痕を残さないために早めの治療を
保険適用のニキビ治療
王子公園 まつむら皮フ科
(神戸市灘区/王子公園駅)
最終更新日:2024/08/08


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毛穴に皮脂が詰まることが発端でできるニキビ。尋常性ざ瘡と呼ばれる皮膚疾患の一つで、皮脂の分泌が多くなる12歳前後から成人するまでの間にできる思春期ニキビに加え、最近では成人後にホルモンバランスの変化などが原因でできる、いわゆる大人ニキビに悩む人も多いという。市販のニキビ治療薬もたくさん出ているため、まずはセルフケアで対処しようと考えがちだが、「王子公園 まつむら皮フ科」の松村泰宏院長によると、間違ったケアでかぶれを併発したり、悪化したりする場合もあるのだとか。「自己判断でケアをし続けると炎症が長引き、ニキビ痕が残ることも。皮膚科なら保険診療内でニキビの根本原因に働きかける治療を提供できます」と話す松村院長に、ニキビ治療について教えてもらった。
(取材日2024年6月26日)
目次
思春期ニキビから大人ニキビは早めの治療でニキビ痕が残るリスクの低減につなげよう
- Qなかなか治らないニキビを皮膚科に相談するメリットは?
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A
▲若い世代から大人まで、ニキビの相談は多いと語る院長
医学的根拠のある治療を提供できる点ですね。ニキビとは皮脂が毛穴に詰まってコメドができ、そこにアクネ菌が増えて、赤く腫れてしまった状態。改善のためには毛穴の詰まりを解消する必要があります。皮膚科で処方する塗り薬には古い角質をはがすピーリング作用が期待でき、毛穴の詰まりに働きかけてくれるものもあります。一方、市販のニキビ治療薬で同じ作用が望めるものは少なく、ニキビを治しきれるものは多くありません。肌に合わない市販薬でかぶれを併発したり、間違ったセルフケアで症状を悪化させている方も。誤ったケアを続けると炎症が長引き、ニキビ痕が残る可能性が高まってしまうため、早めに皮膚科へ受診することをお勧めします。
- Qニキビの治療法を教えてください。
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A
▲ニキビの治療薬の塗り方や肌のケアについて看護師の指導も行う
現在主流なのは、コメド治療薬と呼ばれる塗り薬です。そのほかに古典的な治療薬として硫黄が含まれるローションを使用することもありますし、炎症が強い時期であれば、抗生剤の塗り薬・飲み薬などを併用します。当院では便秘や月経不順などのニキビの原因となり得る症状に合わせて漢方薬を処方することもあります。ニキビに関連する月経不順や便秘に働きかけるもの、たまった膿を出しやすくする目的のものなど、漢方薬には多様な種類があるので、症状に合わせてお出しします。ニキビ治療は時間がかかりますが、関連する症状や生活習慣を聞きながら、薬剤治療に加えて生活指導なども行っています。
- Qニキビ治療は保険が適用されるのでしょうか?
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A
▲視診を中心にニキビの種類を診断
先ほど紹介した塗り薬・飲み薬は保険診療です。保険診療内で済む場合が多いですが、中には保険診療だけでは治療がうまくいかないケースも。その場合はケミカルピーリングなどの自由診療を提案することもあります。ケミカルピーリングは古い角質や皮脂を除去する目的のケアの一つで、薬剤の力で皮膚の表層を剝がれやすくして、肌のターンオーバーを促進することで肌をきれいにすることをめざします。へこみや色素沈着などのニキビ痕のケアには、自由診療のレーザーを、ニキビ後の色素沈着にはビタミンCの飲み薬などをご提案しています。
- Q診断から治療までの流れを教えてください。
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A
▲患者一人ひとりに合わせた薬や治療法を提案
ニキビには見た目が似た疾患もあるので、まず視診を中心にニキビかどうかの診断をし、ニキビと診断できたら、年齢や症状に応じて、治療を選択していきます。コメド治療薬は基本的には12歳以上でないと使えませんので、12歳未満のお子さんであれば、硫黄の塗り薬で対応したり、炎症を伴うニキビができた時だけ抗生剤の塗り薬を塗るなどして治療していきます。最初は2~3週間に1回、その後は1ヵ月に1回くらいのペースで状態を診ていきます。ニキビには普段の生活も大きく関係してきます。顔をベタベタ触らない、食べ物はベジタブルファーストなど、生活で守ってほしいことを書いた「ニキビのお約束」をお渡しするなどの生活指導もします。
- Qこちらで受けられるニキビ治療の特徴は?
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A
▲ニキビ痕にはレーザーによるケアを行うことも
患者さんの話をしっかりと聞き、生活に寄り添った指導と提案をすることです。例えば、ニキビには化粧をしないほうが良いのですが、働く世代はそうもいかないことが多いと思うので、ニキビを起こしにくいように作られたノンコメドジェニック化粧品を提案するなどしています。治療中は一時的に悪化することもあります。その際もきちんと自分の肌と向き合うことで「そういう時期もあること」を理解してもらい、不安になることなくニキビと付き合えるよう心がけています。また、塗り薬については、診察の都度、看護師が目安量や塗り方を指導しています。今後スタッフを増員し、看護師がより細かく話を聞いて指導できる体制を整えたいと考えています。
自由診療費用の目安
自由診療とはケミカルピーリング/6270円~、CO2フラクショナルレーザー/1万5675円~、ビタミンC飲み薬/1650円~