しておられるのかを聞き出し、不安な気持ちを少しでも改善して帰っていただけるよう心がけています。しっかりとお話を聞くことで、隠れていた病気が見つかることもあるんですよ。
特に力を入れておられる診療はありますか?
年代を問わず女性のいろいろな悩みや困り事に対応できるクリニックでありたいと考えているので、特定の領域に力を入れるよりも、どんな小さな悩みでも気軽に相談していただける雰囲気を大事にしています。とはいえ、月経が始まる時期と終わる時期は女性の体が大きく変化して、悩みや不調が増える時期でもあります。そうしたつらい期間をできるだけ快適に過ごしていただくために、月経に関する悩みや更年期の不安にしっかりと対応していきたいと考えています。
悩みがあるのに受診されない方も多いそうですね。
月経に関する悩みや不調を病気と考えていない方や、治療できないと考えている方が多いという印象です。月経痛やさまざまな不調があっても「仕方がない」と諦めてしまいがちなのだと思います。我慢することに慣れたり、他人と比べることが難しいため自分が人よりもつらく感じていることに気がつかなかったりするのかもしれません。月経痛があっても鎮痛剤を服用せず、ひたすら耐えているという方もおられます。しかし、そうした症状や不調を我慢する必要はないですし、ちゃんと改善をめざせる方法があることを知っていただきたいと思います。
婦人科の受診は少しハードルが高いと感じるかもしれません。

そうですね。婦人科を受診していることを人に知られたくないという気持ちもあると思います。特に10代の女性は、月経の悩みについて友達になら話せるけれど、親には相談しづらいというケースもあります。受診するためには、その旨を保護者に伝えて保険証を出してもらう必要がありますからね。日本では、約900万人もの人が月経に関して何らかの悩みを抱えておられますが、実際に婦人科を受診し、治療を受けておられる方は約6%です。まずは自分の疾患を知ってもらうことが大切ですので、受診しやすいことはとても大切だと思います。
患者のプライバシーとバリアフリーに配慮した空間
医師になったきっかけを教えてください。

中学生の時に初めて入院したことが直接のきっかけになりました。それまで、まさか自分が病気になるなんて思っていませんでした。病気自体は手術をすれば良くなるものだったのですが、とても不安を感じて、医学の知識があれば、自分の周りの人たちを病気やそれに伴う不安から守ることができるのではないかと考えたのです。
当初から婦人科の医師をめざしたのですか?
大学でさまざまな勉強をしていくうちに、婦人科に強い興味を持つようになりました。女性の体は年齢とともに変化していき、女性ホルモンのバランスが少しでも崩れると、いろいろなトラブルが起こるというメカニズムにも興味を惹かれました。また、内科的な診療と外科的な診療の両方を担当でき、問診から処置や手術、さらに術後のケアまでを通して、一人の患者さんと長く深く関わることができるのも魅力でした。
これまでのご経歴を教えてください。
産婦人科の医師として診療を開始したJCHO大阪病院(旧・大阪厚生年金病院)では、基礎的なことを学ぶことができ、大阪大学医学部附属病院は現在も診療をサポートしてくださいます。大学卒業後に入職したのは市立豊中病院で、その後JCHO大阪病院、大阪大学医学部附属病院での診療を経て、勤務医として最後に勤めたのも市立豊中病院でした。産婦人科にとても力を入れている病院で、分娩をはじめとする周産期の診療経験を積むことができました。市立豊中病院での経験は、自分の歩みの中でとても大きな位置を占めていると感じています。
現在の場所で開業された理由は?

市立豊中病院をスタートに北摂地域で診療を続けてきたので、豊中はいわば第2の故郷です。また、子どもがまだ小さく、夫婦で子育てをしながら診療するために、自宅にも近いこの場所を選びました。幅広い年代の女性が気軽に受診できるクリニックにしたかったので、プライバシーに配慮して、待合室では横並びに座っていただくのではなく、大きなソファーを置いたり、パーティションを設置したりしています。また、婦人科のご相談内容はデリケートなものも多いので、診察室とは別に個室の問診室を設けました。診察室内の更衣スペースも2部屋用意しているので、ゆったりと着替えていただけます。あまり病院っぽくならないように、内装は温かみのある明るい色調で統一して、ベビーカーや車いすでも快適にご利用いただけるように全体的に余裕を持った設計にしています。
整形外科と連携し、アスリートや産前産後をサポート
整形外科と連携されているそうですね。

妊娠期間には、腰痛や尿漏れといったトラブルが起こりますが、こうした問題も「仕方がない」と考えられがちで、実際に医療機関に相談される方はほとんどおられません。しかし、理学療法士が日常の行動や姿勢を指導、調整することで、腰痛などは改善が期待できます。尿漏れに対しても、通常は骨盤底筋を鍛える体操のパンフレットを渡す程度ですが、併設する整形外科クリニックには、ウィメンズヘルスに強い女性の理学療法士が在籍して、妊婦さんはもちろん女性のさまざまな悩みに対応しています。また、更年期の方についても骨密度が測定でき、必要な場合には専門的な知識を持つドクターによる治療も提供できるのが強みだと思います。両クリニックが密に連携することで、婦人科と整形外科の両面から患者さんをサポートします。
妊婦さんの診察には先進的な機器を導入されているとか。
4Dのエコーを導入しています。タイミングによりますが、おなかの中の動いている赤ちゃんの様子をリアルタイムに、動画で確認できるのが特徴です。映像は診療室の大きなディスプレーにも映し出せるので、奥さまの受診に付き添われているご主人にも見ていただけます。実際に動く赤ちゃんの姿を見ると、きっと感動してもらえるのではないかと思います。
がん検診にも力を入れておられますね。
がんは早期発見がとても大事なので、ぜひ検診を受けていただきたいですね。子宮頸がんは20〜40代の女性に多く、進行すると妊娠が不可能になる場合もあるので、閉経前の方は年に1度、閉経後の方は2年に1度は目安に検査を受けられることを強くお勧めします。また、お若い方には子宮頸がんワクチンの接種もお勧めしています。
読者にメッセージをお願いします。

どんな些細なことでも構いません。悩みや不安、気になることがあるなら、どうぞ気軽にご相談にお越しください。「こんなことで受診していいのかな」と思われるような場合でも、遠慮したり、気後れしたりする必要はまったくありません。診察の結果、何も問題がなければ安心でき、きちんと診断することで悩みや不安の改善につながる提案も可能になります。患者さんのことを大切に思う優しいスタッフがそろっていますので、ぜひ安心してお越しください。
自由診療費用の目安
自由診療とはウィメンズヘルス理学療法/30分:3000円、60分:6000円