訪問診療を専門に取り組みながら
チームで実現する在宅医療の姿
ホームケアクリニックもみじ
(広島市東区/矢賀駅)
最終更新日:2026/10/30
- 保険診療
病床数の不足や看取り難民が話題となった、いわゆる“2025年問題”はすでに過去の話。このまま少子高齢化が加速すれば、将来的な医療・介護のひっ迫につながると危惧されている。その状況下で人々の関心を集めているのが在宅医療という選択肢。中でも訪問診療は今後の医療の方向性として重視される存在となっている。とはいえ、一般への浸透はまだ途上段階で、医療者側がどのような姿勢で取り組んでいるのか、よくわからないのが現実だろう。今回は24時間・365日で訪問診療に対応する「ホームケアクリニックもみじ」の山科明彦院長に、院内での取り組みや理想的な在宅医療の在り方について詳しく聞いてみた。
(取材日2026年10月21日)
目次
専門的な訪問診療を導入することで、医療・看護・介護の幅が広がることも
- Q訪問診療とは、どのような医療なのでしょうか?
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A
▲訪問診療でも外来とほぼ同じレベルの医療が提供できる
医療機関への通院が困難な方や、在宅での療養生活を望まれる方、退院後の療養が必要な方などのご自宅へ、医師が直接訪問して定期的に診療を行うのが訪問診療です。超高齢社会になり、病院では患者さんを受け入れるキャパシティーが厳しくなる一方で、病気や障害があっても家で過ごしたいと希望される方も増えています。今後はさらに訪問診療のニーズが高まると思われますので、私たちもしっかりと支えていきたいと考えています。大がかりな手術やCT検査などを除けば、訪問診療であっても外来とほぼ同じレベルの医療が提供可能です。訪問は月1〜2回が基本で、医療保険や高額療養費制度が適用されます。詳しい負担額は開始前にご確認ください。
- Qこちらには複数人の医師が在籍すると聞きました。
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A
▲チーム体制で患者をサポート
訪問診療を始めた当初は私1人で24時間・365日対応していましたが、チーム体制が次第にパワーアップ。現在は私を含めて常勤医師が2人、非常勤医師が4人、訪問看護師などスタッフも充実し、互いに協力しながら患者さんのサポートに努めています。また、在宅の患者さんの場合はオンコールといって、ご自宅で症状や体調の急変などがあれば、いつでも緊急対応できる体制が必要です。当院では情報の共有はもちろん、記載ルールまで統一し、誰が担当してもスムーズに対応できる環境を整備。スタッフが自分の時間や生活を犠牲にすることなく、クリニックとして無理なく対応できるシステムで医療サービスの充実につなげています。
- Q2026年から新たな先生が加わったそうですね。
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A
▲新しい先生が加わり、より高い医療を提供
今年から常勤医師として、私とともに訪問診療に携わっているのが徳本太哉先生です。彼は大学病院などで心臓血管外科を専門としていましたが、その極めて専門性の高い分野から、しかも若いうちに訪問診療に転身されたのは珍しいケース。病院で手術などを担当した患者さんたちの、その先の姿を見てみたいという思いがあったそうです。病院とは違い、私たちには患者さんの自宅での様子や生活のバックグラウンドを直接目にできるという強みがあります。ご家庭の環境を知ることで、悪くなる前に兆候や原因をキャッチできます。入院しなければならないような事態を防ぎ、患者さんが落ち着いて過ごせる状態を保っていくことも私たちの大切な役割です。
- Q訪問診療で、特に注意していることはありますか?
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A
▲クラウド型の電子カルテやチャットツールも活用
まず、個人情報の遵守は基本中の基本です。当院ではクラウド型の電子カルテで患者さんごとの情報を厳重に管理しつつ、必要時にはスタッフ間で即座に情報共有が行えるようにしています。また、電話での会話は文字にできないため、院内でのちょっとした連絡にはチャットツールも活用しています。さらに訪問先で大切にしているのは、こちらの考えを患者さんやご家族に押しつけないこと。医師の立場で正しいと思えることがあっても、別のご希望があれば、その気持ちを尊重します。私たちの役目は、あくまで患者さんがご自宅で快適に過ごすためのサポート。「おうちへ行かせてもらっている」という姿勢で、丁寧に接することを常に心がけています。
- Q地域病院や関連施設との連携にも力を入れているそうですね。
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A
▲各分野の専門家と連絡を取り合い、一人ひとりの在宅療養を支える
当院への訪問診療の依頼は近隣病院からの紹介が一番多く、病院から相談があればスタッフが詳しく聞き取って必要な情報をまとめます。連携病院は大学病院や市民病院など多岐にわたり、病院の地域医療連携室やケアマネジャー、訪問看護師、訪問薬剤師、訪問介護士、訪問リハビリテーション、管理栄養士、訪問歯科医師・歯科衛生士など、地域の各分野の専門家と連絡を取り合いながら一人ひとりの患者さんの在宅療養を包括的に支えます。こうした連携には非公開型の多職種連携コミュニケーションツールを使い、さらには広島市東区医師会の多職種連携サービスにも加わり、地域の患者さんに対するより充実した医療・看護・介護へとつなげています。

