簑輪 忠明 理事長の独自取材記事
ILC国際腰痛クリニック東京
(港区/品川駅)
最終更新日:2024/08/09

腰痛や首痛を中心に、体の慢性疼痛の根本改善をめざす「医療法人社団OJ会 ILC国際腰痛クリニック東京」。簑輪忠明理事長の「日本全国の痛みに悩む患者さんの力になりたい」という思いから、JR各線の品川駅から徒歩7分の場所に2022年に開業。簑輪理事長自身が腰椎椎間板ヘルニアを患った経験から、患者のつらい気持ちに寄り添いたいという思いが診療にも反映されており、初診は説明や相談だけで1時間ほどかけるという。「患者さんのお話を聞き、クリニックからもできる限りお伝えしようとすると、時間があっという間に過ぎて足りないくらいです。ご理解・ご納得の上で治療に臨めるように徹底的にサポートします」と話す簑輪理事長に、開業を決めた経緯から日々の診療への思い、今後の展望までたっぷりと話を聞いた。
(取材日2024年7月4日)
腰痛の「つらさ」を人一倍理解できるからこその診療を
最初に、先生が医師になろうと思った理由を教えていただけますか。

実ははっきりとした理由を覚えていないのですが、幼い頃は体が弱く、喘息も患っていたので、医師と関わる機会が多かったことは影響していると思います。多くのドクターと接する中で、ある1人の先生が、幼心にもわかるくらいに私と家族に親身に寄り添ってくれたんです。本当に優しい方でしたね。思い返してみると、その先生に憧れたことが、私が医師の道に進むことになったルーツといえるかもしれません。
腰痛治療の道に進んだきっかけをお聞かせください。
主にがん診療に携わっていた大学病院での勤務医時代に、私自身が腰椎椎間板ヘルニアになってしまったことがきっかけです。私が受けた手術は入院が必要で仕事を1週間も休むことになり、再発の可能性もありました……。当時は職場や患者さんに迷惑をかけてしまったと、自分を責めてしまっていました。一方で、患者さんの立場を経験したことで、自然と「私と同じように腰痛でつらい思いをしている人のために何かできないか」と考えるようになりました。そこで、腰痛治療の道に進もうと決意したんです。病院での診療にもやりがいを感じていましたが、自分の理想とする医療を実現するために、クリニックを開業するに至りました。
こちらのクリニックには、どのような患者さんがいらっしゃいますか?

腰や首の慢性疼痛にお悩みの方が相談に来られます。老若男女問わず幅広い年齢の方がいらっしゃいますが、60~70代が一番多い印象ですね。遠方からも通院できるようにと品川に開業したこともあって、新幹線で通院される方も少なくありません。慢性疼痛を抱える患者さんは、長年痛みと付き合ってきた方や、根気強くリハビリテーションに取り組み続けている方も多いですから、「いつまで頑張れば良いのだろう」と不安に思って、セカンドオピニオンとして意見を聞きに来られるようなケースもありますね。当院は完全予約制で、患者さんお一人お一人のお悩みをしっかりお聞きしますので、腰や首の痛みにお困りでしたら、まずは一度お電話をいただければと思います。
腰痛改善は「患者の理解」も鍵に。徹底サポートで伴走
完全予約制とのことですが、受診の流れを教えていただけますか?

受診のご予約は、お電話で承っています。初診の日時が決まったら、その日までに提携のクリニックでMRI画像の撮影をしてきていただく必要がありますので、お電話ではそのご案内もいたします。初診当日は当院でエックス線画像を撮影し、医師の問診・診察・説明、看護師との相談という流れです。法人として「腰痛治療の効果100%をめざして、より楽にリスクの少ない治療を安心・納得して受けていただく」という理念を掲げており、その実現のためにも、治療前の説明は特に丁寧に時間をかけて行うようにしています。私たち医師の問診・診察・説明に30分、看護師への相談の時間に30分でお一人に1時間程度かけ、患者さんが疑問を解消し納得した上で治療に臨めるようにサポートします。
先生が患者さんに説明する時に心がけていることはありますか?
医師の思考をそのまま患者さんに伝えるのではなく、患者さんが知りたいであろうことを説明できるように努めています。例えば、エックス線画像を診るとき、医師は骨折の有無などを確認しています。ただそこで、腰が痛いと訴える患者さんに「骨は折れていないから安心してね」と伝えても、患者さんは「どうして痛むのか」の原因を教えてほしいから、「それで、原因は?」と疑問に思って、コミュニケーションにずれが生じてしまうでしょう。整形外科においては、この「原因」をはっきりとは特定できないこともしばしばあるのですが、検査や問診で追求した上で、なるべく患者さんが知りたいこととマッチするような説明ができるように、伝え方を考えています。
患者さんの理解を大切にされているのですね。

そうですね。先ほど、法人理念に「腰痛治療の効果100%をめざして……」と掲げていると話しましたが、事実として100%完璧な医療は存在しません。もちろん、諦めずにめざしていくのですが、腰痛などの慢性疼痛の場合、医師の治療だけで治ることはなく、生活習慣の改善やリハビリなどご本人の努力も必要になります。そのためご本人が現在のご自身の状態や、腰痛の原因をよく理解しないことには、めざすゴールに向けて良いスタートを切ることができません。だからこそ、患者さんが迷わず走っていけるように、事前の説明や相談に時間をかけるのです。私たちは「治療だけして終わり」ではなく、改善に向けた「協力者」として関係を築き、伴走していきたいと考えています。看護師をはじめとするスタッフも私と同じ思いで、初診で約30分設けている看護師への相談の時間には、医師の説明に疑問や不安がないかを確認し、しっかりとフォローしてくれています。
慢性疼痛が足枷になる「つらさ」にも寄り添う
昔は体が弱かったとおっしゃっていましたが、現在の先生の健康管理法があれば教えてください。

ジムで筋トレをしています。ジムに通ううちに「かっこいい体になりたい」という目標ができて、食事の栄養にも気をつけるようになりました。向上心が生まれて意欲的になるという意味で精神的にも良いですし、心身の健康づくりに大いに役立っていると思います。筋トレをきっかけに「良い循環」ができたと言いますか。運動習慣といえば、腰痛の患者さんは、運動不足で筋肉が痩せて、骨盤をうまく立てられない状態の方が少なくありません。その場合、運動を勧めることもありますが、運動習慣がない方からすれば、ハードルが高いと感じるでしょう。ですから、「まずは外に出ましょう」とお声がけしています。最初は、お友達と会うために駅まで歩くだけでも良いんです。腰が痛いからと家から出ないと、さらに運動不足に陥る「悪循環」から抜け出せません。それを「良い循環」に変えられるような、患者さんの行動変容を促せるアドバイスも心がけたいと思っています。
今後の展望について、お聞かせください。
今後は、クリニックの認知度を上げていき、患者さんだけでなく、他院の整形外科の先生からも頼りにされるようになれたらうれしいですね。また、究極の理想ですが、最終的には「腰や首の痛みに困る患者さんが世の中からいない世界」が実現すれば良いと考えています。いつかそこにたどり着けるように、日々つらい思いをしている人を少しでも減らしていくための努力を怠らず、前進していきたいです。
最後に、読者へメッセージをお願いいたします。

腰痛や首痛を抱えていると、痛みがつらいのはもちろんのこと、出かけることがおっくうになったり、生活の中でできることが減ってしまったりと、足枷をかけられているような、別の意味での「つらさ」を感じることもあるでしょう。私たちは、そうした「つらさ」に耐える患者さんのお気持ちにも寄り添えたらと考えています。QOL(生活の質)の向上や健康寿命の延伸を見据えて、お一人お一人の人生にとって良いサポートができるように尽力します。いきなり受診するのが不安という方は、無料でメールでの画像相談もしておりますので、まずそちらにご連絡いただく方法もありますから、どなたでもお気軽にご相談くださいね。