肩凝り・腰痛へアプローチ
神経ブロック注射やリハビリテーション
わたなべ整形外科クリニック
(北九州市八幡西区/西黒崎駅)
最終更新日:2023/11/15


- 保険診療
今や現代病ともいえる肩凝りや腰痛。なかなか改善しないという悩みを抱えている人も多いだろう。つらい痛みの緩和を図る方法として、神経ブロック注射という選択肢がある。2022年10月に開業した「わたなべ整形外科クリニック」では、五十肩(肩関節周囲炎)、変形性脊椎症、腰部脊柱管狭窄症、慢性疼痛といったさまざまな症状に対して、多角的なアプローチを実施。薬物療法、神経ブロック注射、理学療法士によるリハビリテーションなどを併用し、不調の根本的な改善をめざす。診療時にエコー(超音波検査装置)を用いることで、より精密な治療も可能だ。神経ブロック注射とはどのような治療法なのか、神経ブロック注射とリハビリテーションを併用するメリット、同院のリハビリテーションについて渡邊匡能院長に話を聞いた。
(取材日2023年10月18日)
目次
神経ブロック注射やリハビリテーションを併用し、肩凝りや腰痛の根本的な解消をめざす
- Q神経ブロック注射とは、どのような治療法なのでしょうか?
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A
▲疾患によってさまざまな療法が適用される
神経ブロック注射とは、痛みを感じる原因となっている部位の神経付近に、麻酔薬や抗炎症剤を注入する治療法です。痛みが伝わる経路をブロックし、首や肩、腰などの痛みや炎症を抑えることをめざします。腰部脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどにより、神経の根本が圧迫され、強い痛みやしびれがあるという方に有用です。使用する薬剤について正しく理解してもらえればお子さんにも使用できます。ただし、神経ブロック注射は針を刺す医療行為なので、細菌感染や神経障害などの可能性はゼロではありません。安全性や確実性を考慮すると画像診断は必須です。当院ではエコーを用いて周辺組織を観察しながら、慎重に針を進めます。
- Q実際の注射の痛みや、打つ回数の目安について教えてください。
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A
▲患者の不安に寄り添いながら治療を進めていく
神経ブロック注射というと「すごく痛い」「怖い」というイメージをお持ちの方も多いと思います。もちろん注射なので少しの痛みはありますが、採血で使う針と同じぐらいの太さの針を用いますので、実際にはそれほど強い痛みはありません。注射を打つ間隔は、2週間に1回程度が目安となります。治療で期待できる効果は個人差があり、どのくらいの回数を打つ必要があるかは一概には言えません。注射の回数が増えるほど、感染などのリスクもごくわずかながら高まるため、適切な回数や頻度をしっかり見極めて行います。もちろん無理に治療を行うことはありませんのでご安心ください。
- Q注射後に、リハビリテーションを行う必要性はありますか?
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A
▲院長とスタッフで連携を取り、リハビリテーションを行っている
神経ブロック注射はあくまでも痛みの緩和を図る対症療法です。根本的な原因が解決されなければ再発を繰り返すことになりかねません。肩凝りや腰痛の原因にはさまざまなものが考えられますが、日頃の姿勢や体の使い方が大きく関与しています。根本的な症状の改善に向けて、理学療法士の指導のもと、正しい姿勢と体の使い方を習得することが大切です。痛みが強いと思うように体を動かせないので、神経ブロック注射で痛みの緩和を図った上でリハビリテーションを行うことが必要だと考えます。リハビリテーションの時間は限られているため、日常生活の過ごし方も重要です。理学療法士から自宅で簡単にできるストレッチ方法などをお伝えしています。
- Q慢性的な肩凝りや腰痛に、神経ブロック注射以外のアプローチは?
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A
▲患者の悩みに応じて幅広い治療法を用意している
投薬治療に加え、運動指導と物理療法の2つの方法でアプローチしています。運動機能の改善・維持を目的とした体操や筋力トレーニングのほか、医療機器を使ってけん引、電気刺激、温熱療法などを行っています。近年、急速に広まっているのが、ハイドロリリースです。ハイドロリリースとは、麻酔剤が含まれた生理食塩水を注射する方法で、痛みの緩和を図ります。いわゆる四十肩・五十肩と呼ばれる疾患が原因で肩の動きに著しい制限のある方には、サイレントマニピュレーションが有用です。固くなった肩関節の袋を破るように動かし、肩の可動性を取り戻すことをめざします。手術に代わる画期的な方法として注目されています。
- Qこちらで行われるリハビリテーションの特徴を教えてください。
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A
▲日常会話から小さな気づきを見つけることを大事にしている
理学療法士4人と作業療法士1人が在籍し、患者さんの状態やニーズに合ったリハビリテーションを提供しています。理学療法士は主に身体機能の大きな動きを担当し、作業療法士は上肢を中心とした手指などの、より細かい部位を担当しています。チームとなってリハビリテーションに取り組むことで、より生活に密着した動作の維持・改善を図ります。理学療法士は担当制にしており、お一人お一人を継続してサポートしていけるようにしています。また、エコーを用いた理学療法も勉強中です。これまでは理学療法士の経験や勘に頼る部分も多かったのですが、エコーを導入することでより科学的で精度の高い理学療法につながると考えています。