専門家による適切な診断が重要
肩や腰の痛みの治療
芦花公園整形外科
(世田谷区/芦花公園駅)
最終更新日:2022/05/09


- 保険診療
長く続くコロナ禍におけるリモートワークの影響で通勤や出歩くことが少なくなった昨今。それによる運動不足から、肩凝りや痛み、五十肩、腰痛などに悩んでいる人が増えているようだ。その状況に対し、「凝りや痛みなどの症状は一見同じようでも、その原因となる病気はさまざまなことから、医師の診断を受けて正確な治療をすることが重要です」と話すのが、「芦花公園整形外科」の南野光彦院長だ。日本整形外科学会整形外科専門医でもある南野院長は、これまで大学病院や基幹病院などで、幅広い整形外科疾患の診断や治療に携わってきており、同院でもその豊富な知識や経験を生かし、肩や腰の痛みに悩む患者の症状の解決をめざしているという。そこで、同院で取り組む肩や腰の痛みの治療について、南野院長に詳しく話を聞いた。
(取材日2022年4月12日)
目次
症状は一見同じようでも原因はさまざまな肩や腰の凝りや痛み。正確に診断してから治療をすることが大切
- Q肩の凝りや痛みは、どのように治療するのですか?
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A
▲肩の凝りや痛みは頸椎や肩関節が原因となっていることがほとんど
肩の凝りや痛みは、頸椎からくるものと肩関節からくるものの両方が考えられます。一般的には頸椎からくることが多く、病名としては頸椎椎間板ヘルニアや変形性頸椎症、頸椎症性神経根症、加齢で起こる頸椎症性脊髄症、比較的若い人に多い寝違い、交通事故などによる頸椎捻挫(むち打ち)など。治療は、いつ頃から、どんな時に痛いのか、生活習慣などを問診で詳しく聞いた上で、患部の硬さなどの触診や動き具合、そして神経の症状があるかの所見を診ます。加えて、エックス線撮影で骨などに異常がないかを確認し、痛み止めの内服薬や外用薬、ブロック注射、装具装着、運動療法や物理療法などのリハビリテーションによって痛みの緩和をめざします。
- Q四十肩や五十肩に悩んでいる人も多いようです。
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A
▲痛みの場所や動きの制限の度合いなどの診察をしっかりと行う
40〜50代以降に肩関節の老化が原因で、関節周囲が固くなり炎症が生じるのが四十肩や五十肩。正確には肩関節周囲炎と言い、その中には肩腱板断裂、変形性肩関節症、石灰沈着性腱板炎などが含まれます。そのため、まずは診断を正確に行うことが重要です。診断は、関節の痛みの場所や動きの制限の度合いなどを診察し、エックス線撮影、そしてCTやMRI、超音波検査などを行うこともあります。治療は内服薬や外用薬、注射薬で痛みの軽減を図り、時期を見ながら温熱療法、関節可動域訓練、筋力訓練、ストレッチなどのリハビリテーションを行います。肩関節周囲炎を放置すると悪化し、関節が固まってしまうことがあるので注意が必要です。
- Q腰痛の治療についても教えてください。
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A
▲理学療法士による筋力回復のためのトレーニングも必要となる
腰痛の原因には、変形性腰椎症、腰椎椎間板ヘルニアや、歩ける距離がだんだんと短くなってしまう腰部脊柱管狭窄症、骨粗しょう症により骨が脆くなり、大きな衝撃もないのに骨折をしてしまう、いわゆる「いつのまにか骨折」を含む腰椎圧迫骨折、腰椎すべり症、腰椎分離症、ぎっくり腰とも呼ばれる急性腰痛症、坐骨神経痛、化膿性脊椎炎、腰椎の腫瘍などが考えられます。診断は、神経症状の診察とエックス線撮影、必要に応じてMRIやCTの検査を行うことも。治療は、日常生活で腰への負担を軽くするなどの安静、コルセット装着、内服薬、外用薬、ブロック注射、温熱療法、けん引療法とストレッチ、筋力回復のためのトレーニングなどを行います。
- Qリハビリテーションでは、どのようなことをするのですか?
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A
▲患者に合わせたトレーニングや訓練、アドバイスなどをする同院
当院では、私が運動器リハビリテーションも専門としていることに加え、リハビリテーションを専門とするスタッフである理学療法士が在籍しており、綿密に連携しながら痛みの改善と機能回復のためのリハビリテーションを提供することをめざしています。リハビリテーションの内容は、患者さんの個別の症状に応じた筋力強化トレーニングや関節可動域の改善のためのストレッチ、バランス感覚の訓練、自宅で行うトレーニングの個人指導やアドバイスなどの運動療法に力を入れています。また、けん引装置や低周波治療器、マイクロ波治療器も導入しており、それらの専用医療機器を用いて痛みの緩和を図る物理療法も行っています。
- Qほかに、こちらのクリニックの特徴はありますか?
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A
▲幅広い整形外科の疾患に対応している
私は、日本整形外科学会整形外科専門医として、これまで大学病院や総合病院、クリニックなどで、さまざまな整形外科の病気や外傷の治療、リハビリテーションに携わってきました。当院でも、それらの経験を生かし幅広い疾患に対し適切な治療ができること。また、一般的な整形外科クリニックでは、電気治療や温熱療法だけというところもあるようですが、当院では常勤の理学療法士が、一人ひとりに適したリハビリテーションプログラムを作成し、自宅でも続けられるよう指導しています。さらに、運動療法では実際に患部に手を当てて、コミュニケーションもとっていますので、患者さんの不安の軽減にもつながるのではないかと考えています。