子どもから大人まで利用できる
訪問診療と医療型短期入所
ゆりかごファミリークリニック
(新居浜市/新居浜駅)
最終更新日:2023/11/29
- 保険診療
訪問診療というと、主に寝たきりの高齢者を対象とした医療サービスというイメージがあるが、実際には他にも障害のある子ども、肢体が不自由な人、精神的なつらさのある人など、病院に通うこと自体に困難を抱える人は多数存在している。そんな人々に寄り添い、“生活をまるごと診る医療”、すなわち在宅医療を提供しているのが「ゆりかごファミリークリニック」だ。同院では訪問診療を利用している患者に対し、人工呼吸管理などの医療ケアに対応した日帰り型の短期入所サービスも提供。「障害や病気があっても、誰もが地域の中で暮らし続けられる環境をつくっていきたい」と、大藤佳子院長は話す。同院の訪問診療と短期入所の特徴や、それに携わるスタッフの想いについて聞いた。
(取材日2023年5月24日)
目次
障害や病気のある人の地域生活を支える
- Q訪問診療や短期入所の概要と実施体制について教えてください。
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A
小児がんなどの慢性疾患を持つお子さんや重症心身障害児者、難病を抱えた大人の方が、地域の中で暮らし、成長し続けられる環境をつくりたいと思ったのが、訪問診療や短期入所を始めたきっかけです。今、世間では高齢者だけでなく、65歳未満で支援を必要としている人を、どうやって地域包括支援に含めるかが求められています。そのスタートとして、通院が困難な人への訪問診療や、医療ケアに対応した短期入所の受け入れを始めました。現在は、在宅医療の経験のあるスタッフが患者さん宅を訪問させていただき、各訪問の内容はグループメールなどを通じて共有しています。短期入所は、訪問診療を利用している患者さんを対象に行っています。
- Q訪問診療と短期入所それぞれの特徴やメリットは何でしょう?
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A
訪問診療では、ご自宅で採血や予防接種、簡易検査などを受けることができるため、外出が難しい障害のあるお子さんなどの通院負担を軽減することができます。何か異変があったときには大きな病院へ紹介することもできるので、「受診させるべきかどうか」と迷う状況のときも安心していただけます。緊急時は24時間いつでも電話対応していますし、必要に応じて往診も行います。短期入所は、現在は日中のみ対応しています。人工呼吸管理、在宅酸素療法、気管内吸引、経管栄養など医療処置の必要なお子さんもお預かりしているのが特徴です。
- Q訪問診療の対象や、利用の流れについて詳しく教えてください。
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A
定期的な医療処置が必要だけど、病気や障害のためにお一人では通院が困難な方、現在入院中でご自宅への退院を望んでいる方、認知症が進んで外出が困難な方などが対象です。医師や看護師、ケアマネジャーらが、決まった頻度でご自宅や施設を訪問します。特に障害のある子のお母さんは、外出のたびに荷物をたくさん持って出かけないといけないので、通院にはたいへん困難を抱えていらっしゃると思います。訪問診療を利用していただければ、ワクチン接種などはご自宅で受けていただけるので、かなり楽になっていただけるのではないでしょうか。訪問の際には、ご家族の大変さも労いながら、お気持ちに共感して接することを心がけています。
- Q短期入所についてはいかがでしょう?
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A
ご家庭で生活されている重症心身障害児・者や、医療ケアが必要な方を対象としています。原則として、当院の訪問診療を利用されている方に限って受け入れています。普段のご家庭での状況がわかっていないと、緊急時の対応が難しいためです。入所の際は、送迎はご家族の方にお願いしており、到着されたらバイタルサインチェック、水分補給、排泄確認などを実施。その後入浴や昼食の介助、リハビリテーション、レクリエーションなどを行い、楽しく過ごしてもらいます。
- Q利用を検討されているご家族に伝えたいことは?
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A
障害や病気のある、なしにかかわらず、誰もが安心して地域で暮らせるようにサポートしていますので、「私たちは利用できるだろうか」と迷ったときにはまずはご相談いただければと思います。小児医療や在宅医療の経験のあるスタッフがそろっていますから、お困りのときはぜひ頼ってください。