金村 晋吾 院長、金村 英利子 副院長の独自取材記事
かねむらクリニック
(大阪市生野区/北巽駅)
最終更新日:2022/07/19
住宅街にひときわ目立つおしゃれな外観の「かねむらクリニック」は、2022年5月2日に開業。院内に一歩足を踏み入れれば、高く開放感ある天井、一面のガラス窓から降り注ぐ自然光、感染症対策に配慮した隔離動線など、呼吸器内科を専門とする金村晋吾院長と金村英利子副院長がこだわり抜いた空間が広がる。同院の特徴はCTなど専門的な検査機器を導入し、これまでの経験を生かした呼吸器疾患診断・治療を提供するほか、どんな症状や要望であっても「全身を診る」ことを重視する点。健康診断メニューも豊富に取りそろえ、病気以外の人の健康管理にも役立つクリニックとなっている。互いに認め合う晋吾院長と英利子副院長に、クリニックの特色や各種検査、診療で心がけていること、お互いの長所など、幅広く話を聞いた。
(取材日2022年5月28日)
呼吸器の専門医師2人在籍。CTなどこだわりの機器も
院長の地元に開業されたそうですね。
【晋吾院長】父が歯科医師で、姉・兄も同じ道に進んだ家庭で育ちましたので、もともと医療に対する興味を持っていました。医科に関心を抱いたのは子どもの頃にかかっていたクリニックの先生にとてもかわいがっていただいたのがきっかけです。医療はもちろんその人柄にも憧れ、医師になろうと決めました。開業したこの土地は、父の歯科医院まで徒歩20~30秒ほどのところにある、まさに私が生まれ育った地元。すでに閉院していますが、私が医師をめざした理由となった先生のクリニックもすぐそばにあったんです。だからこそ、大学やこれまでの勤務先から離れてはいるものの、地域医療に携わるなら地元に戻ってやりたいという強い希望がありました。
院長、副院長ともに呼吸器内科を専門としていらっしゃいます。
【晋吾院長】私が憧れた“町医者”をするには何が必要なのかを考えたとき、やはり呼吸が一番大切なのではないかと考えました。息がしづらい、胸が苦しい、発熱や風邪などすべて呼吸器が関連しており、呼吸器の診療で拾い上げることができます。また肺がんなどがん治療、良性腫瘍、喘息ほか、挿管などの急性期からお看取りまで、最初から最期まで患者さんの全身を幅広く診ることができる科だと考え、選びました。
【英利子副院長】呼吸器内科は、がんや中皮腫など悪性疾患、喘息、タバコの煙が主な原因となるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、間質性肺炎などの良性疾患のほか、新型コロナウイルス感染症や結核といった感染症も診られます。特定の部位の疾患に高い専門性を持つことと同じように「全身が診られる」のも、とても大切なこと。呼吸器内科を選択して良かったと思っています。
クリニックの特色を教えてください。
【晋吾院長】私、副院長ともに日本呼吸器学会呼吸器専門医であることです。呼吸器内科は診療範囲が広く体力を要するため、非常に重要でありながら、専門とする医師が少ない科。その中で高い専門性を持つ医師が2人そろっている当院は、全国的にも希少なクリニックであると自負しています。診断に悩むことがあっても、2人で相談できる点も大きなメリットであり、そこは大きな売りですね。
【英利子副院長】クリニックでは数少ないCT、エックス線、超音波など呼吸器疾患を診断するための医療機器をそろえ、病院に行かなくても専門的な検査ができる体制を整えています。これまでは大学病院で患者さんが“送られてくる”立場でしたが、これからは“送る”立場であり、送る側としての責任があります。当院で検査し治療できることはここで、対応できない疾患でも検査によって道筋を立てた状態でご紹介できると思います。
小児の喘息診療、超音波検査にも注力
貴院のCT検査や超音波検査に特徴はありますか。
【晋吾院長】当院のCTは、多くの呼吸器疾患がわかるのはもちろん、肺の中にどれだけ壊れている部分があるか、また内臓脂肪がどのくらいあるのかなども検査できるのが特徴です。内臓脂肪が何%あるかといった数値のレポートが出てきますので、それを実際にお見せしながら改善をめざします。またCT検査オプションも含め健康診断メニューも幅広くご用意しており、病気以外の方の健康管理にも役立つクリニックでありたいと考えています。
【英利子副院長】当院で超音波検査を担当する女性技師は、腹部や心臓など多くの領域に高い専門性を持っており、私たちもとても信頼しています。このようなスタッフがいることも、当院の一つの武器。超音波検査は妊娠の可能性がある、または妊娠中の方、CT検査に不安を感じる方にも受けていただける検査です。
どんなときに呼吸器内科を受診すべきですか。
【晋吾院長】息が吸えない・吐けない、咳・痰が出るなど呼吸に関わる異常があれば、呼吸器内科を選んでご来院いただいたほうが良いかと思います。このほか熟睡感のない睡眠時無呼吸症候群、また空気を吸い込む場所のため結核などの感染症、禁煙治療や肺がん検診なども、呼吸器内科が専門です。先ほども申し上げたとおり、呼吸器は全身が診られる科ですから、どんな症状でもまずご来院ください。また鼻や喉などの症状で耳鼻咽喉科だと思っていても、呼吸器内科を受診したら、がんや気管支内の腫瘍が見つかったケースもあります。
喘息なども呼吸器内科の専門分野ですね。
【英利子副院長】現在は喘息で受診される方が多く、特に小児の患者さんに数多くお越しいただいています。喘息の検査には、10秒程度息を吐くだけで結果がわかる「FeNO」と呼ばれる呼気中一酸化窒素濃度測定機器を導入。体への負担をほぼ気にせず受けられる検査のため、お子さんも安心して受けられると思います。実はきちんとした喘息の検査をせず治療を続けている人も少なからずおり、喘息ではなく別の疾患だった、喘息に加え別の疾患も併発していた、ということも。治療中であっても改めて検査することも可能です。
「ここに来たら間違いない」と頼りにされる場所に
患者さんと接する際に心がけていることはありますか。
【晋吾院長】医学の専門用語を使わず、説明を聞いた患者さんが「全然わからなかった」とならないようにかみ砕いて話すことを心がけています。またご自身の体のことは気になると思いますので、検査の結果を言葉のみでお知らせするのではなく、CTやエックス線画像、検査数値を一緒に見ながら解説しています。目で見て何もないことを確認できることが、一番の安心感につながると考えています。
【英利子副院長】胸に聴診器を当てられるのが恥ずかしい、同性のほうが相談しやすいという女性もいらっしゃると思います。当院は院長と私の2人の医師がおりますので、女性医師を希望される場合は私が対応するようにしています。また私は今も健診に従事し、乳腺の検査なども経験を積んでいます。男性でも女性でも安心してご来院ください。
お互いの長所について教えてください。
【英利子副院長】院長は「患者さんのため」を大前提に、適切な検査・診断・治療を提供しており、常に誠実であり続ける点を特に尊敬しています。またマイナス思考がなくポジティブである面も含め、大学病院で一緒に勤務していた頃から今もずっと、全面的に信頼しています。
【晋吾院長】少しの言葉ですぐに理解してくれる聡明さ、人懐っこくさまざまなタイプの患者さんに対応できる人間性が副院長の長所だと思います。日々の診療の中で「誰かに意見を聞いてみたい」と思うことがありますが、そんなとき尊敬する医師の一人である副院長が同じ考えを持っていたらとても安心できます。一緒に診療していること自体が“強み”そのものですね。
地域の方にメッセージをお願いいたします。
【晋吾院長】呼吸器の症状があったら「ここに来たら間違いない」と頼りにされ、家族ぐるみでご来院いただけるようなクリニックをめざしています。一方で呼吸器領域のみに取り組んできたわけではなく、呼吸器領域ではないからこの症状は診ないなどとお断りすることはありません。どんな病状にもどんなご要望にも真摯に対応し、患者さんをトータルで診させていただきたいと考えています。
【英利子副院長】クリニックらしからぬ外観をしていますが、中身は普通のクリニック。看護師4人、超音波経験豊富な臨床検査技師も在籍し、十分な医療を提供できると自負しています。呼吸器の症状でなくても「ここで診てもらえたら安心できる」と思ってもらえるようなクリニックとして、早く地域の方々に認知していただけるよう努めていきます。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック/3万8000円、肺の検査コース/2万8000円、検査オプション(セット)/7000円~、検査オプション個別/300円~ほか(いずれも税込み)