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宮崎 敬士 院長の独自取材記事

みやざきちびっこ診療所

(茨木市/総持寺駅)

最終更新日:2022/06/09

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JR京都線JR総持寺駅より徒歩3分の所にある「みやざきちびっこ診療所」は、小児科を専門に研鑽を積んできた宮崎敬士院長が開業したクリニックだ。クリニックモールの2階にあるクリニックのエントランスをくぐると、中に広がるのは童話のようなおとぎの世界。壁一面に描かれた古いドイツの街並みとたくさんの動物たちの笑顔が迎えてくれる。「小児科は子どもの初めてのクリニック。だからこそ、明るく楽しく、テーマパークのような場所をめざしています」と宮崎院長は笑う。小児科が少ない地域に誕生した、この「楽しめる小児科」について、詳しく話を聞かせてもらった。

(取材日2022年5月28日)

絵本をテーマにした、テーマパークのようなクリニック

まずは開業までの経緯を聞かせてください。

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大阪医科大学を卒業し、小児消化器を専門に研鑽を積む日々を送っていました。働いていた病院は、重症度の高い患者さんが多く、小児科医としてのやりがいも感じる日々でした。しかし同時に、子どもたちが苦しんでいる姿を見て、もっとできることはないのかな、とも思っていました。重い病気を治すことは大切なことです。しかし、その前に「重症にならないための医療」ができないものだろうかと考えたのです。重症にならないために必要なことは何だろう、子どもがつらい思いをする時間を短くするためにできることは何だろう、と考えると、早い段階で病気を見つけ、診断をし、適切に医療介入することだと感じました。そのためには、病院で待っているのではなく、もっと必要な人の側に行かなくてはいけない。そこで開業を決意し、小児科が少ないこの町へやってきました。

楽しい雰囲気があふれるクリニックで驚きました。

小児科は、天井が青空だったりキャラクターがいるクリニックは珍しくないと思いますが、ここまでやっているクリニックはあまりないかもしれませんね。でも、だからこそテーマパークのようなクリニックをつくることにこだわったんですよ。クリニックは清潔感を大切にしますから、まずはすっきり見えるようにするのが定説です。しかしすっきり片づいた空間は、子どもの視点から見てみると冷たい雰囲気じゃないのかなと思ったんです。小児科は子どもたちが初めてかかるクリニックですから、少しでも緊張感のない雰囲気にしたい。だったら、まるで絵本の世界に迷い込んだようなクリニックにしたらどうだろう?と考えた結果なんです。

まさに、絵本の世界ですね。

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当院の壁に描かれた世界には人間は登場せず、すべて動物たちの世界になっています。よく見てもらうと、どの動物も1人じゃなくペアになってることに気づくと思います。これは当院に来てくださる皆さんと同じ、親子だったり兄弟だったりをイメージしています。また、待合室にいる白衣を着たドラゴンは実は、私の写真をお渡しして描いていただいたもの。かっこ良さもかわいさもあってとっても気に入ってます。診察室や処置室、授乳室も部屋ごとにテーマがあって、それぞれ違うので、ぜひのぞいてみてください。最近は小さなお子さんも電子タブレットを見ていることが多いですが、これをきっかけに絵本にも興味を持ってもらいたいなという願いも込めています。親子で本を眺められる時間は実はそう長くありません。忙しい日々だと思いますが、たまには絵本に親しむのもすてきなことではないでしょうか。

小児に多い消化器症状の診断に注力

消化器を専門に研鑽を積まれているのですね。

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腹痛は、小児科を受診する子どもたちの主訴として代表的な症状の一つです。原因はウイルス性のものやおなかの風邪、食べすぎなど、経過とともに良くなっていくものが多いものの、実はすぐに処置しないと命に関わるものもあります。そのどれにあたるかは実際に診察し、問診や触診、エコーなどさまざまな情報を集めることでひもといていく必要があります。子どもたちは元気にしていると思っていても症状が急に悪化することもあるため、初期診断がすごく大切です。言葉をうまく話せない年齢の子もいますから、専門性を生かして、おなかの症状に関しては、特にしっかりした診断をしていきたいと思っています。

診察にあたって心がけていることはありますか?

一つはお母さんのお話を聞き逃さないことです。なぜなら、子どもたちは自分の状態を正確に表現することが難しいから。それに、病気にはいろいろな初期症状や典型的な症状がありますが、それだけで適切な診断をすることは難しい。症状だけを見ていてもわからないことが、お母さんの話の中には隠されています。だから、お母さんのお話はとっても大切なんです。それに、われわれは子どもの病気に詳しいかもしれませんが、目の前にいる子どもについては当然ながらお母さんが何倍も詳しいのです。ですから、お母さんたちは「なんとなくおかしい気がする」「いつもと違う」と感じることがあれば、ぜひ教えてもらいたいなと思います。

患者である子どもたちに対してはどうですか?

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具体的なお話はお母さんとすることが多くなりますが、実際につらい思いをしているのは子どもさん自身です。診察させてもらうわけですから、まずはしっかりあいさつするようにしています。お話ができる年頃のお子さんには、直接話も聞きます。これは大人も子どもも同じことだと思いますね。ただ、子どもの場合は、大人以上に表情や行動が正直。ですから、表情の変化や行動の変化を見逃さないように注意を払っています。中には、本当は痛くても、早く帰りたかったり、治療が怖かったり、心配をかけたくなかったりするあまり、「痛くない」って言う子もいるんですよ。だから聞くだけじゃなく、見ることがとっても大切になるなと思っています。特に触診の際には表情の変化をしっかりと見て、触ると顔を歪めるような場所がないかチェックしています。

すべての親子が気軽に来られる小児科をめざす

小児科を専門とする先生から見た、受診の目安を教えてください。

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基本的にどんなタイミングでの受診も大歓迎ですが、症状があっても元気に過ごしているようなら、様子を見ても大丈夫なことが多いと思います。「食事が取れる」「眠れている」「遊んだり勉強したりすることができている」は目安になりますね。また、先程もお話ししましたが、いつも一緒に過ごしている人の違和感、親の勘みたいなものはやはり馬鹿にできません。何かがおかしい、と感じたら、その時は特に症状がなくても連れてきてもらえたらなと思います。「何しに来たの?」なんて言いません。当院がめざすのは、いつでも誰でも来ることができる場所。核家族化が進む現代で、子育ての何げない相談ができる場所はそれほど多くないのではないかと思います。ですから、当院がこの地域でその役割を果たしていきたい。病気はもちろんですが、子育て相談でも構わないので、気軽に来てください。

子どもが泣く、おとなしくできないと足が遠のいてしまう人もいると思うのですが。

時々、「泣き止まなくてごめんなさい」なんてあやまられることがあるんですが、全然気にしなくていいんですよ。私たち小児科医は、普通のパパ・ママの何倍も泣かれていますから、泣かれることは慣れっこです。嫌がられても「そうだよね」って次の方法を考えるので問題ありません。大切なのはここに連れて来てくれること。その先のことは、どうにかなるから心配しないでくださいね。また、例えば看病しているうちに、お母さんたちまで具合が悪くなってしまうことってありますよね。そんな時は我慢せず、ぜひ言ってください。誤解している人もいますが、われわれは子どもしか診ないわけではありません。ご両親を診察したり、お薬を出したりすることもできますから、わざわざ病院をはしごしなくて大丈夫ですよ。

それでは最後に、今後の展望を聞かせてください。

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小児科医になって一番うれしいのは、つらそうな子ども、心配そうなお母さんが笑顔になって帰ってくれる時です。子どもたちの「ありがとう」という声を聞くと、大変なことも疲れも吹き飛びます。ですから、1人でも多くの親子の不安を解消するお手伝いができればと思います。そのためにも、1人でも多くの方に当院のことをまず知っていただきたいですね。まずは「壁の絵を見に来た」でも問題ありません。むしろ病気になって不安な状態で来る前に、まずは一回のぞきに来て、ついでに聞きたいことを聞いて帰るくらいの気持ちで来てもらえたら最高です。どうぞ皆さん、気兼ねせず遊びに来てください。お待ちしています。

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