平山 剛 院長の独自取材記事
ひらやま内科・内視鏡クリニック
(横浜市青葉区/藤が丘駅)
最終更新日:2023/01/30
横浜市青葉区にある「ひらやま内科・内視鏡クリニック」。2022年7月に開業した同院は、東急田園都市線藤が丘駅から徒歩1分という恵まれた立地にあるが、これは院長の平山剛先生のこだわりでもある。「患者さんが通院しやすく、検査も受けやすい環境づくりを大事にした」という先生。内視鏡検査を強みとする先生だが、勤務医時代は消化器疾患以外の診療にも積極的に携わってきたという。その経験を生かし、同院でも「内視鏡だけでなく、内科疾患全般に対応しながら地域の皆さんの健康を支えたい」と真摯に語る。日々の診療では、患者はもちろんスタッフも含め、関わる人たちすべてを大切にすることを心がけているという平山先生に、クリニックの理念や特徴、患者への想いなどについて聞いた。
(取材日2022年8月16日)
患者の不安を払拭するためハード・ソフト両面の工夫を
とても落ち着いた雰囲気の院内ですね。開院にあたってこだわった点はありますか?
診察前や検査前は、不安な気持ちになり血圧が上がってしまったり、緊張して医師に伝えたいことをうまく言葉にできなかったりすることがあるのではないでしょうか。そこで、当院では少しでも落ち着いていただけるよう、内装に工夫を凝らしました。ベージュや木目調のデザインを取り入れたり、ストレッチャーの色をベージュにしたりと、視覚的に安心できるような色使いにこだわっています。また、待合室や検査室でできるだけ患者さん同士が顔を合わせないよう動線の工夫もしています。
クリニックの理念について教えてください。
「スタッフが家族を受診させたくなるクリニック」をめざしています。自分の職場に満足していなければ、大事な人を紹介することはできませんよね。だからこそ、スタッフにそう思ってもらえるような場所でありたいと考えています。そのために、目に見える「病気」を診るだけでなく、その方の背景なども含めて「人」を見ることも大切にしています。スタッフとは日頃から密にコミュニケーションを図っていますので、こうしたクリニックの方針も共有しています。ほかにも、「健全な医療を提供し、地域医療に貢献できるように努めること」「必要に応じて専門医療機関に紹介すること」も理念に掲げ、専門性の高い疾患が疑われる場合は、適切な専門医療機関につないでいます。
先生が診療の際に心がけていることは何でしょうか?
医師と患者という立場の違いはありますが、人と人とのお付き合いという意味では対等な関係を築きたいと考えています。とはいえ、患者さんは医師にうまく伝えられないことや、言いたくても遠慮してしまうことがあるかもしれません。そこで私は、それを見逃さないよう、患者さんが診察室に入った瞬間から出るまでの様子をしっかりと見るようにしています。また、1回の診察では解決できないこともありますので、診療の中で「また相談しに来たいな」「この先生なら信頼できそう」と思っていただけるような対応を心がけています。他にも、大きな音を出さないこと、クリニックを清潔に保つことも大事にしていますね。
諦めずに医師の道へ。内視鏡を強みに内科全般を研鑽
勤務医時代は、消化器内科だけではなく内科全般の経験を積まれたそうですね。
大学卒業後は消化器疾患だけでなく、幅広く内科の診療に携わりました。というのも、私の勤務した北海道の地方病院の内科は、よほど専門性の高い疾患以外は何でも対応していたからです。例を挙げると、血液疾患や膠原病の治療も行っていました。中でも得意としていたのが内視鏡だったので、技術を磨いていきました。そういった経験から、私にとって内視鏡は、診療する上での一つのツールという位置づけになっています。
そもそもどうして内科を選んだのですか?
もともとは小児科の医師になるつもりでしたが、学生時代や研修医時代に多くの先生にお世話になる中で、診療の守備範囲が広い「内科」に魅力を感じるようになったんです。「内科医であれば、患者さんの悩みを解決できる可能性が広がるかもしれない」と考え、最終的に内科に入局しました。さらに研修医時代に指導していただいた先生に、「筋がいいね」と褒めてもらったのをきっかけに、内視鏡の検査・治療に携わるように。とはいえ、実を言うと先生にチェックしてもらう前に、夜な夜な人体モデルを使って何度も練習をしていたんですよ。「やってみろ」と言われて、初めてなのにクールにこなせたら格好いいじゃないですか(笑)。振り返るといい思い出ですね。
では、さらにさかのぼって医師をめざしたきっかけを教えてください。
子どもの頃、喘息やじんましんに悩まされました。そんな自分を変えたくて、小学5年生になると毎日早く学校へ行き、校庭を走っていたんです。毎日走ることで、体だけではなく心も鍛えられましたね。こうした経験から、「お世話になった先生のようになりたい」という気持ちが徐々に芽生えていったのですが、家族に医師になった人はおらず、また漠然とした目標だったことから、高校時代は本腰を入れて勉強をしていませんでした。それもあって結局、明治大学農学部に入ったのですが、やはり夢を捨てきれなくて。大学3年生の時に受験勉強を再開し、大学卒業後1年間の浪人を経て、北海道大学医学部に入学しました。あの時も大きな賭けだと思っていましたが、25年以上たった今でも、必死に挑んだ当時の夢を見ることがあるほど。初心忘るべからずですね。
患者一人ひとりに敬意を払い、対等な立場で寄り添う
開業に至った経緯を教えてください。
医師になり、「いつかは開業したい」と考えるようになったのですが、どこで開業するか、駅前または郊外にするかなど、非常に悩みました。勤務医時代に自分を頼って受診してくれた方々を裏切ることになるのではないかとも思いましたから。最終的に、自分が住んでいる地域に内視鏡検査を受けられるクリニックを作ろうと思い、この場所を選びました。その際、遠方の方にも来ていただけるよう駅前にしたんです。藤が丘でも、前職時代の最寄り駅だった渕野辺でも、私のやることは変わりません。正確な診断と治療を提供できるよう努めるとともに、一人ひとりに敬意を払って対等な立場で寄り添うことだと考えています。
胃カメラ・大腸カメラなどの内視鏡検査や、超音波検査もできるそうですね。女性専用の検査日もあるとか。
胃と大腸の内視鏡検査を毎日行っています。胃カメラは、経口内視鏡と経鼻内視鏡のどちらかを選択できるほか、鎮静剤を使うかどうかもお選びいただけます。実は、患者さんからの要望で勤務医時代からかなえたいと思っていたことが2点ありました。一つは土日に内視鏡検査を受けられるようにすること、もう一つは女性にも不安なく検査を受けてもらえるようにすることです。そこで、まず土曜日は毎週、日曜日は月1回検査を受けられるような体制を整えました。また、内視鏡検査前に検査着に着替えていただくのですが、「恥ずかしい」という女性の声を受け女性専用の検査日を設けました。超音波検査に関しては、経験豊富な臨床検査技師が腹部と頸動脈のエコーを行っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
当院の特徴は、内視鏡だけではなく、内科疾患全般に幅広く対応していることです。特に症状があって受診された方には、内視鏡検査を受けて異常がなかったとしても、内視鏡で見つけられる疾患以外の可能性を探り、その治療を行えるよう努めています。私がめざすのは、内視鏡検査に特化するクリニックではなく、内視鏡検査もできる身近なかかりつけ医です。心配なことがありましたら、どんな些細なことでも構いませんので気軽にご相談ください。