松島 勇介 院長の独自取材記事
千里中央メディカルクリニック
(豊中市/千里中央駅)
最終更新日:2026/08/05
北大阪急行・千里中央駅直結の商業施設の4階にある「千里中央メディカルクリニック」。基幹病院でがん治療を行ってきた松島勇介院長が2022年7月に開業した。多くの命を看取ってきた中で、もっとできることがあったのではないかと葛藤していた松島先生が出会ったのが、「睡眠医療」だった。「睡眠障害は万病のもと。睡眠に悩む人は多いのにもかかわらず、全国的にも睡眠障害を診療するクリニックは少ないのが現状。多くの人の救いになりたい」と睡眠の外来を設けることとなった。今回、松島先生を取材し、先生の経歴や睡眠障害とはどんなものなのかなど、詳しく話を聞いた。
(取材日2022年10月27日)
患者からの「ありがとう」が大きな喜びに
はじめに、先生が医師を志したきっかけを教えてください。

私が医者になりたいと決心したのは中学生ぐらいの頃でしょうか。将来、何になろうかと考えた時、「ありがとう」と言ってもらえるような仕事に就きたいと思ったんですね。その頃はあまり職業のバリエーションを知らないため、身近な存在だった警察官か医師がパッと思い浮かびました。そして地域を守ってくれる警察官と、困った人を助ける医師のどちらがいいのかと考え、それじゃあ医師になりたいと思ったんです。医師になってから今まで、本当にたくさんの人に「ありがとう」という言葉を頂きました。その度に医師としての大きな喜びにもなりますし、こちらも元気をもらえます。医師はすごくいい仕事だな、なって良かったなと日々感じます。
大学卒業後のご経歴を教えてください。
2010年に昭和大学医学部を卒業。内科の中でも消化器内科を専門に選び、高槻赤十字病院で手術や抗がん剤といったがん治療に従事してきました。ですが治療を行っても、残念ながら多くの患者さんを看取ることになりました。そんな中、もっとできることがあったのではないか、病院でしかできないことはたくさんあるけれど、その一方で限界もあるのではないかと、自問自答するように。治療はもちろん重要ですが、なぜそこに至ってしまったのかを追求することも大事なのではないかと葛藤する日々を過ごしていました。そんな時出会ったのが、睡眠のトラブルを抱えている人のための「睡眠医療」です。
開業を決意した理由は何ですか?

人が生き生きと生きていく上で必要なものは、休息・栄養・運動です。この3つを基本に病気にならない体づくりをした上で、もし病気になった時の後方支援として医療があると考えるようになりました。中でも、睡眠は人間にとって、人生の3分の1を占める休息の時間です。そこで睡眠医療の門を叩き、睡眠の持つ魅力と未知なる可能性に気づきました。現代社会では睡眠のトラブルを抱えている人が増えておりますが、睡眠を専門に診るクリニックは全国的に見ても多くはありません。そこで2022年7月に「千里中央メディカルクリニック」を開業。消化器、呼吸器、循環器、生活習慣病などの外来に加え、睡眠の外来を設けているのが同院の特徴です。
睡眠トラブルは万病のもと。適切な治療が必要
そもそも睡眠障害とはどんな症状をいうのでしょうか?

睡眠障害は睡眠に関するさまざまな疾患の総称です。なかなか寝つけない、途中で起きてしまうといった不眠症、眠りが浅くなるいびき、大きないびきとともに睡眠中に何度も呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群、日中に強い眠気に襲われる中枢性過眠症、夢の内容に反応して体を動かしたり、大きな声を出したりするなど、夢の内容が行動化してしまうレム睡眠行動異常症などが挙げられます。
睡眠のトラブルは、身体にどんな悪影響を及ぼすのですか?
睡眠は、体や脳が休息するだけではなく、免疫や代謝といった身体のさまざまな働きにも影響しています。睡眠がうまくいかないと、集中力や判断力が低下するだけではなく、精神面の健康に影響を及ぼすこともありますし、交通事故をはじめ医療事故・産業事故などにもつながれば社会的リスクも重大です。そして肥満や生活習慣病である高血圧、糖尿病、認知症の原因となり得ることもわかっています。また睡眠中はホルモン分泌が高まるとされているため、睡眠障害により睡眠時間が短くなると前立腺がんや乳がんといったホルモンに関連するがんの罹患リスクが高まることも。このように、睡眠のトラブルは万病のもと。睡眠時無呼吸症候群など本人が気づきにくい疾患もあるため、放置せず、早期の治療がお勧めです。
睡眠障害の治療の流れを教えてください。

まずは患者さんのお悩みをしっかりと把握するために、問診をしっかり丁寧に行います。問診だけでも30項目以上はあり、どのような睡眠の問題で困っているのか、普段の睡眠の様子がどのようなものかなど細かく確認した上で、診療に入り、必要な検査をします。例えば血液検査は、甲状腺や鉄不足、電解質異常、低血糖など睡眠に関連する項目をチェックします。そして診断のため、自宅でできる睡眠の簡易検査を行います。病院で検査を行うことも可能ですが、眠る場所や寝具が変わってしまうと、余計に眠れなくなってしまうなど、適切に現在の状態を把握することができないため、できれば自分の寝慣れた環境で、適切に検査をしたいと考えています。その結果から、さらなる精密検査を行うかどうかを決め、診断・治療につなげていきます。
地域医療、休息療法を担うクリニックに
睡眠不足を改善するために、日常でもできることはありますか?

睡眠不足は大人だけではなく、子どもにも増えています。外出や運動の頻度が減り、スマホやゲーム機など、目の前にある小さな画面を見ることが習慣化している方も多いと思います。そうすると、脳の疲労がたまる一方で、肉体的な疲労が少ないというギャップが生まれます。そしてスマホやタブレットなどから発せられる光によって、脳が覚醒して眠りが浅いなどの睡眠障害を引き起こしやすくなります。人は「日光を浴びると覚醒し、夜になると眠くなる」という睡眠のリズムがあります。ですが現代人は、朝の通勤や通学時にしか光を浴びないというケースも少なくありません。例えば、朝食事をする際には、カーテンを開けて光が届く窓際で食べる、休憩時間は外に出て光を浴びるなど、生活の中で屋外の光を取り入れられるよう日常の行動に工夫が大切です。夜はぐっすり、朝はすっきりの生活を心がけていきましょう。
こちらには現在、どんな患者さんが訪れていますか? また、読者へのメッセージをお願いします。
一般内科の外来と睡眠の外来の割合は半分ずつぐらいでしょうか。睡眠を専門に診るクリニックは非常に少ないため、他府県からも足を運んでくださる方もおられます。寝つきが悪いという患者さんの受け入れは現在行っておりませんが、「いびきがすごいと家族に言われる」など睡眠に関するお悩みを持っている人は多いと思います。「睡眠は技術」です。この技術により、皆さんが笑顔で元気になり、皆さんの日常が今よりも上質なものになってほしい。その思いを胸に、地域に根差して、睡眠で困っている人に、適切な睡眠医療を届けていきたいと思っています。まずは簡単なカウンセリングから治療を始めていきましょう。
最後に、今後の展望を教えてください。

私が理事を務める「医療法人友広会」は、ここ「千里中央メディカルクリニック」以外に、同院と同じく睡眠の外来を設けた「本町中央メディカルクリニック」、天下茶屋にある「整形外科ひろクリニック」などを運営しています。グループ全体で、真の健康を追求し続けて、関西一の笑顔と元気をめざしています。お悩みの解決に少しでも近づき、また来院しようと思っていただけるクリニックであり続けるために、研鑽を積んでいきます。

