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川村 益彦 院長の独自取材記事

川村クリニック

(町田市/町田駅)

最終更新日:2025/07/22

川村益彦院長 川村クリニック main

町田駅から少し離れた大規模団地の近くで1989年から診療を続ける「川村クリニック」は、内科全般に加え整形外科も開設し、循環器、呼吸器、腎臓内科などの専門的な診療まで対応できるのが特徴。川村益彦院長は「複数の病気をお持ちの患者さんも、当院で一通りの診療ができるクリニックをめざしました」と話す。「加えて早くから在宅医療をスタートさせ、同じ医療法人に訪問看護ステーションと居宅介護支援事業所を設けて、地域に必要な医療をカバーするよう努めています」。ベテラン医師と若手医師が協力し、大学病院に勤める川村院長の娘も非常勤として診療するなど、今後を見据えた診療体制づくりも進めている同院。川村院長に同院の強みや将来の展望、地域医療への想いを聞いた。

(取材日2025年4月1日)

内科、整形外科に加え専門的な外来診療も可能な体制

この地で長く診療されているクリニックと伺いました。

川村益彦院長 川村クリニック1

地域の皆さんが利用しやすいように、さまざまな症状に対応できるクリニックをめざして1989年に開院しました。内科全般の診療や生活習慣病の管理はもちろん、高齢の患者さんに必要な整形外科も開設。早くから在宅医療にも取り組んできました。さらに内科を担当する各医師の専門性を生かして、消化器および肝臓、呼吸器、循環器、腎臓内科、神経内科などの専門的な診療も可能です。複数の病気をお持ちの患者さんで、「専門的に診てもらうほうがいいな」という場合も、院内で一通りの診療ができるのは強みでしょう。それに私自身も各専門分野の新たな情報を知る機会になり、逆に若手の先生方には当院で診療経験を積んでいただくことで、提供する医療の質の向上も図れます。また、腎臓内科の医師は私の娘で、大学病院に勤めながら当院での診療も担当してくれます。

専門の外来ではどのような症状を診ているのですか?

特定の曜日・時間帯に完全予約制の診療枠を設けて、消化器・肝臓、循環器、腎臓内科、神経内科の専門的な診療を行います。循環器は24時間継続して検査できるホルター心電計も備え、不整脈などの早期発見に役立てています。また、これまで腎臓病には積極的なアプローチが難しかったのですが、腎臓内科の医師がいることで適切な薬を処方しやすくなりました。神経内科ではパーキンソン病などを専門的な観点で診断・治療をしています。この他糖尿病のような生活習慣病や腎臓病などの患者さんで、必要な場合には月1回の予約制で管理栄養士による栄養相談も可能です。通常の外来診療では十分に話す時間がない食事の献立について丁寧にアドバイスし、患者さんからも相談できる機会となっています。

先生が診療時に心がけていることをお聞かせください。

川村益彦院長 川村クリニック2

話を伺いながら、今日は何が気になって来院されたのか、現在はどういう状態なのかなどを把握し、視診や触診、検査をもとに適切に診断して、患者さんのご不安を少しでも減らせるよう心がけています。ただ、当院には長く通われている患者さんも多いので、「最近はいかがですか?」と聞くだけでは会話もすぐに終わりがちです。しかし「何かおいしいものを食べましたか」「よく眠れていますか」「どこかに出かけましたか」など生活面を詳細に伺っていくと、「そういえばこんなことが」と思い出して話していただけることもあるんですよ。こうした体調の変化に気づいて、早めに手を打つこともかかりつけ医院の役割と考えています。

在宅へのスムーズな移行をめざして多職種と密接に連携

在宅医療を始めたきっかけを教えてください。

川村益彦院長 川村クリニック3

開院当初から、当院では容体が悪化して来院できない患者さんのご自宅に往診していました。その後、ご自宅や入居施設を定期的に訪問診療する医療制度が整備されたことで在宅医療に取り組み、地域にお住まいの患者さんを最期まで診られる体制をめざしています。訪問先は当院に通われていた患者さんのご自宅が多く、ご家族から在宅医療に切り替えたいと相談いただくケースの他、患者さんの容体をもとにご提案することもあります。また担当のケアマネジャーから、当院で在宅医療をお願いしたいとの連絡もいただきますね。訪問診療については、クリニックでの診療よりもリラックスして話していただけ、ご家族とコミュニケーションする機会もあると思うので、患者さんの容体や今後のご希望などが把握しやすくなるのではないでしょうか。

在宅医療ではどんな点を重視されていますか?

地域の医療・介護サービスとの密接な連携は欠かせません。例えば患者さんやご家族から当院に在宅医療のご相談があったら、担当のケアマネジャーに連絡して患者さんの病状などを共有。ケアマネジャーが患者さんのご自宅を訪問して、家族構成やご家庭の状況など詳しくヒアリングし、その内容を当院にフィードバックしていただきます。それらをもとに在宅医療が適しているのか、ご自宅で受け入れ可能なのか、などを総合的に判断するのです。医療的なニーズがあれば、ケアマネジャーを通して訪問看護ステーションにも連絡し、その他さまざまな職種と連携して患者さんの療養生活をサポートします。当院は容体の急変などに24時間対応して臨時往診も行う在宅療養支援診療所で、同じ医療法人には訪問看護ステーション、ケアマネジャーが在籍する居宅介護支援事業所もあり、医療・介護の連携はスムーズです。

町田市全体の医療体制づくりにも携わってこられたそうですね。

川村益彦院長 川村クリニック4

国民の5人に1人が75歳以上の後期高齢者になる社会に備え、町田市と町田市医師会が中心となって「町田・安心して暮らせるまちづくりプロジェクト推進協議会」、通称「まちプロ」を2013年に立ち上げました。医療と介護をはじめ多職種の連携を支援し、高齢になっても住み慣れた地域で暮らせる町づくりが目的で、私は開設当初から関わっています。現在は町田市の歯科医師会、薬剤師会、訪問看護ステーション協議会、ケアマネジャー協議会の他、さまざまな職種の団体も参加しています。職種の垣根を越えて情報共有を図り、連携に必要な知識・技能を習得する勉強会なども定期的に開催しています。社会の超高齢化は2025年からさらに本格化します。これまで積み重ねてきた準備をもとに、地域の医療・福祉を一層充実させたいですね。

地域の患者を今後も診ていけるクリニックを目標に

スタッフとの連携についてはいかがでしょうか?

川村益彦院長 川村クリニック5

看護師や受付スタッフは、まさに「あ・うん」の呼吸で診療をサポートしてくれます。例えば、看護師が医師からの説明だけで足りないと感じれば、患者さんのサポートに入って後からゆっくり説明するなど、そんな対応を考えてくれますね。また、受付スタッフは待合室に入ってきた患者さんの様子から、早く診てもらうほうがいいと感じたら、看護師と相談して診療の順番を繰り上げるなどの対応をすることもあります。こうしたチームワークも当院の特徴といえます。

クリニックとして今後の展望をお聞かせください。

団地にお住まいのご家族は高齢化率も高く、多職種が連携して患者さんの生活を支える在宅医療のニーズは今後も高まるでしょう。老老介護や独居の患者さんの場合は、ケアマネジャーとの密接な連携でふだんの患者さんの様子がわかりやすくなり、訪問看護師や訪問薬剤師には患者さんの健康状態や薬をきちん飲めているのかの確認もできます。また、「まちプロ」で在宅医療に関わる多様な職種の方とつながれたことは、今後の地域医療にも大いに役に立つでしょう。これまでの経験を生かし、地域の患者さんをご自宅で診ていけるよう、同法人の訪問看護ステーションおよび居宅介護支援事業所、その他地域の医療・介護サービスとの連携をさらに強化していきます。

最後に地域の方にメッセージをお願いします。

川村益彦院長 川村クリニック6

複数の病気を抱える患者さんがいくつもクリニックを回らなくて済むよう、当院は総合的な診療と専門的な診療を備えた診療体制を整えています。さらに同法人に訪問看護ステーションと居宅介護支援事業所を持ち、外来から在宅にスムーズに移行しやすいのも強みの一つ。遠くの専門クリニックに行くのが難しい方、いずれは在宅医療も考えているという方は、ぜひ当院にご相談ください。また、私の代でクリニックが終わって医療がストップしないよう、次の世代へのバトンタッチも見据えた体制に移行中です。幸い、腎臓内科を専門とする私の娘が週1回のペースで診療に加わっているので、少しずつ当院の診療や経営を担ってもらう予定です。これからも安心して当院を受診していただければと思います。

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