スムーズな病診連携体制を追求
クリニックにおける急性期の診療
上野御徒町こころみクリニック 内科・血液内科・糖尿病内科
(台東区/上野駅)
最終更新日:2024/10/15


- 保険診療
発熱に特化した外来から糖尿病内科、さらには血液内科の診療にまで対応する「上野御徒町こころみクリニック 内科・血液内科・糖尿病内科」。専門性を持つ医師が在籍する同院で、かじを取る大澤亮太理事長は、「クリニックの一次診療の役割は、予防、早期発見、速やかな病診連携だと考えます」と話す。同院には、大学病院や基幹病院でも診療を行うドクターが集結。このような診療体制を生かし、治療のみならず、専門の医療機関への速やかな橋渡しという面からも、周辺エリアの健康を担うことをめざす。大学病院との病診連携もスムーズに行える環境を構築している同院。急な発熱から、生活習慣病、血液疾患、甲状腺・内分泌分野まで幅広く行っている診療の中でも、今回の取材では急性期の診療にスポットを当てて解説してもらった。
(取材日2024年10月1日)
目次
一般的な疾患から専門性の高い疾患まで、診断力と病診連携を重視した急性期診療
- Q複数の医師が在籍している理由とメリットをお聞かせください。
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A
▲複数の医師が連携し、質の高い医療の実現をめざしている
当院に在籍している医師は、日頃大学病院などで、クリニックからの紹介状を持って来られる患者さんを多く診ている医師ばかりですから、重篤な病気への気づきにも長けていると自負しています。診療科は大きく分けて、「血液内科」「内科」「糖尿病・内分泌・代謝内科」。消化器分野の専門家にも来ていただいているので、さらなる院内連携が可能です。このように、一般的な疾患から専門性の高い疾患までシームレスな診療が可能であること、そして大学病院と同等レベルの診療を追求している点が患者さんにとっての大きなメリットだといえるでしょう。特に、クリニックで血液分野のスペシャリストが診ていることはそう多くないと思います。
- Q血液内科診療の特徴について詳しく教えていただけますか。
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A
▲血液内科は感染症にも精通しており、幅広い診療に努めている
複数ある診療科の中でも、当院では血液内科を中心に診療を行っています。血液の病気は免疫機能に深く関わるため、ほかのさまざまな病気に感染しやすいのが特徴。そのような背景から、血液を専門とする医師は感染症の対応も得意としており、全身管理にも慣れています。急な発熱といっても、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、ノロウイルス感染症といったウイルス性のものから、真菌や細菌を原因とするものまで、実にさまざまです。そういった感染症の知識も備えている上、他の診療科領域の知見も深めているので、あまり知られていませんが、血液を専門としている医師は多方向から全身を診ていくのが特徴です。
- Q血液疾患は大きな病院の受診が必要という印象があります。
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A
▲血液疾患を持っていてもクリニックでも診療ができる体制を整備
たしかに急性白血病をはじめとする血液疾患は、基本的には大きな病院で診ます。しかも、半日以上かけて検査することも多いため、順番待ちの患者さんも。そんな中、クリニックで管理していくことができれば、患者さんと病院、双方の負担が少なくなるのでは、それが開院を考えた原点でした。いろんな医師が協力し合えば体制をつくれると考えましたし、血液の専門家は全身管理も得意ですから、超高齢社会で強く求められる病院完結型医療から地域完結型医療へのシフトにも貢献できるのではないかと思いました。なおかつ当院の医師は、基幹病院での当直時に救急対応も行ており、急性期疾患への対応力もあります。先生方皆さん、とても心強い存在です。
- Qこちらでは発熱に特化した外来診療にも対応されていますね。
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A
▲即日に検査結果が機器も導入し、迅速な対応にも尽力
診療では、まず発熱している原因について調べます。その時に、咳が出ている、喉が痛い、鼻水が出ているなどの上気道炎症状が明らかな場合は、新型コロナウイルスやインフルエンザの感染を考えていきますので、迅速に行える抗原検査やPCR検査を実施。陰性だった場合も、血液検査を行い炎症に関する数値を見て、重症度の判断をします。急を要する場合は速やかに対応可能な病院へおつなぎすることが可能。診療については、時間診療予約と当日の順番待ちのどちらにも対応していますが、滞在時間を短くするために、スマートフォンから行える事前問診をお願しております。また、検査結果がウェブで確認できるサービスもご利用いただけます。
- Q内科診療についてはいかがでしょう。
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A
▲血液内科を担当する由井先生とともにチームで診療にあたっている
風邪症状はもちろん、生活習慣病管理を目的に来院する方や、健康診査での数値が気になるからと来院される方、そして家族からいびきを指摘されて睡眠時無呼吸症候群を疑って来院されるケースもあります。そのほか、インフルエンザなどのワクチンにも対応。内科に関する急性症状というと、風邪症状、咽頭炎、扁桃炎、腹痛、下痢などが挙げられますが、夏は熱中症も多いですので段階に応じて迅速な対応を実施。一般的だと思いがちな症状の中にも、急を要するものが潜んでいることがありますが、急性期病院で救急対応も行っている先生方が在籍しているので、ここで処置を行うか、大学病院へつなげるべきか、速やかに判断します。