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石村 武志 院長の独自取材記事

いしむら腎泌尿器科クリニック

(神戸市東灘区/摂津本山駅)

最終更新日:2022/12/28

石村武志院長 いしむら腎泌尿器科クリニック main

2022年秋、JR神戸線の摂津本山駅、甲南山手駅、そして阪神本線の青木駅、深江駅、魚崎駅、さらに阪急神戸本線の岡本駅、6駅のほぼ中央にあたる神戸市東灘区本山南町に、バリアフリーの医療モールがオープンした。その2階に開院した「いしむら腎泌尿器科クリニック」は、泌尿器科・腎臓内科・腎臓移植外科を標榜し、専門性を生かした診療で地域の人々のかかりつけ医をめざしている。院長の石村武志先生は、神戸大学泌尿器科を中心に約25年の診療経験を持つベテランドクター。排尿障害やがんの診療、腎移植まで幅広く手がけ、多くの患者に寄り添い続けてきた。自身のクリニック開院という新たなステージを迎えた石村院長に、患者への思いや診療の特徴などについてたっぷりと聞いた。

(取材日2022年6月10日/情報更新日2022年10月17日)

専門性を生かし、腎移植後の患者をフォローアップ

まずは、開院の経緯をお聞かせください。

石村武志院長 いしむら腎泌尿器科クリニック1

私が医師となり約25年たちました。神戸大学泌尿器科では、ロボット手術や泌尿器がんの手術およびケア、排尿障害や尿路結石の診療など、さまざまな経験をしました。その中でも一番の専門は、腎不全の方に対し、外科手術と内科治療を組み合わせて健康の回復をめざす腎移植です。腎移植はとても優れた医療だと思います。ただし、手術後は専門の外来で定期検診と全身管理を続けることが重要です。近年、腎移植を受ける方が増えたこともあり、大学病院の腎移植患者さん専門の外来診療枠は常にあふれています。そのような状況で、腎移植後の患者さんをフォローアップする専門クリニックが地域に必要だと考えていたことが開院のきっかけです。腎移植後の患者さんをはじめ多くの方に質が高い医療を届けることが目標です。

腎移植後のフォローアップでは、どういったことを行うのですか?

腎移植後は、拒絶反応を抑えるために免疫抑制剤を服用し続けます。また、移植した腎臓を長持ちさせるために生活習慣病や感染症、がんなどに注意する必要があり、多くの方が高血圧や脂質異常症、糖尿病などの治療を同時に受けていることが多いです。私たちの役目は、腎臓を中心とし、これらの疾患の包括的管理を行うことです。現在、神戸大学に通院している腎移植を受けた患者さんのうち、多くの方が当クリニックへの転院を予定されています。ゆくゆくは同じく腎移植を行っている、兵庫県立西宮病院や兵庫医科大学とも連携が取れれば理想的ですね。

開院までの間、大学病院で診療を続けられていたそうですね。

石村武志院長 いしむら腎泌尿器科クリニック2

私は2022年3月に神戸大学を退職しましたが、当クリニックが開院するまでの半年間、患者さんをお待たせするのは申し訳ないと思い、非常勤講師として火曜と水曜の週2回、同大学医学部附属病院の外来診療を担当いたしました。また神戸大学を退職する際、主任教授から「毎週木曜は腎移植手術を手伝いに来なさい」と、ありがたい励ましのお言葉をいただきました。当クリニックを開院するにあたり、「あれほど夢中になって習得した手術をすることはもうなくなるのか」という寂しさも当然感じていましたので、主任教授はそんな私を気遣ってくださったのかもしれません。そういった経緯から、クリニックを開院後も木曜日は休診として、同大学医学部附属病院で手術を担当させていただいております。

老若男女、誰もが相談しやすい泌尿器科をめざす

泌尿器科の診療も行われているのですね。

石村武志院長 いしむら腎泌尿器科クリニック3

ええ、開院のきっかけは腎移植後の患者さんのサポートをしたいと考えたためですが、それと同時に、あるいはそれ以上に、これまでの泌尿器科での知識や経験を生かして、周辺地域にお住まいの方たちに自分にしかできない医療を展開していきたいと考えたのが開院を決断したもう一つの大きな理由です。「尿が漏れる」といった排尿症状は、日常生活の大きな妨げとなりますよね。実際に医療機関を受診されていなくても困っている方はたくさんいらっしゃると思います。そのような方に当クリニックを受診していただけたら、悩みの解決にとことん向き合った上で、健やかに生活できるよう腎臓や血圧の管理も担当する、というのが私の理想です。

泌尿器科ではどのような相談が多いのでしょうか。

泌尿器科の相談で一番多いのは、「尿が漏れる」、「尿が出にくい」、「尿の回数が多い」といった排尿にまつわる問題です。ご高齢の患者さんが多いですが、老若男女誰もが排尿トラブルを持っているもの。特に着目すべきは女性の尿漏れや頻尿ですが、恥ずかしさから受診をためらわれている方もいらっしゃることでしょう。最近は性感染症でお悩みの若い男性が多いとも聞きますが、社会生活を行っていればかかる可能性のある病気ですから、恥ずかしがる必要はまったくありません。そうした思いも込めて、院内はどなたも受診しやすい雰囲気を意識しました。当クリニックのロゴマークやテーマカラーは安らぎの感じられる緑色を基調にしています。またリラックスして過ごせるように木のぬくもりが感じられる造りにし、植物も配置しました。プライバシーに配慮し、カウンターバー形式の「半個室待合室」もご用意していますので安心してお越しください。

腎臓内科の診療についても教えてください。

石村武志院長 いしむら腎泌尿器科クリニック4

例えば血尿が出た場合、膀胱がんなどの泌尿器科の病気と、腎炎などの腎臓内科の病気、両方の可能性が考えられますので、その方は本来両方の診療科を受診するべきです。その点、当クリニックではどちらの診療も行っているため、「尿に関することなら全部お任せください」と言えるのが強みではないでしょうか。また、腎移植に関わってきた経験から、慢性腎臓病、高血圧、脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病の治療も可能です。「泌尿器科で高血圧?」と思われるかもしれませんが、どの科で受診するにせよ、生活習慣病の治療を受けるか受けないかでは健康に大きな差が出ます。これまでの知見を生かし、ぜひこうした領域でも地域の皆さんのお役に立てればと考えています。

患者一人ひとりに真摯に向き合うかかりつけ医

院内設備についてご紹介ください。

石村武志院長 いしむら腎泌尿器科クリニック5

なんといっても一番のこだわりは、泌尿器科の顔ともいうべきトイレです。院内には、車いすの方もご利用しやすいバリアフリートイレと、デザインにこだわった女性専用トイレを設置しました。また、尿流量測定装置を導入しています。これはいつものように用を足すだけで適切に尿の勢いを測定できる機器です。また、痛みに配慮し、短時間で血尿の原因を精査できる軟性膀胱ファイバーや、5分以内に結果が判明する尿自動検査装置もあります。そのほかに尿失禁治療のための干渉低周波による機器もあり、そのための専用ルームを用意していることも特徴です。尿漏れはとてもポピュラーな症状で治療のニーズも高まっていることから、専用ルームは必要不可欠だと考えました。

診療において心がけているのはどのようなことですか?

例えば尿が泡立つという症状がありますよね。実は異常でない場合も多いのですが、心配で受診される方もけっこう多いんですよ。「その程度なら心配ありません」と一言で終えることも可能ではあります。しかし、私は腎臓内科も担当していますから、「こういう理由で、病気が原因の場合とそうでない場合があります。心配なら検査をしてみましょう」などと提案ができます。可能な限り問題解決の手立てを考えるのは当然のこと。特に心配がなくても、患者さんが思い切って泌尿器科を受診をし、勇気を振り絞って伝えてくれた一言を簡単に受け流したくないんです。患者さんの思いをしっかりと受け止め、わかりやすく説明して安心させてあげたいですね。

最後に、今後の展望や患者さんへのメッセージをお聞かせください。

石村武志院長 いしむら腎泌尿器科クリニック6

診療を行うからには、地域の皆さんに「あそこは本当にいいクリニックだ」と言われるような存在になりたいですね。もちろん、診療の内容から会話、雰囲気、利便性、すべてを含めてです。そのためなんでも話せるかかりつけ医として、地域の皆さんの健康に貢献することを一番に考えています。それと同時に、近隣他科のクリニックからも頼りにされる存在になることが理想です。こちらの医療モールには整形外科と消化器内科、調剤薬局もあるので、協力できれば医療サービスもさらに向上するでしょう。また、例えば男性更年期障害やED、AGAの診療のほか、女性のための美容に関する診療など、生活の質の向上につながるような自由診療も含めて、医療の幅も広げていきたいと考えています。地域の皆さんのお役に立ちたいという気持ちでいますので、どんな悩みでもぜひ気軽にご相談ください。

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