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河野 敦子 院長の独自取材記事

アイ内科クリニック

(宮崎市/佐土原駅)

最終更新日:2023/12/21

河野敦子院長 アイ内科クリニック main

JR日豊本線・佐土原駅から車で約3分。県道10号線沿いにある「アイ内科クリニック」は2022年4月開業。消化器内科・糖尿病内科をメインに内科全般の診療に対応する地域のかかりつけクリニックだ。院長を務めるのは宮崎出身の河野敦子(かわの・あつこ)先生。大阪の大学を卒業後、高鍋町にあった父の病院の副院長を務め、病院閉院後は大学院で大腸がんの発症リスクの研究に従事。宮崎に再び戻ってからは、市民の森病院の消化器内科医として長年地域医療に携わってきたという多彩な経歴を持つ。快活でざっくばらん。ユーモアを交えつつ理路整然とわかりやすく取材に答える様子から、診療でも多くの患者の支持を集めそうな河野院長に、これまでの経歴や開業に至る道のり、クリニックの設備と今後めざす方向性について、たっぷりと語ってもらった。

(取材日2022年3月31日)

地域に住む人たちの受け皿となる機能的なかかりつけ医

先生は高鍋町のご出身だそうですね。

河野敦子院長 アイ内科クリニック1

私の父は高鍋町で病院を開業していまして、私も大阪医科大学を卒業して宮崎医科大学の内科で5年勤務した後、父の病院に入り、副院長として診療だけでなく病院経営にも携わっていました。ところが、しばらくして父が病気にかかり、すでに治療ができない状態に進行していたんです。父も自分の病状をわかっていましたので相談をして、ある医療法人さんに病院を設備ごと買い取ってもらい、私は研究活動に打ち込もうと母校の大学院に入ることにしました。大学院では腸の発がんリスクをテーマに研究を開始しました。がんと腸内細菌の関連を調べるために、東京にある乳酸菌飲料メーカーの中央研究所に出向し、腸内細菌研究の先端で貴重な経験を積むことができました。

研究に打ち込んでいた先生が、2011年に宮崎に戻ってこられた理由は?

父が亡くなった後、1人で暮らしていた母が体調を崩したので宮崎に戻ってきました。帰ってからは宮崎市の市民の森病院(現・市民の森クリニック)の消化器内科に入り、ずっと勤務医を続けるつもりでいたのですが、2021年に市民の森病院が新別府町にある宮崎善仁会病院に吸収合併され、私もそのまま宮崎善仁会病院へ。でも大変だったのは地域の人たちです。市民の森病院は佐土原町内に住む方たちの基幹病院でしたから。病院がなくなって新たな病院に行こうにも、遠くて車がないと通えません。やっとの思いで家族に連れて来てもらっても、大きな病院の常で待ち時間が長いわけです。私も母の通院の付き添いをしていましたから、その大変さ、不便さを自分で実感していましたね。

それがクリニックを開業するきっかけに?

河野敦子院長 アイ内科クリニック2

そうですね。父の言葉も頭をよぎりました。父が病に倒れて病院を閉院する際、ある法人に買い取っていただいたのですが、父は亡くなる前「そのお金はお前のお金ではないよ。地域医療で得たお金は地域に返すように」と、私に言い残していました。だったら父が言っていたとおり、そのお金を使って行き場がなくなってしまった患者さんたちの受け皿になるようなクリニックをつくろうと思ったんです。例えば、ちょっとした腹痛など軽度の症状の場合遠くの病院まで行って長時間待つより、近くのクリニックで診てもらったほうが患者さんにとってもいいわけです。しかしそれが本当に軽症かどうかの見極めは、医師の経験や勘に頼るだけでは難しいので、ある程度の検査設備は必要です。なので、開業にあたって検査機器の導入にはこだわりました。

主軸は糖尿病内科と消化器内科。CT検査も可能

クリニックの診療内容と特徴を教えてください。

河野敦子院長 アイ内科クリニック3

消化器内科と糖尿病内科を2本柱に、慢性期疾患に対応するクリニックです。医師は消化器内科が専門で、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医である私と、日本糖尿病学会糖尿病専門医として長年経験を積んだ黒木由美(くろぎ・ゆみ)副院長の2人体制。2人とも日本内科学会総合内科専門医資格も持っていますので、全身を診ることができるかかりつけ医院の機能も兼ね備えています。副院長の専門である糖尿病や高血圧症といった生活習慣病は、心筋梗塞などの重篤な疾患の原因となるため、生活習慣病の予防や治療に力を入れていきますが、糖尿病というのは、発がんリスクを上げる病気でもあるので、消化器がんの早期発見にも積極的に取り組んでいきます。

先生のご専門の消化器内科の診療と検査設備についてはいかがでしょう。

消化器内科では、経鼻内視鏡検査、大腸内視鏡検査、内視鏡的大腸ポリープ処置などに対応しています。また当院は、胃がん・大腸がん検診の一次医療機関と二次精密検査医療機関でもありますので、一次検診から二次精密検査まで当院で完結できます。二次精密検査医療機関には高い精度の検査・診断が求められますから、検査設備も胃・大腸内視鏡、腹部エコー、甲状腺エコー、深部静脈エコーのほか、CTも導入しました。当院で検査を受けて、精密検査やその診断を外部に依頼する必要がないため、検査結果も早くお伝えできます。

医院名にはどのような意味が込められているのですか?

河野敦子院長 アイ内科クリニック4

「アイ」はアルファベットの「I」で、「インフォメーションオフィス」を意味しています。案内所の役割を持った医院ということですね。私がめざしているのは、患者さんがたらい回しになったり、あちこちドクターショッピングをしたりする必要のない医療です。患者さんが来られたら、先進の機器で検査をして診断をし、当院でできることは当院で対応し、それ以外のものは専門の医療機関や、専門の先生に速やかにご紹介します。症状によっては原因究明が困難で、紹介先で「その症状は当院の領域じゃない」と言われることがあるかもしれません。もしそうなった場合も、別の紹介先を見つけるなどして新たな方向性を探ります。とにかく、患者さんを不安にさせないよう、できるだけ早く決着をつけることを意識しています。「地域医療の案内所」として、専門の医療機関とつなぐハブ的な役目を果たしていきたいです。

目は心の鏡。患者の目を見て話すことの大切さ

診療で心がけていることは何ですか?

河野敦子院長 アイ内科クリニック5

患者さんの目を見て話すことですね。患者さんが診療室に入って来られた時も、カルテなどを見ながらあいさつすることは絶対しないです。患者さんをしっかり見て、正面向いて目と目を合わせて話をしないと、その人のその日の体調や気分というものはわかりません。中には、体調が悪いのに悪くないように見せている方だっていらっしゃいます。隣におられる奥さんを心配させまいと気遣って大丈夫なように見せるような時もあるんです。目の動きが心のありようを映し出すこともあるんです。そういうことは真正面から向き合っていないと見えません。診察をする上で、目線を合わせるということは、とても大事なことだと思っています。

今後の抱負と、地域医療へのお考えをお聞かせください。

医院を開業するという時にこんなことを言うのも不思議に思われるでしょうが、後継者についてもすでに考えています。現在40代の勤務医をされている先生にお声がけしています。これは私自身が50代になってわかったことですが、この年になってようやく高齢の患者さんの気持ちというのが理解できるようになったんですね。ですからその先生にも勤務医として経験を積んで、ある程度の信用を得られる年齢になってから医院を継いでもらいたいと思っています。そして10年、20年続けたら、次の先生に継承し、この医院を継続していってほしい。このクリニックを存続させ、長きにわたって皆さんに貢献することが、「地域医療に携わって得たお金は、地域に返す」という父の遺志に応えることであり、私の望みでもあります。

最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

河野敦子院長 アイ内科クリニック6

体のことで不安なこと、悩んでいることがあれば、とにかくいらしてください。いきなり大きな病院に行くとなると何科にかかればいいの? こんな症状で受診していいの? と躊躇してしまうこともあるでしょう。当院はそのような心配は不要です。糖尿病内科、消化器内科の専門分野だけでなく、総合内科専門医として幅広く経験を積んだ医師が患者さんの不安や疑問にお答えし、当院で対応できない場合は信頼できる先生にご紹介します。私は宮崎が地元ですから、同期だったり同学年だったり、顔なじみの先生が大勢いて、名指しで紹介できるネットワークがあります。まずは気軽に足を運んでみてください。

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