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女性医師による漢方処方
体全体を診て心や体の不調にアプローチ

りくさと健康クリニック

(大阪市中央区/松屋町駅)

最終更新日:2022/04/13

りくさと健康クリニック 女性医師による漢方処方 体全体を診て心や体の不調にアプローチ りくさと健康クリニック 女性医師による漢方処方 体全体を診て心や体の不調にアプローチ
  • 保険診療

仕事に家事に育児にと、現代人の生活は忙しい。ストレス社会の中、疲れた心や体を休める時間さえ十分に取れず、眠れない、食欲がない、気持ちが沈みがちといった病名のつかない症状に悩まされる人も少なくない。そのような人たちに対し、対症療法ではなく東洋医学の視点から体全体を診ていく診療を提供しているのが、「りくさと健康クリニック」の陸馨仙(りく・けいせん)院長だ。陸院長は患者のことを「クライアント」と呼び、「なぜ不調が生じるのか。その問題を突き止め、根本からアプローチするのが漢方なのです」と語る。患者の状態を見極め、一人ひとりに合った漢方薬を処方することで体や心の不調の回復をめざす陸院長に、東洋医学と西洋医学との違いや、漢方薬の特徴について詳しく解説してもらった。

(取材日2022年4月4日)

人間の体を全体的に捉え、根本原因にアプローチする東洋医学。一人ひとりに合った処方で心と体を整えていく

Q西洋医学と東洋医学の診療には、どのような違いがありますか?
A
りくさと健康クリニック 西洋医学と東洋医学の違いを話す陸院長

▲西洋医学と東洋医学の違いを話す陸院長

西洋医学の場合、まず医師は診断をつけてから、どの薬を使用するかを考えます。一方、東洋医学では最初にクライアントの証(しょう)を取り、症状を診ながら漢方薬を処方します。証とは、体質や体力、体の抵抗力など、クライアント一人ひとりの状態を表したものです。例えば、冷えがあるのか、ほてりがあり暑いと感じているのか、体力があり病気に対する抵抗力がある状態なのか、虚弱なのか、などに留意します。体の不調を一つの方向から診るのではなく、体全体の状態を診ることが「証を取る」ということです。漢方では証に合った薬を処方します。病名が違っても、証が同じであれば同じ漢方薬を処方することもあります。

Q治療に漢方薬を用いることの良さとは?
A
りくさと健康クリニック さまざまな症状に対応するためによく話を聞いている

▲さまざまな症状に対応するためによく話を聞いている

西洋医学では精神科領域で使用する薬はだいたい決まっており、例えば頭が痛ければ、その痛みを抑えるための薬を処方します。作用するのは頭の痛みのみで、周辺症状に作用が及ぶことはあまりありません。一方東洋医学では、痛みがなぜ起きるのかを考えます。頭痛の場合、原因が胃の冷えにあることもあり、そういったクライアントのおなかは実際に触れると冷たかったりします。そこで、おなかの冷えにアプローチする漢方の処方を考えます。また、西洋薬は強い眠気などの副作用が出ることも多く、特に高齢者には処方できない場合もあります。クライアントのADL(日常生活動作)を下げないためにも漢方薬の使用は有用だと考えています。

Q心療内科ではどのような症状に対し漢方薬を処方するのですか?
A
りくさと健康クリニック 同院には幅広い年代の人が来院している

▲同院には幅広い年代の人が来院している

当院には男女ともに幅広い年代の方が来られます。10代の方は不登校やうつ病、20~40代は女性が多く、生理周期や出産前後の気分の変動、更年期に関する不調が目立ちますね。働き盛りでもある年代なので、仕事、家庭、子育てのバランスの取り方に悩む方も多いです。50~60代は、いろいろなクリニックで対症療法的な薬は処方されたけれどスッキリしない、という方が多くいらっしゃいます。睡眠が十分に取れない、更年期障害の症状が続いているなどもよくある訴えです。70代以上になると認知機能の問題もあり、ご家族が相談に来られることも。不眠や食欲の減少が続くという方にも、体の状態を総合的に判断した上で漢方薬を処方します。

Q漢方薬に副作用はありますか?
A
りくさと健康クリニック 患者がリラックスして受診できるように工夫がされている院内

▲患者がリラックスして受診できるように工夫がされている院内

西洋薬と同様、漢方薬にも副作用があります。どのような副作用が出るかはあらかじめわかっていますが、程度には個人差があり、服用してみなければわかりません。ですから、最初は少量から始め、胃に負担がかかる漢方薬の場合はお湯に溶かして回数に分けて服用する、高齢者にはとろみをつけて服用するなど、なるべく副作用を起こさない飲み方も指導しています。女性のクライアントの場合「できれば西洋薬に頼らず、漢方薬だけでコントロールしたい」とおっしゃる方が多いのですがこれは漢方薬には副作用が少ないというイメージがあるからかもしれません。しかし漢方薬も副作用の可能性はありますから、事前にきちんとお伝えするようにしています。

Q漢方薬を生かすためには、生活を整えることも大切だとか。
A
りくさと健康クリニック 心配なことがあれば気軽に受診をしてほしいと陸院長は話す

▲心配なことがあれば気軽に受診をしてほしいと陸院長は話す

はい、そのとおりです。漢方薬とは道具のようなもの。薬自体に栄養があって体が作られるわけではありません。材料がなければ調理ができないのと同じで、漢方薬だけで回復につなげることは難しいです。水分と栄養を体に補給して初めて漢方薬の威力も発揮されます。クライアントにはそういった説明と併せて、生活面の指導も行っています。東洋医学では体を支える3つの要素、「気・血・水」が充実していることが健康とされますが、舌の色や形、舌苔の状態を診ると、おおよその体内の気・血・水の状態がわかります。生活を整えることで気・血・水の足りない部分を補い、漢方薬の力を最大限に発揮できるよう、クライアントを多面的にサポートします。

ドクターからのメッセージ

陸 馨仙院長

診察していると、無理をなさって、気づかないうちに心身ともに疲れてしまっている方が大勢いらっしゃるように感じます。そういう方には休養を取ることや、漢方を試してみることをぜひお勧めしたいです。また、心や体の不調や不安は、誰かに話を聞いてもらうだけでも気持ちが楽になるかもしれません。些細に思われるようなことでも構いませんので、クリニックに来てお話をお聞かせください。日々クライアントに向き合い、できるだけクライアントの負担にならない方法を私も模索しています。世の中にはさまざまな治療法があり、自分に合うものを探しておられる方も多いことでしょう。漢方もその選択肢の一つにしていただければうれしく思います。

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