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新里 能成 院長の独自取材記事

姶良しんさとクリニック

(姶良市/姶良駅)

最終更新日:2022/07/25

新里能成院長 姶良しんさとクリニック main

姶良市池島町の住宅街の一角に、2022年3月に開院したばかりの「姶良しんさとクリニック」はある。院長の新里能成先生は日本脳神経外科学会脳神経外科専門医の資格を有し、鹿児島県内の基幹病院で研鑽を積んだベテランドクター。脳梗塞や脳出血の予防に注力し、その原因となる高血圧や糖尿病といった生活習慣病の治療に力を入れている新里院長。「健康で豊かな人生に寄り添っていく医療」を目標に掲げ、同じく日本脳神経外科学会脳神経外科専門医であり新里院長の妻である新里友美副院長とともに、専門性を生かした診療を行っている。そんな新里院長に、開業までの経緯や診療に対する思いを聞いた。

(取材日2022年5月25日)

勤務医としての豊富な経験を生かし開業へ

先生が医師の道を志した理由を教えていただけますか?

新里能成院長 姶良しんさとクリニック1

実は、私はもともと宇宙工学の分野に進みたいと思っていたんです。それで大学受験の時には東京工業大学を受けたのですが、結果は不合格。1年浪人して翌年もう一度受験したのですがそれでも合格できず、これはもう無理ということだろうと諦めました。ではどうしようかと考えた時に、何か人の役に立つ仕事がしたいという思いはずっと持ち続けていましたので、医師になるために医学部へ進学することに決めたというわけです。当時私の兄も医学部に通っていたので、それも多少影響していたと思います。

その後、脳神経外科を専門にしようと思ったのはなぜですか?

医学部時代に、臨床実習でいろいろな診療科を回るのですが、その中でも脳神経外科が一番面白いと感じました。神経というのは「ここが悪くなると、こういう症状が出る」という具合にはっきりしていて、もともと興味があったのです。でももっと正直な話をすると、実は学生時代、解剖学の試験が一般解剖と神経解剖に分かれていたんですが、一般解剖の点数が取れなかったため、神経解剖で挽回せざるを得なくなったんです。それで必死になって勉強をしていたら、いつの間にか神経という分野が面白いと感じるようになっていたというのが、脳神経外科の道に進もうと思った一番のきっかけになっています(笑)。卒業後は鹿児島大学病院をはじめさまざまな病院で勤務医をしましたが、その中でも特に済生会熊本病院で勤務していた時は、症例数が圧倒的に多くて、医師として多くの経験を積むことができました。

長年勤務医として研鑽を積まれていた中で、開業しようと思ったのはなぜですか?

新里能成院長 姶良しんさとクリニック2

開業を本格的に考えるようになったのは3年ほど前なのですが、そのきっかけは、家庭と仕事のバランスをもう少し見直すべきだと思ったからです。私には5人の子どもがいるのですが、これまではずっと仕事優先の生活を続けてきました。研究に入っていた頃などは、朝8時から夜23時過ぎまで仕事をしていて、家族のことは後回し。妻も同じ医師ですが、家庭のことは妻にほとんど任せきりでした。また、実家の親にもさまざまな面で協力してもらっていましたが、年齢を重ねるにつれて親にかかる負担が大きくなってしまい、いつまでもこのままでは駄目だと感じました。それで妻と相談をした結果、一緒に働いてお互いに協力できる環境をつくったほうがいいのではないか、ということになったのです。

脳梗塞や脳出血の原因となる生活習慣病の予防に注力

開業に際し、どのようなクリニックにしたいとお考えでしたか?

新里能成院長 姶良しんさとクリニック3

勤務医時代に、脳出血や脳梗塞の患者さんを数多く診てきましたが、命は助かってもまひが残ってしまったり、寝たきりになってしまったりする患者さんも多く、発症してからでは遅すぎるということを痛感していました。そうならないためには、その前の予防の段階からきちんと力を入れていくことが大切だと思っていながらも、勤務医でそれをやるのはなかなか難しかったのです。そうした背景もあって、開業をするのであれば発症前の段階の予防に力を入れて患者さんを診ていきたいという思いがありました。

先生が診療の際に大切にしていることは何ですか?

患者さんの話をよく聞くということですね。脳出血や脳梗塞などの脳血管疾患は、高血圧や糖尿病、高脂血症といった生活習慣病によって知らず知らずのうちに動脈硬化が進んで血管が傷んだ結果、ある時突然、前触れもなく発症します。ですので、予防のためには結局のところ、大本の原因となっている生活習慣病をしっかり治療することが最も重要になってきます。この地域の皆さんは高齢の方も多く、何かしらの生活習慣病を抱えている「脳卒中予備軍」のような方がたくさんいます。そのような方々を拾い上げてきちんと治療や予防をしていくためには、患者さんの話に丁寧に耳を傾けて、具体的な症状や困り事だけでなく、どのような生活をしているのかということまで聞いていくことが大切なのです。

こちらのクリニックの強みを教えていただけますか?

新里能成院長 姶良しんさとクリニック4

脳神経外科だけでなく、内科的なことも診ることができる点ではないでしょうか。循環器科と総合内科を専門にする私の兄に、月1回診療に来てもらっているので、内科の医師と連携して患者さんを診ていくことができるのは一つの利点だと思います。また脳神経外科医師2人体制なので、複数の医師で診断や治療方針を議論し合い、より良い医療を提供していけると感じています。医師1人で診療すると患者さんの待ち時間が長くなりがちですが、2人体制で診療することで患者さんの待ち時間を短くし、その分、一人ひとりの患者さんの話を丁寧に聞くことができています。診療の際には、脳卒中のリスクがどの程度あるかを考えつつ個人に合った治療計画を組み立てていくので、CTやMRI、超音波検査、ホルター心電図、血圧脈波検査などの機器がそろっているのも当院の強みですね。また、女性医師がいるので、女性の方も安心して受診できるのではないかと思っています。

健康で豊かな人生に寄り添っていきたい

どのような主訴の患者さんが多いですか?

新里能成院長 姶良しんさとクリニック5

さまざまな症状の患者さんがいらっしゃいますが、やはり頭痛を訴えて来院する患者さんがとても多いですね。当院では「頭痛問診票」というものを作っていて、頭痛のパターンを見ながら頭痛の鑑別を行い、治療方法を決めていきます。頭痛の中でも多いのが緊張性頭痛と片頭痛で、緊張性頭痛は肩凝りなどが原因のことが多く、痛みを感じながらも仕事をしたり普通に生活をしたりということが可能です。ところが片頭痛の場合には、発作が起きて痛み始めると吐き気も伴うなどして寝込んでしまい、日常生活に支障を来すケースも少なくありません。そうならないように、発作を抑えるお薬や、発作の頻度を抑える予防薬を使って頭痛をコントロールしていくことが大事になります。

頭痛の中でも、どのようなものが危険な頭痛なのでしょうか。

突然の頭痛はやはり危険ですね。今まで感じたことのないような頭痛や動けなくなるような痛みがある場合で、教科書的に言うのであれば、「ハンマーで殴られたような頭痛」を感じた場合には、すぐに診察を受けるべきです。また、話がしにくい、手足がしびれる、歩いていて足を引きずってしまったり箸が持ちにくかったりと、今までにない症状が出た時にも注意が必要でしょう。一時的にそういう症状があったけれど今は大丈夫という方も、たまたま今回は大事に至らなかっただけで、実は脳出血や脳梗塞を起こしていた可能性もありますので、一度受診をしていただきたいと思います。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

新里能成院長 姶良しんさとクリニック6

繰り返しになりますが、頭の疾患というのは症状が出にくく、前兆もなく突然起こることがほとんどで、だからこそそうなる前の予防が大切だと思います。健康診断などで生活習慣病を指摘されたことがある方や、ちょっとした違和感を感じている方は、大変な病気につながる前にとにかく一度相談に来ていただきたいと思います。当院は土曜の午後も診療をしていますので、平日働いている方でも通いやすいのではないでしょうか。当院での診察の結果、より詳しい検査や治療が必要になった時も、専門の医療機関と連携していますのでご安心ください。また、頭や心臓の検査以外にも、骨密度の検査もできます。骨粗しょう症になって骨折をすると、高齢者の場合には生活の質が大きく下がってしまいますから、これも早めに予防をしていただきたいと思います。皆さんが健康で長生きできるように、お手伝いができたらうれしいですね。

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