全国のドクター9,182人の想いを取材
クリニック・病院 158,625件の情報を掲載(2024年4月25日現在)

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 墨田区
  4. 錦糸町駅
  5. 原歯科医院
  6. 原 正浩 院長

原 正浩 院長の独自取材記事

原歯科医院

(墨田区/錦糸町駅)

最終更新日:2023/02/14

原正浩院長 原歯科医院 main

スカイツリーを一直線上に望むタワービュー通り。その一角にある「原歯科医院」は、開業から70年以上の長きにわたって診療を続けてきた歴史ある歯科医院だ。口腔外科を専門とする原正浩院長が祖父、父、兄と続いてきた同院を継承し院長に就任したのは2022年の3月。それを機に壁紙を刷新し、アニメのポスターを飾るなど、院内は明るい雰囲気にリニューアルした。その片隅には代々使われてきた年代物の診療台が置かれており、レトロなたたずまいから同院の歴史を垣間見ることができる。一方で、院内技工室の設置や口腔外科の難症例にも対応する設備を備えている同院。祖父からの診療方針を受け継ぎつつ、口腔外科の経験を生かしたスタンスで診療に取り組んでいる。明るく冗談を交えながら話す原院長に、これからの診療方針や今後の展望を聞いた。

(取材日2022年5月10日)

地域に根差し70年以上の歴史を持つ歯科医院

目の前の通りがとてもきれいですね。

原正浩院長 原歯科医院1

僕はここで生まれて48年間暮らしていますが、この通りはすごく変わりましたね。以前は電線にとまるハトがたくさんいましたが、今では電柱がなく、電線はすべて地下に埋まっています。スカイツリーも建設当初から見ていたので、気がついたら完成していたという感覚ですね。生まれ育った町ですから、患者さんの中には同級生のお父さんやお母さん、おじいちゃん、おばあちゃんなどもいらっしゃいます。年齢層でいうと、やはり高齢者が多いですね。入れ歯の悩みや歯がグラグラしているといった歯槽膿漏の症状で来院される方が多く、そういう患者さんのニーズから入れ歯の治療には力を入れています。

歴史ある歯科医院ですが、先代から引き継がれたものはありますか?

技工室は祖父の代からあって、当時から簡単な技工物は院内で作製していました。細かい技工物は歯科技工士さんにお願いしますが、小さな物は今もここで作っています。また、当院は地域の歯科医師会に参加していることもあり、いくつかの大学病院や総合病院との連携を取っています。例えば患者さんの中に医療系の問題があった場合、それらの病院へ紹介することができますから、患者さんのみならずこちらも安心です。歯科は医療の中でも独立しているイメージがありますが、実際には医科の中の歯科ですよね。そういう考え方は、父親からずっと伝えられてきましたし、祖父の代から当院の方針であったと思います。

院長にご就任されるまでの経緯を教えてください。

原正浩院長 原歯科医院2

先代は保険診療をメインにした診療で、地元に根づいてきた歯科医院です。僕はもともと大学病院に14~5年勤務した後、院長に就任する前までは、あちこちの歯科医院へ行って治療するフリーランスの歯科医師でした。僕が大学1年生の頃、父親が病気で倒れ、大学病院に勤務していた兄が後を継ぎました。その兄が昨年亡くなり、今年の3月に僕が院長に就任し診療を再開しました。再開まで半年以上の期間があったので、まずは再び診療を開始したことを周知していきたいですね。最近、新しいスタッフが入ってくれたおかげで一人ではなかなか厳しかった口腔外科の治療もしやすくなりました。その方は患者さんとのコミュニケーションも上手で院内の雰囲気も明るくなり、とても感謝しています。今後は衛生士さんにも入っていただいてよりこまやかなフォローができる体制を整えていきたいと思っています。

長年培ってきた口腔外科の専門性を生かした診療を

先生が歯科医師を志されたのは、やはり先代の影響ですか?

原正浩院長 原歯科医院3

子どもの頃から父親に「職業は歯科医師しかないよ」と洗脳されていましたね(笑)。小さい頃は、診療していない時間帯に診療室で過ごすこともありましたから、僕にとってなじみのある場所ですし、歯科医療は常に身近なものでした。口腔外科を選んだ理由としては、歯科ではありますが、医科に近い知識を学べるのではないかと思ったからです。父親は僕を医師にしたかったらしいのですが、日本大学に進学が決まった時、父親と仲の良い先生が口腔外科にいるから「勉強してこい」と言われて、この道に進みました。一般歯科は歯を削ることがメインになりますが、口腔外科はメスを使う外科的治療も行う繊細な分野です。そういったところにも惹かれたので、経験を積めば積むほど面白くなっていきましたね。

今後は口腔外科の治療にも注力されていくのですか?

はい、これからは口腔外科の診療にも積極的に取り組んでいこうと考えています。現在は大学時代の知り合いからの依頼で患者さんを受け入れていて、ある程度、難症例の患者さんがほとんどです。例えば、骨の中に埋まっている親知らずの抜歯、歯茎の周りや上顎の骨が盛り上がる骨隆起、出っ張っている下顎の骨の切除、後は、歯の根っこの先端に膿の袋のようなものができた時に歯茎を切って外側から取る歯根端切除術などがあります。こういった口腔外科の難症例は得意分野なので、今後も受けていきたいですね。ご紹介いただければ、可能な範囲で対応していこうと考えています。

これまでの診療方針との違いはありますか?

原正浩院長 原歯科医院4

父親や兄の代は、できる限り歯を残すという診療方針でした。当院の診療体制や基本的な考え方は変わりませんが、僕と先代とでは専門性が違うので治療のスタンスには違いがあります。悪い歯を残しておくことで、口腔内全体の負担が時間の経過とともに重くなり、周りの歯を駄目にしてしまうこともあります。口腔外科が専門の見地から、その歯を残すことで将来的に起こり得るリスク、ほかの歯を駄目にしてしまう可能性があれば抜歯を勧めることもあります。将来的な口腔環境を見据えて、その方にとって一番良い方法をご提案することを大切にしています。家を建てるときはさら地にして杭を打ち基礎を作りますよね。お口の環境もそれと同じです。僕はさら地にするという重要な部分に10年以上携わってきたので、スムーズに歯を抜く技術には自信を持っています。患者さんには基礎づくりの重要性を丁寧にご説明し、ベースの部分を理解していただくように努めています。

ダメージの少ない可能な限り痛みを軽減した治療に注力

診療で心がけていることを教えてください。

原正浩院長 原歯科医院5

ダメージをいかに少なくするかを考え、可能な限り痛みを軽減した治療を心がけています。口腔外科を専門にしていると全身麻酔をする機会がありますが、麻酔で意識がない状態であっても、生身の患者さんを治療しているという意識を忘れず、患者さんにダメージの少ない丁寧な治療を提供したいと考えています。

先生はどのようなご趣味をお持ちですか?

子どもの頃からアニメが好きなので、院内にも好きな作品のポスターを飾っています。歯科医院でアニメのポスターを飾っているところは、あまりないかもしれないですね(笑)。ほかにはギターやテニス、映画鑑賞も好きですね。ギターは高校生の時に始めたので、もう30年以上になります。大学生の時には軽音楽部でバンドを組んで活動していましたし、卒業後もOBで集まってOB会ライブを開いたりしていました。新型コロナウイルスの影響で、ここ2年は休止していますが、錦糸町駅のすぐそばにあるライブハウスで毎年ライブを開催するのが楽しみです。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

原正浩院長 原歯科医院6

今後は、カメラを用いた口腔がん検診やインプラント治療にも力を入れていきたいと思います。口腔がん検診は大学病院で実施することが多いのですが、検体を採取するための材料を入手することができるので、当院で検体を採取し写真撮影をして大学病院へ送るというかたちで検査を実施することができます。患者さんにわざわざ大学病院へ行ってもらうという負担が軽減されますし、直接僕から詳しい情報を伝えることができるというメリットもあります。ただ、当院を再開してまだ2ヵ月なので、まずは、地域の方々に当院のことを知ってもらい、気軽に来院していただきたいですね。

Access