工夫で負担軽減、同日検査で忙しい人にも
胃・大腸内視鏡検査
パイナクリニック祐天寺
(目黒区/祐天寺駅)
最終更新日:2025/05/09


- 保険診療
がん死亡のおよそ半数を占める消化器がんだが、早期発見により比較的低侵襲の治療で根治が期待できるといわれている。この早期発見に有用なのが、胃カメラ、大腸カメラとも呼ばれる消化器内視鏡検査だ。「痛みや苦痛があると検査を避ける方もいらっしゃいますが、内視鏡の進歩とさまざまな工夫により負担を抑えることは可能です。胃と大腸を同日に検査すれば、飲食の制限も一度で済み、鎮静剤を用いる場合でも体の負担を軽減できます」と話すのは、祐天寺駅近くの「パイナクリニック祐天寺」で多くの検査を手がける富松美保院長だ。分野では珍しい女性医師で、日本消化器病学会消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医でもある富松院長に、同院での内視鏡検査について詳しく聞いた。
(取材日2025年1月15日)
目次
希望の時間帯で胃と大腸を同時に、仕事や家事、育児で忙しい人も受けやすい内視鏡検査
- Q胃・大腸内視鏡の検査を同時に受けられるとお聞きしました。
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A
▲できるだけ院内での待ち時間を減らせるように予約制を導入
はい。胃と大腸の内視鏡検査ではいずれも内部を空にするための飲食制限が求められますが、同日に受ければ一度の制限で済ますことができます。鎮静剤を使う場合でも一度で済むので、体の負担が軽減できるのがメリットです。胃と大腸の同日検査は時間がかかるため、大きな病院などでは対応していないところも多いと聞きます。さらに、消化器内視鏡検査は消化管を空気で膨らませて行いますが、胃と大腸を一度に検査する場合、上部からも下部からも空気を注入することになり、膨満感が大きく、苦痛を感じがちです。当院では、必要最小限にガスの注入を抑え、二酸化炭素ガスを使用することで、この苦痛を軽減できるよう取り組んでいます。
- Q朝早い検査にも対応しているのですね。
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A
▲ニーズに合わせた診療を心がける
平日は9時から17時までと、土曜の午前中も含めて、ご希望の時間帯にご予約いただけます。大きな病院では効率化のため、午前に胃の検査、午後に大腸の検査など、枠が定められていることがほとんどです。しかし、午前中に仕事や家事をこなしてから、午後に胃カメラを受けたいという方もいらっしゃいますし、鎮静剤を用いる場合は午後遅めの時間に検査をして、そのまま休みたいという声もあります。また、絶飲食が必要な大腸の検査は、できれば朝一番に受けたいという方も少なくありません。こうしたさまざまなご希望に応えるため、当院では胃の検査も、大腸の検査も、できる限りご希望に合わせた時間帯で受けていただける体制を取っています。
- Q検査当日の流れや所要時間を教えてください。
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A
▲検査に対しての不安を払拭できるよう、最善を尽くす
同日検査の場合、まずは胃の検査を、続いて大腸の検査を行います。検査ベッドを回転させることができるので、ご自身は一度横になったら体勢を変える必要もなく、そのままで2つの検査を受けられます。検査にかかる時間は通常、胃で10分、大腸で20分程度、準備や服装を整える時間を含めた全体では40〜45分程度でしょうか。鎮静剤を用いた場合には、検査後に30分ほどの安静を取っていただきます。大腸内視鏡は、検査に先駆けて下剤を服用し、おなかの中を空っぽにしていただく必要があります。服用はご自宅でも院内でも可能です。院内の場合9時から服用、自宅の場合検査時間から逆算し、4時間程度前から服用を開始します。
- Q検査で異常が見つかった場合についても教えてください。
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A
▲プライバシーに配慮されたリカバリールーム
胃がんや大腸がんといった進行がんが見つかれば、専門病院や大学病院といった高度医療機関をご紹介します。これまでの経験により培った人脈から、分野に応じて適した医療機関をご紹介いたします。大腸ポリープやごく小さい早期がんであれば、検査と同時に切除を図ることも可能です。切除に伴う出血リスクを避けるため、クリニックではある程度のサイズ以上のものは切除せず、大きな病院に任せるというケースが多いようですが、当院では状況にもよりますが直径2センチ程度のものまでは対応しています。紹介を受けて対応する側にいた経験を生かし、入院が必要となるものかどうかを見極めて、できる限り負担なく切除できる方法を選択しています。
- Q検査時の痛みや下剤の服用に不安を持っている人も多いのでは?
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A
▲できるだけ時間的にも身体にも負担が少ない検査の実施を心がける
検査時の体位や、太さややわらかさが異なるカメラの選択などの工夫で、できるだけ痛みのない検査を心がけています。しかし、過去の手術による癒着がある方などは、どんなに工夫を重ねても痛みを完全に避けるのは難しいものです。そこで、必要に応じて鎮静剤を使用しています。鎮静剤も患者さんの年齢や状態などにより種類や量を工夫しており、目覚めが良いとされる全身麻酔・鎮静用剤も導入しています。「検査より下剤がつらかった」という方も多い大腸内視鏡では、下剤のバリエーションとして5種類を用意。便秘がちな方は洗浄力の高いものを、逆に下痢をしがちな方には、味が良いものや錠剤タイプといった飲みやすいものをお勧めしています。