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辻 隆宏 院長の独自取材記事

つじファミリークリニック

(大野城市/下大利駅)

最終更新日:2022/06/10

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西鉄天神大牟田線下大利駅から徒歩7分。2022年6月に開業の「つじファミリークリニック」。「患者さんがどういう環境に置かれていて、どう体に影響しているのかを一緒にひもとき、より良い生活へと導けるようにしていくのが家庭医療です」と穏やかな口調で話すのは、家庭医療を専門とする辻隆宏院長だ。さまざまな場所で研鑽を積み、常に患者の理解者であることを第一に行動する院長に、院内に取り入れた工夫や、治療方針などについて詳しく話を聞いた。

(取材日2022年5月19日)

症状に悩む患者が何でも相談できる地域のかかりつけ医

先生は家庭医療を専門とされているそうですね。

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小児科、耳鼻科、整形外科など、クリニックも細分化されていますよね。家庭医療は細分化する前の、普段から何でも相談や診察に応じてくれる身近な医師による総合的な医療(プライマリケア)を担当します。よろず相談所なんですね。おなかの調子が悪い、頭痛がする、月経痛がひどい、高齢の方の腰痛など、「家の中で話題に上がりやすい、重篤ではない症状」の最初の受け皿が家庭医療です。たとえ他院さんで検査しても「何ともないでしょう」と言われたとしても、患者さん自身が気になる・症状があると感じるのであれば、それを否定することも、見捨てることも絶対にしたくありません。

「パソコン作業時にめまいがする」「朝、起きるのがつらい」などの症状でもいいのでしょうか?

もちろんです。診察していけば不調の原因となるものが何なのか、丁寧に伺ってそれが病気であるのかを確認していきます。それに、症状は患者さんだけに原因があるのではない場合も多いのですよ。家庭環境、仕事や地域のコミュニティなどの社会的な要因も考えられます。例えば、高齢の奥さまが不眠に困っていると来院された場合、その方の生活環境などをよくお伺いします。そうすると旦那さんに認知症があり、夜中に徘徊するのが気になって眠れないとわかることもあります。となれば、不眠症の治療だけでは改善が難しいですよね。旦那さんにも来院していただき、旦那さんの状況を丁寧に確認していった上で、場合によってはケアマネジャーさんや行政につなぐこともあります。

対症療法ではなく、原因を見極めた上で治療を行っていくのですね。

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まず大事なのは患者さんの症状を受け止め、共感し、しっかりと診断をつけること。その上でどういった治療にしていくのかを患者さんと一緒に考えていくのが当院のスタンスです。私は自治医科大学という、いわば「地域のかかりつけ医を育てる」ことを目的とした大学で学びました。卒業後は大学病院などで研鑽を積む一方、離島や山あいの診療所で、一人でその地域のすべての患者さんに対応することもありました。当院のロゴは名前の「辻」をかたどっていますが、その中にはこれまで働いた場所をモチーフにした図形や色、そして家庭医療を表す「家」のイメージを取り入れています。さまざまな場所を転々とし悩んでいる方が最終的にたどり着く場所でありたい、という想いをロゴに込めました。

家庭医療は「その人がその人らしく生きていくため」に

院内では感染症対策のほか、さまざまな工夫が施されているとか。

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抗菌作用がある壁紙を採用し、診察室の壁紙は山をイメージした優しい色など、それぞれの部屋で壁紙や床の模様を変えています。トイレや診察室などのサインは通常よりも大きく、そして低い場所につけています。これらの工夫は、年齢を重ねるほど腰が曲がり、そのぶん視界が低くなり、周囲のものも見えづらくなりますから、「自分がどこにいるかわかりやすくする」ための対策として取り入れました。診察室に入ろうと思ったのに、間違ってお手洗いに入ってしまって患者さんが恥ずかしい思いをしないようになど、患者さんの尊厳を守るためでもあるのです。診察室は太陽光に近い明るく自然な照明、処置室のベッドは患者さんがまぶしくないようかつスタッフが処置しやすいように照明を配置しています。待合室には除菌にも期待できるアロマを設置するなど、一見おしゃれにも見えますが、実際は患者さんの安心感を優先した造りになっています。

患者さんが「居心地が良い」と感じるような工夫がたくさんありますね。

診療時に心がけているのは、優しく接すること。診察だけでも緊張する方もおられますし、ご自分の話をするのにはエネルギーと勇気が必要ですから、できる限り話しやすい環境にしたいですね。ウェブでの問診も取り入れており、事前に予約と問診票を記入していただければ待ち時間や問診の手間を減らせます。一方、医師側としては患者さんのお悩みを一足先に理解できるので、診察もスムーズに進められると感じています。家庭医療の魅力の一つに「専門的に調べるべきか判断がつかない」「いきなり専門的なクリニックに行くのは気が引ける」という方でも相談ができる点があります。月経痛が重い学生さんの「婦人科には行きたくないけど薬が欲しい」、男性の「泌尿器科には行きづらいけど、ファミリークリニックなら」など、名前や診療科を気にせずに足を運んでくださる場所でありたいですね。

患者さんのプライバシーに配慮しながら、専門的な治療が必要なのかも見極めるのですね。

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近年、精神科・心療内科の疾患や、そこへ通院することに対する理解が深まってきたと感じますが、まだまだ診療科の名前に引け目を感じる方も少なくはありません。私の妻は公認心理師・臨床心理士なのですが、「本当に専門的な病院に行くべきなのか」と悩んでいる方には必要に応じてカウンセリングを受けていただき、当院で対処可能な状態なのか、それとも専門的な先生へご紹介すべきなのかの判断も行いたいと考えています。その人が、その人らしく生きていくためのお手伝いをするのが家庭医療。なんとなく体調が優れないこともあるでしょう。この「未病」という状態にお勧めなのが漢方薬なんですよ。月経をコントロールしていくピルや、腰痛・肩の痛み止めの注射などは、あくまでより良い生活をサポートするための手段の一つ。それを気軽に相談できるのが家庭医療のクリニックなんです。

患者の意向を第一に考え、治療方針を決めていく

診断にはどのような機器を使いますか?

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エックス線検査、エコー(超音波)検査、尿検査、心電図検査などです。特に活躍するのがエコーで、おなかはもちろん、甲状腺、頸動脈の詰まり、心臓、肝臓、足の血栓の有無なども確認できます。痛み止めの注射をする際は、エコーを用いて大事な血管や神経を傷付けないよう確認しながら、最大限安全に配慮していますし、エックス線に映らないわずかな骨折なども確認していけます。「整形外科でエックス線を撮っても何もないと言われたけれど、やっぱり痛みがある」という場合にも活躍しますよ。エコーは内視鏡などと違い、被ばくの心配がありませんので患者さんの体への負担がほとんどありません。またCTと違って心臓の動いている状態が確認できるなど、精密な検査結果とそれをもとにした治療の提案が可能になるんです。

訪問診療も行うご予定でしょうか?

その予定です。以前勤めていたところでは私が外来を担当し、訪問診療は別の先生が担当していましたが、今後は私自身が責任をもって患者さんを診ていきたいと考えています。通院したいけれど痛みがあって外出できないという方も多いのですが、そういう方にはポータブルタイプのエコーを使い、痛み止めの注射を行うことも考えています。これまでに培ってきた知識・技術を患者さんに還元していきたいですね。そうすればその人らしく生きることに、「住み慣れた地域で」という付加価値が生まれるのではないかと思っています。

今後も患者さんとともに、患者さんとそのご家族の未来を考えていかれるのですね。

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当院でできることは当院で行いますが、難しい場合は福岡県済生会二日市病院、二日市徳洲会病院などにご紹介することもあるでしょう。紹介先も、患者さんの意向を第一に考えていくつもりです。家庭医療は患者さん中心の医療です。入院や手術が必要になった場合でも、患者さんと話し合いながら治療の行き先を決めていきます。繰り返しになりますが、患者さんが元気に、その人らしく生きていくためのお手伝いを行うのが、地域に根差した家庭医療だと考えています。他院では診断がつかなかったことや、いつもとは違う痛みがある、漢方薬を試してみたいなど、他のクリニックでは言えなかったことも遠慮なく相談してください。肩こりなどの軽い症状でも構いません。あなたらしく生きる道を、一緒に探していきましょう。

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