田中 義浩 院長の独自取材記事
春日駅前デンタルクリニック
(文京区/春日駅)
最終更新日:2025/06/19

「見えない部分にも手を抜かないことが大切なんです」そう語るのは、「春日駅前デンタルクリニック」の田中義浩院長。春日駅から徒歩2分の白山通り沿いにあり、大きな窓から光が差し込む、明るく清潔感のある院内が印象的なクリニックだ。田中院長は、これまで東京科学大学(旧・東京医科歯科大学)で研究や臨床に携わり、補綴や噛み合わせについて教える立場でもあるベテラン歯科医師。その経験を生かし、幅広い治療を提供しながら、スピーディーなセラミック治療に力を入れている。「手軽さや色味など、患者さんが重視するポイントに合わせてプランをご提案しています」と語る田中院長に、同院の特徴や歯科医療に対する思いを聞いた。
(取材日2025年5月21日)
こだわりの詰まった院内で、良質な歯科医療を追求
開業までの経緯についてお聞かせください。

歯科医師をめざし始めてすぐ、自分にはとても合っている仕事だと思うようになりました。もともと人と話すことが好きですし、職人気質な部分もそうです。実際に患者さんを診るようになってからは、さまざまな過程をたどって症状の原因を探るという、例えると難しい問題を解くような感覚にも面白さを感じています。東京科学大学を卒業後は、同大学院で咀嚼の研究を深めました。現在も非常勤講師を務めており、補綴や噛み合わせについて教える立場でもあります。その後に勤めた企業では、忙しさゆえか、自身の歯に関心を持たない働き世代が多いことを知りました。虫歯があってもあまり気にしていない方や、中には虫歯があるという意識すらお持ちでない方もいました。それでも、忙しい時間を割いて足を運んでもらっているのですから、時間内で最大限、質の高い治療を提供しようと努めてきました。そんな経験を経て、当院を開業しました。
こちらのクリニックの特徴を教えてください。
この辺りは、ご高齢の方から若いファミリー層、オフィスで働くビジネスパーソンと、さまざまな背景を持つ方が集う街です。当院もお子さんから高齢の方まで、幅広い年代の方にご利用いただいており、虫歯や歯周病の治療、根管治療、入れ歯治療など、さまざまなニーズにお応えしています。めざすのは、歯科用CTやCAD/CAMシステムなどの機器を活用し、患者さん一人ひとりの状態やご事情に合わせたオーダーメイドの治療です。最近は審美歯科のご相談も多く、ホワイトニングはいくつかのメニューをご用意しています。そして、症状の解決はもちろん重要なのですが、一度悪くなって治療した歯は、元に戻すことができません。そのため、まずは大前提として虫歯や歯周病にならないよう予防歯科にも力を尽くしています。
院内は落ち着いていて、リラックスできる雰囲気ですね。

ありがとうございます。内装業者にオーダーしたのは、ここに入ってきた時に、「この歯科医院は他の歯科医院とちょっと雰囲気が違うな」と思ってもらえるようにすることです。結果として木のぬくもりをふんだんに生かした内装になって、患者さんがユニットで横になった時には天井の木目模様が目に入るなど、落ち着いた雰囲気になったと思います。また、診察ユニットの椅子も患者さんの快適性を考慮したものを選んでいます。治療で使用する診察ユニットに流れている水にも細心の注意を払っていて、診療後にユニット内の残留水を排出する際には、専用の洗浄液を給水管路に滞留させて、診療時間外にも給水管路をクリーンに保てるようにしています。
自分なりの言葉を選び、目の前の患者に響く説明を意識
診療のときに心がけていることはありますか?

当たり前かもしれませんが、一つ一つの工程を丁寧に行うことですね。保険診療でも自費診療でも、見えない部分にも決して手を抜くことがないよう心がけています。なかでも、セラミックの補綴物は、金属とは削り方が異なります。シビアな調整が必要ですが、ここをおろそかにすると詰め物が割れたり、そこから細菌が入ったりして、虫歯になったり、補綴物が駄目になってしまう原因になります。これはすべての治療に言えることで、見えない工程で手を抜くと、どこかに悪影響が出てしまいます。
患者さんとのコミュニケーションについてはいかがですか?
一人ひとりに合わせたわかりやすい説明と、歯に関する適切な知識をお伝えすることを大切にしています。説明を行う際には、もし自分が患者さんだったらどんなことを知りたいのか、どのように説明をしてもらえれば理解しやすいのか、ということにポイントを置いてお話しします。教科書的な言葉を使うのではなく、私自身、自分の中に落とし込んでかみ砕いてから説明をしていますので、時には他の先生とは違う言い方をしていることもあると思います。例えば、寝る前にダラダラとお酒を飲み虫歯が増えてしまうという方には、「虫歯を作る行動を積極的にしてしまっていますよ」といった形です。説明を聞いた患者さんがハッとされていたり、丁寧に説明してもらえたとお喜びになっていたりすると、うれしいですね。
特に注力している治療を教えてください。

コンピューター制御によりセラミックの詰め物やかぶせ物などの補綴物を院内で設計し、製作する「CAD/CAMシステム」を活用した治療です。治療で削った箇所を補う補綴物は、一般的に歯科技工所に外注して製作してもらいます。そのため、通常であれば補綴物を入れて治療が終了するまで、早くても数週間かかります。ですが、CAD/CAMシステムを使用すれば、院内で補綴物の製作が可能になり、最短だとその日のうちに治療を終わらせることができます。また、補綴物の製作は歯科技工士にお願いしている歯科医院が多い中で、当院の場合は私自身が設計から製作までこだわって行っています。実際に自分の目で患者さんを診ていますので、噛み方の癖や力のかかる部位など細かいところにも気を配っています。そうすることで、より精度が高く、患者さんに合ったセラミック治療をめざしています。
ニーズに合わせ治療内容や設備のさらなる拡充をめざす
感染症対策にも力を入れておられます。

患者さんには安心して治療を受けていただきたいので、標準予防策(スタンダード・プリコーション)を遵守して、換気や器具の消毒も徹底しています。滅菌器は、ヨーロッパの滅菌器の基準で最も厳しいとされるクラスB基準のものを導入して、滅菌処理後は即座に滅菌パックに入れて保管しています。治療で使用する時まで滅菌された状態を保つために、使用する直前に滅菌パックから器具を取り出します。また、飛沫感染防止のために口腔外バキュームを設置している他、グローブやコップ、エプロンなど、診察で使用するものは可能な限りディスポーザブル製品を使っています。他に、入り口には自動体温計と手指消毒器を用意し、受付にはアクリル板のパーティションを設置して対応しています。
こちらで働くスタッフについても教えてください。
当院の歯科衛生士や歯科助手は、患者さんが自分の口の中の状況を理解して、納得して通ってもらえるような説明力があるんです。主にメンテナンスやクリーニングを任せていますが、患者さんの口の中の衛生に対する意識が高まるような指導をしてくれていて、とても助かっています。歯のクリーニングでは、微細なパウダーを歯に吹き付け、歯の表面や歯間の汚れを落とすためにエアフロ―を導入していますので、着色がひどい患者さんにお勧めです。私も含めたスタッフの共通の思いは、患者さんに気持ち良くお帰りいただくこと。治療の精度や痛みへの配慮、電話応対や接遇、飾りつけや清掃に至るまで、チームとなって一丸で居心地の良いクリニックづくりに努めています。
最後に、読者へメッセージをお願いします。

ありがたいことに、多くの患者さんにご利用いただけるようになりました。その中で、歯科医療は日進月歩で新たな技術や治療が次々と開発されていて、当院でも新たな分野の相談も増えています。私も常に最新の情報を把握し、知識と技術をアップデートし続け、対応できることならば応えていきたいと思っています。同時に、これまで通り適切な診断と治療に努め、患者さんのニーズに合わせて治療内容や設備を広げていきたいですね。そして、当院は気軽に立ち寄れる町のクリニックとして、歯を削る量をできる限り少なく、今ある歯の健康を守ることをめざしています。痛みなどがあるときはもちろん、ちょっとした心配事でも気軽にお越しください。
自由診療費用の目安
自由診療とはホワイトニング/オフィスホワイトニング:2万9000円、ホームホワイトニング:1万9000円~、セラミックの詰め物/6万6000円~、セラミックのかぶせ物/11万円~、エアフロー/7500円程度
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。