石井 雅子 院長の独自取材記事
くまもと森都心クリニック
(熊本市西区)
最終更新日:2026/08/05
熊本駅前のくまもと森都心タワーマンション1階にある「くまもと森都心クリニック」は、内科・泌尿器科・美容皮膚科を標榜するクリニックだ。女性の排尿トラブルを専門とし、一般内科にも対応。院内はとてもおしゃれな雰囲気で、患者が自然体で来院できる空間づくりにこだわっている。予約優先制を採用し、待ち時間にも配慮。優しい笑顔で迎えてくれた石井雅子院長は、「勇気を出して受診してくださった方に、来て良かったと思っていただける診療を届けたい」と語る。石井院長は産業医学の専門家でもあり、働く人々の体の不調の相談からメンタルヘルスのケアまで幅広いサポートもしているという。そんな石井院長に、診療への思いやクリニックの特徴について話を聞いた。
(取材日2026年7月8日)
女性の悩みに寄り添う診療をめざして
まずは医師を志したきっかけと、女性の排尿トラブルを専門に選ばれた理由を教えてください。

私は医師の家庭で育ったわけではありませんが、高校生の頃に医師をめざそうと決めました。当時は女性も仕事を持ち続けることが当たり前になり始めた時代で、出産や子育てで一度現場を離れても、資格があればまた仕事に戻れるという点に魅力を感じたんです。また、女性だからこそ女性の役に立てる仕事がしたいという思いもあり、当初は産婦人科や乳腺外科などを志望していました。ところが大学の臨床実習で、女性の排尿トラブルを診療する分野があることを知り、「こんな領域があるんだ」と衝撃を受けました。当時はまだ携わる医師も少なく、とても興味深い分野だと感じましたし、自分が力を注ぐ意義のある診療ではないかと思ったことが、この道へ進む大きなきっかけになりました。
研鑽を積まれる中で、先生の診療観に大きな影響を与えた経験は何でしたか?
大学卒業後は熊本で初期研修を行い、その後、県内の病院で泌尿器科の研鑽を積みました。さらに女性の排尿トラブルについて専門的に学びたいという思いから、千葉県の亀田総合病院へ学びに行き、5〜6年間診療に携わりました。私にとって、この時期が一番大きな転機だったと思います。女性の排尿トラブルは、多くは命に直結するものではありませんが、生活の質(QOL)に大きく関わります。そのため、診断や治療だけではなく、患者さんが何に困り、何を求めているのかを丁寧にくみ取る姿勢が何より大切だと学びました。それまで経験してきた急性期医療とは異なる価値観にふれ、患者さんとの向き合い方が大きく変わりました。2016年の熊本地震を機に地元へ戻り、この経験を地域医療に生かしたいという思いをさらに強くしました。
開業を決意された経緯と、この場所を選ばれた理由を教えてください。

再び地元の熊本へ戻ってから、複数の医療機関で外来診療を担当する中で、千葉で学んだような診療を自分の形で実践したいという思いが強くなりました。女性の排尿トラブルは、泌尿器科と婦人科の間にあるような領域でもあり、どこに相談すれば良いかわからず、長く悩んでいる方も少なくありません。そうした方が「ここなら話せそう」と思える場所を自分で準備したいと考え、開業を決めました。熊本駅前なので交通アクセスが良く、車で来院の方はくまもと森都心プラザの地下駐車場がご利用できます。患者さんは、市内だけでなく県内外など遠方から来られる方や、駅前という立地から外国人の方もよく来られます。女性の排尿トラブルに悩む方が診療圏に関係なく相談できる環境になっていると感じています。また、産業医学の知見を生かし、働き世代の方へ日常生活に寄り添った予防医療をご提供する上でも、お仕事の合間に通いやすいロケーションであると思います。
受診への一歩を後押しする工夫
クリニックの特徴や設備、院内づくりへのこだわりを教えてください。

当院では一般内科、泌尿器科、一部婦人科領域の診療に対応できる設備を整えています。特徴の一つは、超音波検査機器を2台備えていることです。腹部や体表、婦人科領域、泌尿器科領域まで幅広く観察でき、その場で状態を確認しながら診断につなげています。院内は従来の医療機関のような緊張感のある雰囲気ではなく、患者さんのライフスタイルに寄り添える空間をめざしました。予約優先制のため待ち時間も比較的少なく、落ち着いて相談できる環境です。また、美容皮膚科も標榜しており、「受診への心理的なハードルが低く、相談しやすい」と感じていただけるきっかけにもなっていると思います。受診後には少しでも気持ちが軽くなり、「来て良かった」と思っていただけるクリニックでありたいですね。
特に力を入れている診療や、どのような患者さんが来院されているか教えてください。
私の専門は泌尿器科ですので、女性の排尿トラブルで来院される患者さんが多くいらっしゃいます。具体的には、膀胱炎や頻尿、尿漏れのほか、GSMと呼ばれる主に閉経に伴う女性ホルモンの低下によって、外陰部や腟、排尿にさまざまな症状が現れる状態などのお悩みです。膀胱炎だと思って受診されても、実際には別の原因が見つかる可能性もあります。複数の医療機関を受診しても原因がわからず、長年悩まれて当院へ来られる方も多くいらっしゃいます。女性同士だからこそ話しやすく、診察も受けやすいと感じていただけることは大きいですね。一方で、男性やお子さんの診療、一般内科にも対応していますので、女性だけのクリニックではありません。どんなことでも気軽に相談していただける存在でありたいと考えています。
患者さんと向き合う上で、大切にされていることを教えてください。

当院を受診される患者さんは、長い間悩みを抱えていたり、どこへ相談すればよいかわからず勇気を出して来院されたりする方がほとんどです。だからこそ、「来て良かった」「ここなら安心して相談できそう」と感じていただける診療を何より大切にしています。疾患だけを見るのではなく、患者さんご自身を知るためのコミュニケーションを心がけ、一人ひとりのお話を丁寧に伺うようにしています。その上で、できるだけ受診したその日のうちに診断や治療方針をお伝えし、不安を少しでも軽くしてお帰りいただきたいと思っています。患者さんに寄り添う姿勢とスピーディーな診療、その両方を大切にしながら日々診療にあたっています。
受診して良かったと思えるクリニックへ
スタッフとの連携で質の高い診療をめざされているのですね。

女性の排尿トラブルは全国でも専門的に扱う医療機関がまだ少ないため、医療業界全体でこの分野の診療体制の整備や専門医の育成、啓発活動を進めています。毎朝のミーティングで患者さんの情報や治療方針を共有し、患者さんの生活の質の向上をめざして診療にあたれるよう心がけています。私自身も一人ひとりに寄り添った治療ができるよう努めています。限られた時間の中でもスムーズに診療を進められるのは、スタッフ全員が患者さんを支えるという意識を持ってくれているからだと思います。
医師になって良かったことや、休日の過ごし方について教えてください。
医師になって良かったと感じるのは、自分がめざす医療を形にしながら、患者さんに「ありがとうございます」「来て良かったです」と言っていただけることです。女性の排尿トラブルは生活の質に大きく関わるため、患者さんの期待も大きく、その分責任も感じますが、うれしい言葉をいただく度にやりがいを実感しています。休日は小学生の双子の男の子と過ごす時間を大切にしていて、家族で温泉やドライブに出かけることが多いですね。植物を育てることも好きで、自宅では南国系の植物やアガベ、オリーブなどを育てています。自然に触れたり家族とゆっくり過ごしたりする時間が、日々の診療への活力になっています。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

開業して5年がたち、多くの患者さんにホームページやクチコミを通じて当院を知っていただき、本当に感謝しています。泌尿器に関するお悩みはもちろん、内科のことや健康面で少し気になることなど、どんなことでも気軽に相談できるクリニックでありたいと思っています。受診を迷われている方の中には、長く悩みを抱えている方も少なくありません。「ここなら相談できそう」「受診して良かった」と思っていただけることが、私にとって何よりうれしいことです。これからも患者さん一人ひとりに丁寧に向き合い、安心して通っていただけるクリニックをめざしていきたいと思っています。

