久保 卓也 院長の独自取材記事
天6整形外科
(大阪市北区/天神橋筋六丁目駅)
最終更新日:2023/02/14

天神橋筋六丁目駅の6番出口を出てすぐ、クリニックモールの3階にある「天6整形外科」。2022年に開院した、整形外科とリハビリテーション科、内科を標榜するクリニックだ。久保卓也院長は、「痛みや悩みに早期介入することで、大きな手術に至ることなく健康に過ごせるような体づくりをサポートしていきたい」と語る。開業時にこだわったという広いリハビリテーション室では、常勤の理学療法士がさまざまな症状を抱える患者に理学療法を提供している。爽やかな笑顔の久保院長に、診療への思いなどについて聞いた。
(取材日2022年1月18日)
手術に至る前のアプローチに注力するクリニック
開業の経緯と、このエリアに開業した理由を教えてください。

私が開業を決意したのは、病院で勤務していた時のことです。手術をした後、基本的に地域のクリニックで経過を見てもらう流れになります。しかし、患者さんご自身が手術後の治療の重要性を感じていない場合が時々ありました。多くの手術の経験があったからこそ、継続的にケアしていくことの大切さを感じました。加えて、それ以前に手術に至らない元気な患者さんが増えればうれしいと感じたことが、開業を決めた理由です。天神橋筋六丁目に決めた理由は、幅広い世代が利用するエリアだからですね。患者さんにリハビリに通っていただくためにも、駅からすぐの場所にあるこの場所が最適だと考えました。
どんな患者さんが多いのでしょうか?
駅前ということもあり、若い方からご高齢の方までさまざまな方が来院されます。特に多いのは、60~70代の患者さんですね。主訴で多いのは、首・肩・腰の痛みや痺れです。まだ開業して間もないクリニックですが、ありがたいことに来院した患者さんからのご紹介でいらっしゃる方も多いのが特徴です。立地の良さもあると思いますが、「困ったら天6整形外科に行けばいいよ」とお勧めしていただけているのは、やはりとてもうれしいですね。また、当クリニックは土曜日の午後も診療しています。休診日が少ないことで、どんな働き方をしている方でも通っていただきやすいクリニックになっていると思います。土曜日の午後もクリニックを開けようと決めたのは、私自身が幼稚園から大学までテニスをやっていた経験からでした。学生が部活でけがをして困った時に、頼りにしていただける場になりたかったんです。
先生が医師をめざしたきっかけを教えてください。

私が医師をめざしたのは、高校生の頃に祖父が体調を崩したことがきっかけです。自宅で看護や治療を受けていた祖父の姿を見ていて、自分も医療に携わりたいという思いが芽生えました。看護師や理学療法士などさまざまな選択肢がありましたが、やはり自分が主体的に治療に関わりたいと思い、医師を志しました。ずっとテニスをやっていたので、肩の脱臼などで病院にお世話になる機会が多かったことも、医師をめざした理由の一つです。整形外科を専門にすると決めたのは、患者さんの体を元気にすることで笑顔が見られる分野だと思ったからですね。その思いは今も変わっておらず、診療を通して笑顔が増えていく患者さんのご様子を見るのが私のやりがいです。
診療もリハビリも「患者ファースト」がモットー
先生が特に力を入れている診療はありますか?

現在特に注力しているのは、骨粗しょう症ですね。骨粗しょう症は自覚していないところで悪くなっていく病気だからなんです。特に女性の場合、閉経後エストロゲンが減少していくことで、知らぬ間に骨が脆くなってしまう方が多くいます。骨が脆くなると、骨折しやすくなったり、尻もちのような軽微な外傷でも骨折してしまうこともあります。早い段階で骨密度を測ることで、骨の状態に合わせたアプローチが可能になります。お薬を飲んでいただいたり、運動の習慣を身につけていただくことで骨の密度を上げていくことができれば、骨折に至ることがないよう、予防にもつなげていけると考えています。当クリニックでは、DEXA法で骨密度検査を行っています。気づかないうちに進んでしまう症状だからこそ、これからも意欲的に早期介入に取り組んでいきたいですね。
リハビリテーション科について教えてください。
私が大きな病院に勤めていた時、手術後のリハビリ先を探しても理学療法士がいないためお願いできないこともありました。その経験から、当クリニックでは理学療法士を多く採用しています。さまざまな得意分野を持つ理学療法士がそろっていますので、肩や腰のお悩みといった日常生活での慢性的なお悩みから手術後のリハビリまで、幅広い症状に対応しています。医師の指示のもと、理学療法士が患者さんの症状に合わせたリハビリを行いますので、安心してお任せください。理学療法士には、日頃から「自分の家族を大切にするように患者さんに接してほしい」と伝えています。専門知識を持つ理学療法士が、「何が患者さんにとって一番良いか」を考えながら、親身に寄り添います。2023年4月からは、常勤の理学療法士を6人に増える予定ですので、もっとたくさんの患者さんに理学療法を提供していける体制になります。
先生のモットーは何でしょうか?

私のモットーは、「患者さんファースト」です。治療を提案する時には、医師としてはこれが良いと思う治療法だけでなく、患者さんの希望やご事情に合わせた選択肢も含めて、患者さんご自身が選択できるように努めています。中には高額な治療もありますし、患者さんの中には「手術はしたくない」とおっしゃる方もいます。医師としての考えと患者さんのご要望をすり合わせていきながら、その状況で一番良い治療が行えるよう、気を配っていますね。あとは、患者さんご自身に治療について理解していただくことも大切にしています。今何の薬を飲んでいるのか、これからどんな治療をする必要があるのかをその都度丁寧に説明することで、ご自身の体にしっかり向き合っていただくことが大事だと考えています。
地域に根差し、患者が元気になる場所をめざして
患者さんと接するときに心がけていることは?

診察を行う時には、患者さんのお話と触診を通して、問診票に書かれていなかったりご自身では自覚がないような症状がないかを探っていくようにしています。例えば、痛みの程度は人によってそれぞれですので、感じているのが「ちょっとした痛み」なのか、「我慢できる痛み」なのか、「到底我慢できない痛み」なのかを点数で聞かせていただき、実際に押してみて多角的に評価することも。また、肩が上がりにくいというお悩みの場合、肩が横にも開きにくくなっていたり、痛みがある部位をかばうことで別の箇所に負担がかかっていたりすることも多いんです。ご自身では大したことではないと思われていたとしても、小さな違和感や痛みを見逃すことがないよう、丁寧かつ正確な診察をめざしています。
今後の展望はありますか?
今後は、より地域に根差したクリニックをめざしていきたいと考えています。そのためにも、目の前の患者さんに真摯に向き合い、丁寧に診療していきます。現在診ている患者さんはもちろん、紹介を受けてリハビリにいらっしゃる患者さんも過不足なく対応できる体制を整えていきたいです。患者さんやスタッフの意見も柔軟に取り入れながら、より良いクリニックとなるよう励みます。
最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。

年齢を重ねるごとに、体の不調を感じるようになった方も多いと思います。老いとともに感じる痛みや四十肩・五十肩について、「年齢的に仕方がない」と思う方もいらっしゃいますが、早い段階で治療をしていくことで進行を防いだり、痛みへのストレスを感じずに済むような選択肢もいろいろあると思います。当クリニックは、何げない痛みから気負わず相談できて、最後には患者さんに笑顔になっていただけるような場所をめざしています。患者さんが元気で日常生活が送れるようにサポートしていきますので、お気軽にご来院ください。痛みを感じる場合はもちろんのこと、「寝違えて首が痛い」「腰に違和感がある」「少し肩が上がりにくい」という方でも、ぜひご相談いただければと思います。