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岩村 宣亜 院長の独自取材記事

大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニック

(大阪市北区/大阪駅)

最終更新日:2022/10/11

岩村宣亜院長 大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニック main

大阪梅田、老舗百貨店の上に誕生した高層オフィスビルに入る「大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニック」。内視鏡による鼠径ヘルニアの日帰り手術に特化したクリニックだ。欧米では鼠径ヘルニアは日帰り手術がスタンダードというが、日本では数日の入院を必要とすることが多く、多忙な患者が治療をためらう一因になっている。だが大規模病院の消化器外科で内視鏡治療に従事してきた岩村宣亜(せんあ)院長は、日本でも手術当日から普段どおりに過ごせればと実感。日帰り手術を気軽に受けられるようにしたいとの思いから、開業を決断した。高度な専門性を発揮できる環境を整え「治療はなるべく短期間で」という患者のニーズに応える岩村院長に、日帰り手術の特徴や、鼠径ヘルニアについて、じっくりと話を聞いた。

(取材日2022年9月7日)

鼠径ヘルニアは日帰りで手術できる時代に

コンセプトが明確に伝わってくるクリニック名ですね。

岩村宣亜院長 大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニック1

「鼠径ヘルニアの手術が日帰りでできることを知ってほしい、そして必要とする患者さまに見つけてもらいやすい名前にしたい」という考えから、この名称に決めました。クリニック名には医師の名前が入るケースが多いですが、そんなことはまったく思い浮かばなかったですね。診療内容をあえて成人の鼠径ヘルニアのみに絞ったのは、患者さまに認めてもらいやすいからです。多くの症例を治療することで、診療レベルをさらに向上させ、患者さまからの信頼度も高まればと思っています。同時に、信頼に応えることで鼠径ヘルニアの診療に対するわれわれの責任感もより強くし、患者さまや医学全体へ貢献したいと考えています。

ご開業の経緯をお聞かせください。

自分には外科が向いていると早い時期から感じていました。自分の手術で患者さまの症状へスパンとアプローチできるのが魅力的だったからです。また、研修医の時期から内視鏡を学びましたので、内視鏡手術ありきで消化器外科へ。大学卒業後は京阪神の中核病院や大学病院で勤務し、消化器がんの手術や肝移植などの重症度の高い、専門的な治療にも携わりました。その一方、鼠径ヘルニアについては手術後すぐにすたすたと歩けるのに入院を求められる患者さまを多数見て、疑問を感じていたんですね。その後、欧米では日帰り手術が一般的であると知りましたし、診療経験を積む中で「日帰りで大丈夫」という確信が持てるようになりました。入院がない分、費用面のメリットもあります。また、私はやはり手術が好きでして、「自分が修得した高度な技術を、充実した環境で、多くの患者さまに届け続けたい」と思うようになり、開業に至りました。

立地や設備面でのこだわりは?

岩村宣亜院長 大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニック2

「関西で日帰り手術のクリニックを開業するなら、利便性を考えると梅田しかない」という確信がありました。また私はまだ30代ですので、新しい環境や設備を整えて長く治療を続ける上で、ここはうってつけの立地です。ビル自体に優れた制震性や換気システムがありますし、手術に対応できる停電対策も行っています。院内は私の好みでブルーとグレーを基調に、また受付や待合フロアは広くして、手術に付き添うご家族もゆっくりと過ごせるようにしました。広い手術室が2室、またリカバリースペースは回復度に応じて2種類設けました。当院は13階にありますので、梅田の眺望も楽しんでいただけると思います。また、忙しい方ほど日帰り手術を希望されますので、土日や祝日も診察や手術を行っています。

最短3回の受診で完結、生活への影響は最小限に

改めて、鼠径ヘルニアとはどのような病気ですか?

岩村宣亜院長 大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニック3

太腿の付け根である鼠径部の筋肉に穴が開いてしまって、そこから内臓、主に腸が飛び出してしまう状態です。脱腸とも呼ばれます。子どもの脱腸は多くが生まれつきですが、大人では筋肉が弱くなったり腹圧がかかり続けることで発症します。継続する便秘や咳、妊娠、あるいは立ち仕事が多い方などで発症しやすく、40代以上の男性に多い傾向があります。左右どちらかの鼠径部にピンポン玉ぐらいの膨らみができて、立ったり力んだりすると大きく硬くなり、寝たり力を抜くと凹みます。違和感や痛みがあったり、見た目が気になる方も多いですね。そして、鼠径ヘルニアは自然には治りません。放置すると膨らみが少しずつ大きくなって、時には腸が戻らなくなる「嵌頓(かんとん)」という状態になります。こうなると痛みや吐き気が生じたり、数時間で腸の壊死や腸閉塞に至ることもあり、緊急の処置や手術をしなければなりません。

鼠径ヘルニアの治療方法について教えてください。

嵌頓(かんとん)は生命に関わることがありますし、そうでなくても普段から痛みや違和感、見た目が気になって日常生活に支障を来す方も多いです。多くの患者さまは、受診前からご自身が鼠径ヘルニアであることをある程度わかっていますので、気がついたら早めに受診して、できれば手術されるようにお勧めしています。手術では穴をメッシュでふさぎますが、皮膚を切開してメッシュを置く鼠径部切開法と、内視鏡でおなかの中からメッシュを置く内視鏡手術があり、当クリニックではより傷が小さく体への負担が軽くし得る内視鏡手術を行います。従来は、病院へ入院して手術を行うのが一般的でしたが、近年では日帰り手術を行う病院やクリニックも増えてきました。なお、鼠径ヘルニアの手術は保険診療が適用されます。

こちらでの診療や内視鏡手術にはどんな特徴がありますか?

岩村宣亜院長 大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニック4

まず、原則的には初診、手術、術後の診察という3回の来院で治療が終わることです。患者さまが鼠径ヘルニアの手術をためらう理由の1つに、「時間が取れない」という事情があります。せっかく日帰り手術にするのですから、受診回数は極力コンパクトにして、なるべく日常生活に影響が出ない治療にしたいと考えています。それから、内視鏡手術では全身麻酔を行います。1人の医師が内視鏡と麻酔の両方を担当することもありますが、当クリニックでは麻酔科の医師が麻酔と全身管理を行い、私は内視鏡に集中。それぞれの専門性を十分に発揮することで、効果の高さにこだわって手術が行えます。また専門性という点では、手術日には1人の看護師が患者さまをお迎えからお帰りまで担当することで、きめ細かなケアを行っています。

初診では1時間かけて丁寧に説明

日帰り手術に不安を感じる方もいるのでは?

岩村宣亜院長 大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニック5

確かに「2回目の来院で日帰り手術」という流れは不安になるかもしれません。ただ不安には2つの種類があり、1つはわからないことへの不安、もう1つは漠然とした不安だと思います。そこで、初診には1時間を取って丁寧に説明を行い、患者さまがご自身の状態や手術について正しく理解され、納得されてから手術を決めるようにしています。また、患者さまとお話ししたり連絡を取ったりする際には、スタッフに任せるのではなく私からも直接関わる機会を増やしています。私自身、顔が見えない人に手術をしてほしくはありません。膝を突き合わせてお話ししたり、SNS等を通じて私のことを知っていただく。また私も患者さんやご家族の気持ちに思いを巡らせ、信頼関係を深めたいと思っています。

先生がやりがいを感じた経験をお聞かせください。

手術の翌日に、私から患者さんへ直接お電話をして体調や様子をお伺いします。本当に不安な症状や問題がないか、声からも感じ取ろうとしながらお話を伺っていますので、何の問題もないということで通話を終えられたら、大変うれしく、手応えを感じるでしょうね。われわれからすれば、術後すぐに日常生活に戻っていただけることが目標でもありますので、何事もなければ大きな達成感になるわけです。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

岩村宣亜院長 大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニック6

患者さまの多くは、ご自身の鼠径ヘルニアに気づきながらも忙しさや恥ずかしさなどで放置されています。困る症状がない場合もありますが、決して自然には治りませんし、嵌頓(かんとん)になると緊急手術が必要になったり、時には命に関わることも。見た目や症状の変化が気になり、仕事や趣味に集中できないこともあります。「鼠径ヘルニアかな?」と思ったら、自己判断せずぜひ早めに専門家に相談してください。鼠径ヘルニアを日帰りで手術するのは世界標準ですし、新型コロナウイルス流行下の今、入院がいらないのはメリットでもあります。当クリニックは梅田駅や大阪駅から近いのでアクセスしやすく、術後ご自身で帰る際にも便利です。「関西で、鼠径ヘルニアの内視鏡日帰り手術といえばここ」と、広域から認知されるクリニックをめざしていきます。

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