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長友 恭平 院長の独自取材記事

よつば加納クリニック

(宮崎市/加納駅)

最終更新日:2022/03/11

長友恭平院長 よつば加納クリニック main

JR日豊線加納駅から徒歩9分、団地や商業施設の近くに位置する「よつば加納クリニック」は、心療内科・精神科のクリニックだ。院長の長友恭平先生は2012年に宮崎大学医学部を卒業後、宮崎県内で初期臨床研修を行い、古賀総合病院や如月会若草病院の精神科で経験を積んできた。また麻酔科の医師としても経験を積み、精神科電気けいれん療法などの治療にも従事。これまでの経験を踏まえ、2022年3月1日に開業する。同院では、より多くの人に気軽に受診してもらえるよう、精神疾患だけでなく内科疾患の診療にも力を入れていくという。今回は、長友院長に開業に至るまでの経緯や力を入れている治療、今後の展望などについて話を聞いた。

(取材日2022年2月17日)

公共交通機関でも通いやすいクリニックをめざして

この地に開業した理由について教えてください。

長友恭平院長 よつば加納クリニック1

もともと私は「開業するなら電車やバスなど公共交通機関でのアクセスが良い場所にしたい」と考えていました。宮崎県は車社会なので、このように話すと驚かれることもありますが、精神疾患のある患者さんの中には車を運転されない方も多いんです。また、現在宮崎県にある心療内科や精神科のクリニックがほとんど中心市街地に集中してしまっているので、「市街地にはなかなか行けない」という方にも通っていただきやすい場所で開業したいという思いもありました。この地は公共交通機関のアクセスも良く、近隣に商業施設も多いんです。また、大学病院まで行くバスの通り道でもあるので、多くの方が受診いただくのに便利ではないかと思っています。

とても温かみのある雰囲気が特徴的ですが工夫したことはなんですか。

クリニックの色合いは、青を基調にして心が落ち着くような雰囲気をめざしました。また、待合室は壁に向かうように椅子を配置し、それぞれの椅子の間にパーティションを置いています。これには感染症対策的な意味合いだけでなく、他人の目線が気になってしまう方や、周囲に気を使いすぎてしまう方など、精神疾患特有のお悩みを抱える患者さんへの配慮の意味合いもあります。もちろん、できるだけ待ち時間を少なくしたいとは考えていますが、待合室には無線LANもご用意していますので、スマートフォンなどを見ながら過ごしていただきたいですね。

どんな患者さんがお越しになるとお考えですか。

長友恭平院長 よつば加納クリニック2

心療内科や精神科のクリニックの特徴として、周辺の住民の方よりも、少し離れたところにお住まいの方が多く受診される傾向があります。これは、患者さんの中には「心療内科・精神科に通っていることを近所の人に知られたくない」と考える方もいらっしゃるからです。そのため、当面は遠方からいらっしゃる患者さんが多いのではないかと思います。また、私が力を入れる診療の一つにアルコール依存症に対する治療があるため、今後はアルコール依存症の患者さんが他院からの紹介でいらっしゃるケースが増えるかもしれません。私自身が3年ほど前から肝臓疾患の治療で知られる「宮崎医療センター病院」とも連携して、勤務医時代からアルコール依存症の患者さんを多く受け入れてきたことも理由です。

精神疾患だけでなく内科疾患の診療にも従事

こちらでは内科の診療も行うと伺いました。

長友恭平院長 よつば加納クリニック3

はい。当院は心療内科と精神科のみ標榜していますが、風邪や感染症、生活習慣病などの一般的な内科疾患の診療も積極的に行っていく予定です。ですので、患者さんには一見、心療内科や精神科に関係のなさそうな症状であっても、気軽に受診していただきたいですね。もともと私自身、研修医時代や精神科の医師となった後も、内科の診療を行う経験は度々ありました。また精神疾患の中には、内科疾患との鑑別が必要になるものも少なくありません。そのため病気をしっかり鑑別し、必要な場合にはより専門的な医療機関へ紹介できるよう、内科的な検査機器も一通りそろえています。内科的な相談を伺いながら「実は最近眠れない」といったような精神的な相談にも乗れるクリニックにしたいと思っています。

診療で大切にしていることについて教えてください。

特に大切にしていることは、根拠に基づいた診療をすることですね。精神疾患は、検査数値などから診断する技術が今のところ乏しく、患者さんやご家族の発言などを頼りに診断することが一般的です。そのため、診断や治療がどうしても感覚的になりがちな分野といえます。私は検査をしっかり行い、ガイドラインに沿った治療を行うなど、根拠に基づいた診療を心がけています。また治療については薬物療法やカウンセリング、認知行動療法など、患者さん一人ひとりに合ったものを提案するようにしています。精神疾患の患者さんの中には「薬を飲むのは嫌だ」とおっしゃる方もいるのですが、投薬が必要と判断した患者さんに対しては、できる限り丁寧に説明をして、患者さんと相談しながら治療方針を決めています。治療を無理に勧めることはしませんが、患者さんには食わず嫌いせずに治療を受けてくれたらうれしいなと思っています。

治療の特色の一つであるアルコール依存症の治療について教えてください。

長友恭平院長 よつば加納クリニック4

当院では、アルコール依存症に対して、集団認知行動療法として「断酒プログラム」を行うほか、減酒指導、アルコール依存症患者さんのご家族に対する「家族プログラム」などの専門的な対応を行う予定です。私自身、勤務医時代から久里浜医療センターの認知行動療法に関する勉強会に参加するなど、アルコール関連の問題に特化した勉強をしてきました。実は、勉強を始める前はアルコール依存症の治療に苦手意識があったのですが、実際に勉強会に参加してみた結果、アルコール依存症に対して抱いていたイメージが大きく変わり、積極的に診療を行うようになりました。すでに診断されている方はもちろんですが、ついお酒を飲みすぎてしまう方、家族がアルコール依存症でお悩みの方など、さまざまなお悩みを持つ方にぜひご相談いただきたいですね。

気軽に受診できるクリニックでありたい

訪問診療にも対応すると聞きました。

長友恭平院長 よつば加納クリニック5

はい。当院では、1人でクリニックに通うことが困難な方に対し、精神科訪問診療を行います。精神疾患の患者さんの中には、病気が原因で外出ができない方もいます。このような患者さんの場合、訪問診療によって適切な治療を届けることが大切です。また現在は高齢化に伴い、認知症の患者さんも増加傾向にあります。高齢の患者さんは1人での通院が困難な場合が多いため、そのような患者さんにもご利用いただきたいですね。当院の訪問診療は24時間体制ではなく、受診できる時間帯が限られますが、「精神科を受診したいけど、クリニックに足を運べない」という方はまずお電話でご相談いただければと思います。

今後の展望についてお聞かせください。

クリニックの目標としては、気軽に来られるクリニックをめざしていきたいと思っています。前述のとおり、現状で患者さんの中には「心療内科や精神科を受診していることを周囲の人に知られたくない」と考える方も少なくありません。しかし脳も臓器の一つですから、肝臓や胃が悪くなるように、脳が悪くなって治療が必要となることもあります。私は心療内科や精神科を受診することを恥じる必要のない世の中になることを願っています。将来的には、近所の方にも気軽に来ていただけるようなクリニックにしたいですね。そのためにも、内科的な診療を行うほか、気軽に受診いただけるような雰囲気づくりを大切にしていきます。

最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

長友恭平院長 よつば加納クリニック6

精神疾患の中には、早期に医療が介入することによって早期回復が見込めるものもあります。そのため、少しでも困ったことがあればお早めにご相談いただきたいです。中には「これくらいの不調は病気じゃないかも」と考えて、心療内科・精神科の受診を先延ばしにする方もいますが、私は結果として病気ではなかったとしても「病気ではなかった」ということがわかるだけで安心する部分があるのではないかと思っています。当院は「気軽に来られるクリニック」をめざしていますので、あまり身構えすぎず、気楽にご相談いただけるとうれしいです。

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