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金 龍門 院長の独自取材記事

きむホームデンタルクリニック

(大阪市生野区/鶴橋駅)

最終更新日:2024/06/07

金龍門院長 きむホームデンタルクリニック main

鶴橋駅から南東へ徒歩5分、庶民的なにぎわいにあふれる鶴橋本通商店街の一角に「きむホームデンタルクリニック」がある。親しみやすい笑顔の金龍門(きむ・よんむん)院長は、病院の口腔外科で診療経験を積んだ歯科医師。「これまでの経験を生かして、地域住民の全身の健康に貢献したい」と2022年4月に開業した。院内には歯科用CTを導入し、インプラント手術や親知らずの抜歯もできる診療環境を整備。静脈内鎮静法や笑気麻酔を活用することで、「痛みや怖さから受診を避けてきた人にも、安心して歯科治療を受けてほしい」と話す。また初診時には口腔内全体を検査し、丁寧なカウンセリングを欠かさない。嚥下障害のケアや訪問診療にも力を入れ、口腔から全身の健康をめざす金院長に、同院の特徴や口腔外科ならではの治療について聞いた。

(取材日2024年5月8日)

口腔外科治療や静脈内鎮静法が可能な外来診療

ご開業から2年がたった今、外来診療にも注力されています。

金龍門院長 きむホームデンタルクリニック1

開業当初は、年齢や障害などで通院が難しい方に向けて、訪問診療を軸に診療を行っていました。ですが、外来での治療を希望する方も徐々に増えたこと、また口腔外科の治療が必要になると患者さんは大きな病院へ紹介されることも多いのですが、「気軽に受診できる地域のクリニックで治療ができれば良いのでは」と思うように。そんな事情からクリニックを拡大して、ユニットを増やしました。また院内には脈拍や血圧をモニターできる機器や酸素吸入の設備があり、病院と同じ水準で安心・安全な手術を行うための環境を整えています。ですので、現在外来では一般的な虫歯の治療やメンテナンス、歯周病治療、義歯の作製、小児歯科などに加え、口腔外科で行う治療や摂食嚥下の評価・サポートも行っています。

歯科口腔外科では、どのような治療が受けられるのですか?

多いのは、親知らずの抜歯や骨造成を含めたインプラントの治療、また嚢胞(のうほう)の摘出などで、当院では大きな病院で扱うような難症例にも対応しています。検査や治療の際には歯だけでなく口や顎周りの骨格や軟部組織の病気にも注意し、痛みへの配慮も大事にしています。他に、口周りの外傷や顎関節症、子どもでは舌小帯切除術など発音のサポートも。さらに勤務医時代には、口腔がんの治療に携わっていたので、口腔がんの早期発見にも力を入れています。今、2人に1人はがんになるといわれていますが、歯科では口腔がんなど粘膜の診察はあまり行われていません。しかし口腔がんは進行が早く、なるべく早期に治療を始めたい病気でもあります。より精密な検査や治療については専門性の高い病院とも連携していますので、気になる症状があれば、早めの受診が望ましいですね。

治療の痛みや不安に対しては「静脈内鎮静法」が使えるとか。

金龍門院長 きむホームデンタルクリニック2

胃カメラや大腸カメラの検査で「寝ている間に検査が終わる」という方法がありますよね? あれと同じ仕組みで、静脈にお薬を点滴して、眠っているような状態で検査を受けてもらうのが「静脈内鎮静法」です。インプラントの手術や、親知らずの抜歯などは、かなり楽に受けていただくことができると思いますし、歯科治療が非常に怖いという方でしたら、通常の処置でも利用をお勧めすることがあります。もちろん日帰りでの治療です。また、緊張を和らげるために「笑気麻酔」を使うこともできます。こちらは意識はありますが、少しぼーっとして治療中の記憶が残りにくいのが特徴です。歯科治療の痛みや恐怖心に悩む方は実は非常に多いもの。静脈内鎮静法を行う歯科医院で治療をしたいという方のニーズはとても高いと感じています。

カウンセリングは患者が口腔への理解を深める時間

摂食・嚥下障害や、口腔機能低下症にも対応されています。

金龍門院長 きむホームデンタルクリニック3

高齢になると、「食べる幸せ」の比重がとても高くなると感じていますし、同時に「食べられない」ことに悩む方も増えていきます。ただ、食べられない・飲み込めない原因は、人によって大きく異なるので、「何ができていないのか」を、まず正確に調べる必要があります。当院にある嚥下内視鏡では、細いカメラを鼻から喉へ入れ、実際に食べたり飲んだりしている最中の喉の動きを調べることができます。どの部分でトラブルが起きているのかを見極め、評価や適切なリハビリ、さらにとろみの程度などの食事形態や食べ方の工夫など、さまざまなサポートへとつなげていきます。

初診時の診察の流れを教えてください。

初診の方には基本的に1時間の枠を取り、検査とカウンセリングを必ず行います。検査では口腔内写真やパノラマエックス線画像を撮影し、歯周病の検査も実施。私が画像を確認して、歯の問題点だけでなく、顎の骨格や歯肉に問題はないか、腫瘍を疑うような所見がないかなども注意深くチェックして、カウンセリングを行うスタッフと情報を共有します。カウンセリングでは検査画像を患者さんと一緒に見ながら、お口の中の状態を詳しく説明します。また、「この虫歯を治してほしい」といった患者さんのご希望に加え、詳しい検査や治療をしたほうが良いところがあればそれも含めた治療プランをいくつかご提案して、患者さんに選んでもらいます。

なぜ、カウンセリングを大事にされるのですか?

金龍門院長 きむホームデンタルクリニック4

口の中の状態は、ご自身ではよくわかりませんよね。また、患者さんが多忙な場合、歯科医院によっては患者さんが希望する部分だけを治療するということもあるでしょう。しかし歯科診療では「検査したからこそわかる口腔内の本当の状態や必要な治療の全体像を、まずは患者さんにきちんとお伝えすべき」だと私は考えています。歯や口腔内のトラブルは、噛み合わせや顎関節、歯肉などさまざまな要素が関連していることが多く、一部分だけ治療しても根本的な問題は解決しにくいのです。どこまで治療を行うかは患者さんが判断することですが、せっかく受診されたのですから、ご自身の口腔の状態や治療の必要性をしっかりと把握する機会にしてほしい、そういう考えでカウンセリングに取り組んでいます。

専門性に基づく多職種連携で「食べる喜び」を守る

訪問診療も、引き続き実施されています。

金龍門院長 きむホームデンタルクリニック5

クリニックから半径16kmの範囲で訪問診療を行っていて、訪問先も増えています。虫歯の治療や入れ歯の作製、口腔ケアなどの他、先ほどお話しした摂食・嚥下障害のご相談も多いですよ。嚥下内視鏡の検査はご自宅でもできますし、その他の治療も外来診療と同水準で提供できるように努めています。摂食・嚥下障害に関しては、患者さんの在宅療養を担当されている医師や訪問看護師、言語聴覚士などにも検査の様子を見てもらい、食事内容やリハビリの方針を一緒に考えていくことも大切です。「胃ろうで栄養を取っているけれど、週に1回でも口から食べたい」という方もいらっしゃいますので、歯科医師として専門的なサポートを行い、患者さんに喜んでいただきたいと思っています。

今後、どういうクリニックをめざしていきたいとお考えですか?

繰り返しになりますが、一般的な歯科診療とともに、口腔外科の治療や口腔機能に関するサポートができること、また静脈内鎮静法など痛みに配慮した治療を行えることが、当院の強みだと考えています。そしてこれらの治療に関しては、お困りの症状だけを当院で治療をして、治療が終わればかかりつけの先生に引き継ぐ、という役割分担も大事にしています。地域の歯科医院の先生方をはじめ、摂食に悩む患者さんを診ている医科の先生方や、訪問診療、訪問看護、介護関連職の方々ともつながり、当院の専門性を生かしながら積極的に情報提供して、地域のお役に立てればうれしいですね。

最後に、受診を考えている方へメッセージをお願いします。

金龍門院長 きむホームデンタルクリニック6

当院では、虫歯の治療だけでなく、口腔機能に関するさまざまな検査や治療ができますし、痛みや恐怖心をなるべく減らす処置にも力を入れています。痛みや不安の感じ方は人それぞれですから、当院では患者さんの思いをしっかりと受け止め、わかりやすく根気強く説明させてもらいます。当院には韓国語が話せるスタッフがいますし、私も勉強中ですので、日本語が苦手でも安心して受診してください。また治療については保険診療を基本にご提案しますが、治療するかどうかは患者さんのご判断だと考えていますから、セカンドオピニオンを希望される方にも使い勝手が良いと思います。お口周りの健康は、全身の健康や「食べる」という一生涯の喜びに直結します。小さな違和感やこれまで放置してきたお悩みも、ぜひご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/30万円程度、骨造成/10万円程度

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