林 裕美子 院長、藤井 秀一 先生の独自取材記事
きらきらこどもクリニック
(安芸郡海田町/海田市駅)
最終更新日:2026/07/14
海田市駅前の商業施設内にある「きらきらこどもクリニック」に入ると、カラフルな遊具を備えたテーマパークのような院内に驚く。「お子さんが自ら楽しく通える場所」をコンセプトに林裕美子院長が開業した同院は、一般小児診療から発達障害、アレルギー、小児てんかんの専門的な治療まで、幅広い診療を展開している。2026年2月からは小児集中治療室での診療に携わった経験もある小児科医・藤井秀一先生が加わり、多くの患者を受け入れられるようになった。病児保育室を併設し、地域の働く親たちのサポートにも尽力している同院。林院長と藤井先生に、日々の診療にかける想いを聞いた。
(取材日2022年4月16日/再取材日2026年6月18日)
親子ともに楽しんで通える場所をめざして
クリニックのコンセプトを教えてください。

【林院長】「クリニックを楽しい場所にすること」です。「きらきら」という院名には、子どもたちが笑顔で輝く場所にしたいという想いがあります。病院は怖い場所だと思う意識が変わるよう、待合室はカラフルに。遊具や水槽、バオバブをイメージした木のオブジェを備えて楽しそうな雰囲気にこだわりました。また、気管支喘息のお子さんに配慮してホルムアルデヒドを吸着するしっくいを一部の壁に使用しています。診察室の天井の星型ライトは、喉を診る際に「きらきら見て」と上を向いてもらうのに役立っているんですよ。子どもたちに病院は怖くない、楽しいところだと感じてもらうために、新たにガチャガチャでカプセルトイのプレゼントを始めました。お子さんが、頑張って診察を受けたご褒美としてメダルをもらってにっこり笑顔になってくれるとうれしいですね。お子さんが生まれた時から大人になるまで、地域の皆さまを一貫してサポートしたいと思っています。
院長先生と藤井先生のお二人で診療されているんですね。
【林院長】ありがたいことに開業以来、患者さんが増え続けています。受け入れ体制を充実させたいと思い、この度藤井先生に入っていただきました。患者さんが多いとお一人にかけられる時間が限られ、説明が駆け足になりがちです。これまで診療時に伝えたいことを口頭だけでなく書面にしてお渡しすることで補ってきましたが、藤井先生との2診制になったおかげで時間的な余裕ができ、納得がいくまでお話しできるようになりました。後から「ちゃんと伝わったかな」と気になることが減って、私も安心して診療に集中できています。院長による診察をご希望の患者さんにはできる限り私が対応していますが、藤井先生は優しいお人柄なので早くも多くの方に慕われているようです。おかげで望んでいたように一人ひとりを丁寧に診療できるようになり、うれしく思っています。
藤井先生はどのような経緯でこちらのクリニックに?

【藤井先生】私は東京の大学病院に10年勤務した後、沖縄県立南部医療センター・こども医療センターで重症の子どもたちを診る小児救急、小児集中治療に携わってきました。また、小児科では障害のあるお子さんの成人後を診ることも多いため、重症心身障害や発達障害の治療を学ぶため東京の専門機関で研鑽を積み、その後故郷の広島に戻ってきました。当院に来たのは、子育てと両立しながら診療を続けたいと考えたためです。小さい子どもが3人いるので、今は水曜・土曜にお休みをもらいながら診療しています。林先生のお人柄と、楽しそうな院内の雰囲気にも惹かれて入職しました。月・火・木・金は午前・午後とも林院長と2診体制で、私は主に一般診療を担当していますので何でもお気軽にご相談ください。
小児科全般の診療とてんかんの専門的な治療に強み
藤井先生の得意な診療は?

【藤井先生】私はこれまでいろいろな医療現場に身を置いてきました。そのため、何でも診られるところが強みだと思っています。側から見ると一貫性がないように思われているかもしれませんが、自分が興味を持った現場に次々と飛び込んでいった結果、幅広い小児診療に対応できるようになりました。例えば沖縄にいた頃には、心臓手術を終えたばかりの子、救急ヘリで離島から運ばれてきた予断を許さない症状の子などを診た経験があり、大変でしたがそのことが後の診療にも大いに役立っていると思っています。
林院長はてんかんの治療がご専門と伺いました。
【林院長】そうですね。てんかんは100人に1人が発症するといわれるありふれた病気ですが、偏見も多く言い出しにくい病気の一つではないでしょうか。私は勤務医時代からてんかんをはじめとする小児神経疾患を専門としてきましたので、当院でもその経験を生かし、ビデオつきの脳波計を用いて診断や治療方針の決定に役立てています。脳波計を導入しているクリニックは少ないかもしれません。てんかんの診断には、発作の様子を詳しく伺ったり、脳波を記録することが大切ですが、自宅での発作時の動画も役立ちます。発作には何種類かあり、よく知られているけいれんから、ぼーっとしているように見えるだけの発作もあります。本人が気づいていないケースもありますし、意識混濁の間に転んでケガをする可能性もあるので、少しでも気になる症状がある場合はご相談ください。
お二人が診療で大切にしていることは何ですか?

【林院長】親御さんの言葉に耳を傾けることを何よりも大切にしています。お子さんのことを一番よくわかっているのは、やはり親御さんです。だからこそ、親御さんの意見は正しいという意識で「ここが普段と違う」という言葉を聞き逃さないようにし、不安やつらいお気持ちを受け止めたいと心がけています。適切な診断・治療を提供することは、こうした関係性の上に成り立つものだと思っています。
【藤井先生】子どもは自分で症状をうまく説明できませんし、不安な気持ちを抱えながら治療を頑張っています。だからこそ、一人ひとりのお子さんとご家族に誠実に向き合うことを大切にしています。未来のある子どもを支えたいと思い小児科医になりました。その思いを忘れず、子ども自身の気持ちも大切にしたいと思っています。
働く父母に寄り添い病児保育にも対応
「病児保育室 ぽかぽか」について詳しくお聞かせください。

【林院長】親御さんが仕事を休めないときなど、体調を崩したお子さんを預かって日中のお世話をする保育室です。ぽかぽかと気持ちが温かくなる場所にしたいという願いを込めてつくりました。海田町は子育て世代が増えている地域ですが、病児保育室のある小児科はまだ少ないです。お子さんは急に熱を出すことが多いため、そんなときの受け皿になれたらと考えました。利用にあたっては、事前の予約と初回利用当日の登録が必要で、空きがあれば当日でも受け入れ可能です。また、2回目以降のご利用でしたら、当院から10km圏内の保育園・幼稚園や小学校を対象に、スタッフがタクシーでお子さんを迎えに行くサービスもあります。急な体調不良でお迎えを要請されたけれど、お仕事などで対応が難しいときに活用していただければと思います。
親御さんの力になりたいという想いが伝わってきます。
【林院長】私も一人の母親として大変な気持ちがよくわかるんです。親御さんは育児だけでも大変なのに、家事も仕事もこなして休む暇もない上に、お子さんが急に発熱したら、誰が迎えに行くのか、どうやって預け先を確保するのかなどを瞬時に考えないといけません。そんなときにこそ、「病児保育室 ぽかぽか」を利用することで負担を少しでも減らせたらと願っています。一人の母親として「あったらいいな」という想いを形にしました。とはいえ、病気のお子さんを預けることに後ろめたい思いを持つ親御さんもいらっしゃると思います。ですが、実際にぽかぽかで過ごしたお子さんは「楽しかった! 明日も来たい!」と言ってくれることが多いので、安心してお預けいただければうれしいです。
読者へのメッセージをお願いします。

【藤井先生】私も今は子育てが忙しく、親御さんの大変さがよくわかります。来てくださった患者さんの問題を解決したいという想いがあるので、どんなことでも相談していただけるとうれしいです。
【林院長】親御さんには、私たちは皆さんの味方ですと伝えたいです。子育てはわからないこと、困ったことの連続ですから、不安な気持ちに寄り添いながら一緒に解決方法を考えることで少しでも気持ちが楽になって、今しかない子育てを楽しんでもらえればと願っています。

