消化器内科の適切なかかり方と
市販薬との上手な付き合い方
かごしまIBD消化器内科クリニック
(鹿児島市/天文館通駅)
最終更新日:2025/07/14


- 保険診療
おなかが痛いなどのよくある症状はわざわざクリニックへ行かず、市販薬で済ませてしまう人がほとんどだろう。その行為自体は危険とは言えないが、「かごしまIBD消化器内科クリニック」の小野陽平理事長によると、不調の原因にきちんとアプローチできていない人も少なくないそうだ。小野理事長は国内でも数少ないという潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患(IBD)の専門家であり、胃・大腸内視鏡検査にも約17年携わってきた経験豊富な医師。検査・診断力を長年磨き続け、現在も先進の情報を取り入れながら質の高い医療を追求する。消化器内科領域を幅広くカバーできる小野理事長に、消化器内科という分野の診療対象や市販薬に対する考え方、専門家のもとを受診するメリットなどを聞いた。
(取材日2025年6月11日)
目次
身近な消化管症状から専門性の高いIBD・IBSまで幅広く対応。市販薬には頼りすぎず医師の意見を聞こう
- Q消化器内科で診る部位や、内科との診療の違いを伺います。
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A
▲内科、消化器内科で長年の経験を積んだ医師が対応
消化器内科の診断・治療の対象となるのは、食べ物の消化や吸収に関わる消化管と、消化酵素を生成したりためたりする器官である肝臓・胆嚢・膵臓に大別されます。消化管は口から摂取したものが体内を移動し、肛門から出るまでの通り道の総称で、具体的には食道・胃・十二指腸・小腸・大腸を指します。また、消化器内科では通常の内科診療に加え、内視鏡検査や腹部超音波検査などの画像検査を実施できるのが特徴です。私は約17年間、消化器内科と内視鏡の専門家として研鑽し、病気の芽を見つける力を養ってきました。当院でも新鋭の設備を整え、患者さんの負担が少ない検査に取り組んでいますので、35歳以上の方はぜひ一度お越しください。
- Q具体的にどのような症状・疾患を診療するのですか?
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A
▲軽い症状から専門的な疾患まで幅広い診療を提供
食道は逆流性食道炎の患者さんが最も多く、ほかには飲み込みにくさや喉がつかえたような感覚を訴える方もいらっしゃいます。胃に対しては痛み、むかむかする、食欲が出ないなどの症状が中心です。小腸は病気になりにくい臓器ではありますが、私の専門であるクローン病という難病は小腸にできやすい傾向があります。クローン病を含むIBDを専門とするクリニックという性質柄、一般的な消化器内科と比べると、当院には小腸の疾患を抱えた患者さんが多いといえますね。そして大腸は下痢便や腹部の張りといった便通に関わる症状、さらに健康診断で指摘された脂肪肝や胆石症、膵炎といったように、幅広い症状・疾患の診療を担っています。
- Qよくある症状は市販薬に頼りがちです……。
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A
▲自己判断せず、医師に相談することを推奨
症状が軽い場合は、市販薬で様子をみていただいても差し支えありません。ただし、市販薬は医師の診察を受けたうえでの処方ではなく、自己判断による使用となります。体調が改善すれば問題ありませんが、変化が見られない場合は、3~5日を目安にご相談ください。加えて、一部の市販薬を漫然と使い続けると、耐性がつくことがあるため、漫然と使用することはお勧めできません。特に下剤を濫用している方は多く、また、漢方には副作用がまったくないと誤解されている方もいらっしゃいます。不必要なのに高額な薬を使い続けてしまうケースもありますので、よりよい治療のためにも専門家の意見をお聞きいただくことをお勧めします。
- Qクリニックを受診するメリットを教えてください。
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A
▲専門的な視点から病気の早期発見や適切なアドバイスが得られる
病気がある場合、まずは体の中で何が起こっているのかを診断し、その診断に基づいた治療が行われるべきですが、市販薬は「診断」の工程を飛ばしています。先述のとおり自己判断がベースとなっているため、ご自身が思っているような病気・病態ではない可能性もあるのです。そこを原因も含めて解明するのが私たちプロの役目であり、専門的な視点から適切に処方された薬を飲めるのが患者さんの何よりのメリットでしょう。市販薬は症状を一時的に乗り越えるために使用し、症状が固定化・慢性化してきたら医師の指示を仰ぐといったふうに、両方をうまく使い分けるのが良いと思います。
- Q消化器内科におけるこちらのクリニックの強みを伺います。
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A
▲内科・消化器内科診療に加え、IBDやIBSに注力している
当院は一般的な内科・消化器内科診療のほか、全国的にも専門家の数が少ないIBDや、中学生・高校生に多い過敏性腸症候群(IBS)の治療にも注力しています。提供できる医療に地域差があってはいけないという考えのもと、新しい情報をこまめにキャッチアップしており、通院にかかる時間やストレスを減らしながら病院と同等レベルの治療をお届けするのが目標です。また大腸内視鏡検査の際も、腸内に炎症が起きており、通常よりも難易度が高いIBD患者さんの検査を精密に行えるだけの技術と経験があると自負しています。検査環境も整え、患者さんの希望に応じて複数の選択肢から下剤の種類や鎮静剤の使用などを決めていただいています。