丸岡 隆之 院長の独自取材記事
医療法人 黒崎中央医院
(北九州市八幡西区/黒崎駅)
最終更新日:2023/11/30
![丸岡隆之院長 医療法人 黒崎中央医院 main](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_banner_url/71859/20231108_202722_top.jpg)
JR鹿児島本線・黒崎駅より徒歩7分というアクセスの良い場所にある「黒崎中央医院」。院長の丸岡隆之先生は、2012年の開院以来、うつ病やパニック障害、適応障害、PTSD、発達障害、認知症など、幅広い年代のさまざまな心の不調に対応してきた。最近では、心と体の関連性、腸の状態が体の健康に及ぼす影響に着目し、腸内環境や栄養学を学んで見識を深めている。心の病気で休職している患者に向けた職場復帰援助プログラム(リワークプログラム)にも注力。精神保健福祉士や公認心理師などによるチーム医療で臨み、「私にはできないこともカバーしてくれるスタッフがたくさんで、いつも助けられています」と語る。丸岡院長に、多職種連携のメリットやクリニックの診療内容について話を聞いた。
(取材日2023年7月19日)
精神症状の改善だけでなく、社会的機能の改善を求めて
まずは丸岡先生のこれまでのご経歴について伺えますか?
![丸岡隆之院長 医療法人 黒崎中央医院1](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url1/71859/pc_1_Z51996_20230719_-_1_.jpg)
父をはじめ、親戚にも医師が多く、小さな頃から医療を身近に感じる環境で育ちました。精神科の医師が周りにいたわけではありませんでしたが、精神科医になりたいという気持ちは持っていたことを覚えています。久留米大学医学部に進み、1992年に医師になりました。医師になってからも良い師に巡り合うことができ、精神療法や集団療法、トラウマ領域で研鑽を積むことができました。そのような日々を経て、2012年、この医院を開院する運びとなりました。ここはもともと皮膚科の医師をしていた父が開いたクリニックでしたが、継承を機に診療科目を精神科・心療内科に変更したのです。
クリニックに来院される患者層について教えてください。
当院は高齢の方からお子さんまで、幅広い年代の方々がいらっしゃっています。うつ病やパニック障害、適応障害、PTSD、発達障害、認知症など、ご相談いただく疾患としても多岐にわたります。診察室の中での1対1の診療を行うことはもちろんですが、開業当初から心理カウンセリングや集団認知行動療法などを実施してきました。こうしたさまざまな活動が、現在のデイケアによる職場復帰援助プログラム(リワークプログラム)の開始につながっています。
なぜデイケアでの職場復帰援助プログラムに目を向けるようになったのですか?
![丸岡隆之院長 医療法人 黒崎中央医院2](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url2/71859/pc_2_Z51996_20230719_-_14_.jpg)
医師と患者さんが1対1で行う通常の外来診療は、やはり時間的な制約があります。量も質も、どちらも良い診療を提供するためには、医療チームで連携することが必要だと考えています。そこで当院では、デイケアとして職場復帰援助プログラムを開始し、看護師、精神保健福祉士、公認心理師、事務スタッフなど、さまざまな職種で構成された合計11人によるチーム医療で取り組むことにしたのです。開業してから今までのことを振り返ると、私一人ではできないことも、スタッフたちに助けられ乗り越えることができました。細かなところまで気配り、笑顔で対応してくれる当院のスタッフには、いつも感謝しています。
リワークプログラムの目的は、職場復帰と再休職の予防
「職場復帰援助プログラム(リワークプログラム)」について詳しく教えてください。
![丸岡隆之院長 医療法人 黒崎中央医院3](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url3/71859/pc_3_Z51996_20230719_-_97_.jpg)
当院は北九州市でも数少ないリワークプログラムを実施している医療機関です。内容としては、週に5日。1日3時間から6時間のプログラムを実施しています。2部屋あるデイケア用ルームを使い、マインドフルネス、ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)、アサーショントレーニング(自己主張訓練)、神経系ワーク、心理教育など、患者さんの特性に応じたプログラムを実施しています。体調や休職期間の長さによって、実施する期間は異なります。体調には波があることが多いため、「これで大丈夫」と思えても、ある程度長期的な目線で経過を見ていくことが必要です。
職場復帰援助プログラムを受ける上で、大切なことはありますか?
リワークプログラムの本来の目的は“職場復帰”ではなく、“再休職の予防”です。症状が改善するだけでなく、その後に再休職なく仕事を続けられるということをめざしています。そのために、プログラムの中で、自分自身の心のパターンや対人関係のパターンを理解し、対処していく作業が必要になります。さらに、それを集団で行うことも職場復帰援助プログラムの特徴の一つです。つまり、参加すること自体が職場のシミュレーションとなり、その中での対人関係そのものが職場復帰の練習となるのです。
カウンセリングにも力を入れていると伺いました。
![丸岡隆之院長 医療法人 黒崎中央医院4](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url4/71859/pc_4_Z51996_20230719_-_62_.jpg)
はい。公認心理師が自らの専門性を生かしながら、ある程度の時間をかけて行います。当院のカウンセリングは保険診療ではなく自由診療扱いとなります。心理的なテーマは個人によってさまざまであり、それぞれに合わせたアプローチを提供しています。
自身の経験をきっかけに、多様な観点から健康をめざす
最近は、「腸の健康」という観点からのアプローチも模索されていると伺いました。
![丸岡隆之院長 医療法人 黒崎中央医院5](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url5/71859/pc_5_Z51996_20230719_-_37_.jpg)
実は私自身、数年前にめまいと頭痛に悩まされたことがありました。さまざまな治療法を試してみたのですが、なかなか復調せず……。その時に、私の尊敬する先輩が「腸内の環境が整っていないことが、さまざまな症状の根本原因となっている可能性がある」と言っていたのを思い出したのです。それをきっかけに、腸内環境を整えようと、自分で腸を洗浄したり、生活習慣や食事の見直しを行ったりました。心療内科を受診される患者さんの中には、私のようにめまいや頭痛を抱えている方が多くいらっしゃいます。そのような方々のためになればと、腸内環境へのアプローチを始めました。
栄養学を診療に取り入れられているそうですね。
腸内環境についてのアプローチは、あらためて本来の健康について考え直すきっかけになりました。そもそも、どうして不調になってしまったのか、その原因をひもとく鍵のひとつが「栄養学」でした。例えば、小麦粉にはグルテンという成分が含まれていますが、この成分を摂取することで腸に炎症を起こすことがあり、それが結果的に体の不調につながっているという可能性が、私の不調の場合考えられたのです。これまで診療を通じて、心と体の健康は関連しているケースを数多く診てきました。自分の体に合った食事や必要な栄養素を知ることは、体はもちろん、心の健康にとっても大切なことです。当院でも、その人の体に合った食事指導や栄養指導をしていけたらと考えています。
読者へのメッセージをお願いいたします。
![丸岡隆之院長 医療法人 黒崎中央医院6](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url6/71859/pc_6_Z51996_20230719_-_134_.jpg)
私たちが「私たちらしく」あるためには、その肝心な“私”というこだわりから自由になったほうが良い場合もあります。“我”にこだわり、執着すればするほど、かえって私たちは的から遠ざかっていくのです。現代は、今一度自分自身の目標を見直してみる時代なのかもしれません。しかし、自分自身で行うその作業は、楽しいことばかりではなく、しばしば苦難を伴うこともあるでしょう。だからこそ当院では、腸内環境に着目したアプローチや心理カウンセリングを通し、それぞれの課題に取り組むための基盤を整える一助になればと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とは各種カウンセリング/8000円~
※自由診療費用の詳細についてはHPをご確認ください。