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濵野 剛 院長の独自取材記事

上町はまのクリニック

(大阪市中央区/谷町四丁目駅)

最終更新日:2024/02/19

濵野剛院長 上町はまのクリニック main

大阪メトロ谷町線・谷町四丁目駅から徒歩7分の場所にある「上町はまのクリニック」は、医師家系に生まれ育った濵野剛先生が院長を務めるクリニック。幼い頃から医師として働く両親の姿を見て、「地域の医療に貢献したい」という思いをずっと抱えてきたという濵野院長は、循環器内科・総合診療科の医師としての経験を生かし、一般内科疾患、専門の循環器疾患の診療にあたる。また運動療法にも力を入れ、クリニックには心臓リハビリテーション室や運動施設を併設して疾病管理や予防にも注力。「病気の相談はもちろん、地域の皆さんの健康づくりのためのコミュニティーにもなっていければ」と話す濵野院長からは、患者や地域への確かな愛情が伝わってくる。今回は、そんな同院の特徴や診療内容、今後の展望などを含めたっぷり話を聞いた。

(取材日2023年9月8日)

医師家系に生まれ育ち、自然と医師の道へ

初めに、先生が医師をめざしたきっかけを教えてください。

濵野剛院長 上町はまのクリニック1

祖父、父、母が医師をしている医師家系で育ちましたので、幼少期より医療は身近なものとして育ちました。地元・長崎県で祖父が耳鼻科を開業していましたし、両親も佐世保で俵町浜野病院を営んでいます。私が幼い頃は自宅が病院の上にありましたので、地域に密着した医療を行う医師の姿を見てきたんです。そんな環境ですから、私が医師をめざしたのはある意味自然なことで、他の職業を考えたことはなかったですね(笑)。循環器内科を専門に選んだのは、救命救急に興味を持っていたから。重篤な状態で搬送されてくる患者さんを素早く診断し、治療につなげるところに魅力を感じました。また循環器疾患は治療の選択肢が多く、医師としてのやりがいも大きい。忙しい科ではあるけれども、自分の性分に合っていると感じています。

開業に至るまでのご経歴を聞かせてください。

2006年に九州大学医学部を卒業し、国立病院機構大阪医療センターで初期研修医として2年、循環器内科の医師として約6年勤務しました。特に心不全のエキスパートである先生のもとで臨床医療と研究を行っていましたが、その後、生活習慣病を主として診療する大阪大学医学部附属病院の老年・総合内科へ移りました。循環器疾患の発症に関しては、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が大きなリスクとして関与しています。心筋梗塞や心不全といった多くの患者さんに出会う中、重篤な状態になる前に生活習慣病を改善させていくことがとても大事だと感じていたからです。さらに、将来は開業し、地域の医療に貢献したいと考えていたため、市立東大阪医療センターの総合診療科で勤務。2022年7月に「上町はまのクリニック」を開業しました。

とても美しく、開放感あふれるクリニックですね。

濵野剛院長 上町はまのクリニック2

当ビルがある谷町エリアは、能楽堂や長屋があるなど歴史的な雰囲気が残る街。その地域の雰囲気を壊さないようにと和モダンな外装に仕上げています。また目の前に緑豊かな公園を望む立地条件を生かせるように、採光に優れた明るい空間にしました。新型コロナウイルス感染症流行中の開業だったので、感染症の外来専用の診察室も備えています。エレベーターも通常の診察と動線を分けており、換気装置の空気の流路も別になるよう配慮しています。感染症の患者さんも、そうでない患者さんにも安心して訪れられるようにこだわっていますね。

先生が、患者さんへの対応で心がけていることはありますか?

わかりやすい言葉で伝えること、患者さんに寄り添うということに加え、一緒に悩むマインドを大切にしています。医師としては、患者さんの悩みを解決することを求められていますが、一旦一緒に悩んでみる、きちんと悩みを扱うようにすることで、患者さんとの関係性をつくりやすいと感じています。

疾病の管理・予防のために運動療法を重視

クリニックの特徴を教えてください。

濵野剛院長 上町はまのクリニック3

地域の中核病院で循環器・総合診療科の医師として勤務した経験を生かし、一般内科疾患の診療はもちろん、何科を受診すれば良いかわからない患者さんの相談窓口として診療にあたっています。また病院と大差ない設備を備えているのも当院の特徴。例えば何か症状があってクリニックを訪れた場合、クリニックでは検査が難しく、検査設備の整った総合病院に行くことを勧められることがありますよね。しかし検査して、別の日に結果を聞くために来院するのは大変です。そこで、エコーやCTをはじめとする機器を備え、必要な検査がその場でできるようにしました。検査時間を短縮することで、必要な治療を早めに開始できます。患者さんの安心にもつながるのではないでしょうか。

骨密度測定もお勧めされているそうですね。

当院では、大腿・腰椎DEXA法での検査を実施しています。骨粗しょう症の予防や発見のためには定期的な検査が必要です。40歳以上の閉経後の女性には一度検査を受けていただけたらと思います。症状がないうちの検査は面倒かもしれませんが、放置すれば骨折や体の痛みの原因にもなります。早めの検査、早めの予防を心がけていただければ安心です。また、骨粗しょう症予防にも、運動は有用です。バランスの良い食事や日光浴とともに、ぜひ運動も取り入れていただきたいなと思っています。

こちらでは、運動療法にもこだわっていると聞きました。

濵野剛院長 上町はまのクリニック4

はい、まず心血管疾患を持つ方々に対しては心臓リハビリテーションを実施しています。対象となるのは心筋梗塞、狭心症、心不全、虚血性心疾患、閉塞性動脈硬化症など。リハビリテーションと聞くと運動するイメージですが、運動療法だけではなく、栄養指導や生活習慣指導含めてのリハビリテーションを提供します。クリニック内には専用の心臓リハビリテーション室を設置。心肺機能、心機能、筋力、筋量を測定した結果、医師と理学療法士とカンファレンスしてメニューを決定。週1~2回程度の筋力トレーニングや有酸素運動を続けることで、心血管疾患の悪化や再発、再入院のリスクを減らすことをめざします。しかし、いまだ心血管疾患の治療法として広く実施されているわけではありません。これは循環器学界全体の課題でもあり、一人の医師としてできることをしていきたいという思いから導入しました。

クリニック全体で、地域の人々の健康増進に寄与したい

運動施設は、健康増進のためにも利用できるそうですね

濵野剛院長 上町はまのクリニック5

日本のフィットネス人口は他の先進国と比較しても非常に少ないんです。だからこそ、一人でも多くの方に運動の素晴らしさを体感していただきたいですね。運動を始めてみれば身体的な変化はもちろん、体を動かすことで気持ちが晴れやかになったり、できなかったこともチャレンジしていけたり、運動施設で過ごす時間を通じて他の人と交流が図れたりと、精神面にもプラスの作用が期待できます。当院の運動施設は、さまざまな年代・病状の方が運動療法を実践できる疾病予防運動施設として、近隣の方々の健康増進のために利用していただけます。今後は指定運動療法施設として厚生労働省の認定を受けたいと思っています。気軽に利用していただければうれしいですね。

具体的にはどんな運動ができるのですか?

マシンを使ったトレーニングはもちろんですが、ヨガやピラティスなども楽しんでいただけます。何よりも医学的根拠に基づいた運動を継続できるようサポートすることを大切にしていますので、運動が苦手な方や初めての方でも安心です。実は私もお昼休みにはトレーニングしていますので、一緒になることもあるかもしれませんね(笑)。また、定期的に交流会なども開催しており、私がレシピを考案したデザートを提供することも。楽しみながら健康を考える機会としても利用していただけるように考えています。

最後に今後の展望について教えてください。

濵野剛院長 上町はまのクリニック6

地域に根差し、今後10年、20年たった時に、何かあった時に「ここに来ないと」と自然と足を運んでもらえるクリニックになれるよう、日々の診療に尽力していきたいです。また「健康であることはいいこと」というのは多くの方の共通の認識ですが、健康であり続けるために何をしたらいいのか、どういうものを食べたらいいのかという情報発信をすることも、医師としての大切な使命だと感じています。クリニックの診療だけではなく、さまざまな取り組みを通して情報発信をしていけたらと思います。「この街の人ってとても元気だね」と周りから言われるように、地域の皆さんの健康増進に寄与していきたいです。

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