透明なマウスピース型装置を用いた
歯列矯正のポイントを徹底解説
いのうえ歯科・矯正歯科
(大阪市住吉区/我孫子町駅)
最終更新日:2022/06/06


- 自由診療
表情をがらりと変えたい、しっかり噛みたい、虫歯や歯周病の予防につなげたいと、歯科矯正のニーズがますます高まりつつある近年。中でも先進的なデジタル技術を生かした、透明なマウスピース型装置を用いた矯正に人々の関心が集まっている。「当院では従来のワイヤー矯正も行いますが、基本的にはマウスピース型装置を用いた矯正を積極的にお勧めするようにしています」と話すのは「いのうえ歯科・矯正歯科」の井上元司院長。その理由のもととなるメリットを中心に、診療の流れや気になるポイント、同院ならではの矯正の特徴を詳しく追ってみた。
(取材日2022年3月28日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qマウスピース型装置を用いた矯正のメリットを教えてください。
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A
まずは装置が透明なことで外から目立ちにくく、取り外しが簡単、ワイヤーのような締めつけ感が少ないなど、無理なくチャレンジできることが挙げられます。矯正の目的は審美性と機能性の両立にありますが、日常生活への負担を極力抑えつつ行えるのは大きなメリットです。もう一つ大切なのは、先進のデジタル技術を駆使した予測性の高いシミュレーションによって、計画どおりに矯正を進めていけることです。従来のワイヤー矯正とマウスピース型装置を用いた矯正にはそれぞれに特徴があり、「マウスピース型装置は簡易的」という考え方は今や完全に的外れと考えます。当院でも総合的に判断し、マウスピース装置による矯正を積極的に推奨しています。
- Qどのような人に向いているのでしょうか?
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A
かつては接客業など、人前に出ることの多い職業の方からのニーズが高かったのですが、矯正に対する理解が定着した今は、不正咬合のあるような方はもちろん、口元の印象を良くしたいという若い女性から中高年男性まで、美しく健康な歯並びを求めるすべての人に向いている方法といえるでしょう。小児に関しても、上下6本の永久歯が生えそろえば矯正が可能で、マウスピース型装置を装着して小学校へ通っているお子さんも今は増えているようです。ご高齢の患者さんの場合は歯周病リスクとの兼ね合いがありますが、歯の動かし方を工夫することによって60〜70代になってから矯正にチャレンジすることも十分に可能です。
- Q矯正にかかる期間や費用が気になります。
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A
マウスピース型装置を用いた矯正では、数日ごとに新しい装置に交換しながらじわじわと歯を動かしていきます。一人ひとりの患者さんによってその程度は異なり、期間や費用もそれぞれ異なります。期間に関しては、奥歯までしっかり動かすのであれば1年半〜2年半が目安で、前歯を整える目的であれば半年程度で終わるケースもあります。また、矯正終了後も後戻りを防ぐため、専用のマウスピース型器具を装着する保定と呼ばれる期間が必要です。費用に関しては当院の場合、本格的なフルケース、部分矯正などのイージーケースでそれぞれ価格が異なり、ワイヤーの併用や歯科用アンカースクリューを用いた矯正が必要な場合は別途ご相談となります。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1カウンセリングと事前検査
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矯正を検討している場合は、まずは自分の口に関する悩みや希望を伝えることからスタート。矯正に関する疑問があれば、ここでしっかり確認しておこう。マウスピース型装置を用いた矯正のメリットや注意点、期間や費用などの説明に加え、虫歯のチェックやパノラマ撮影、口腔内スキャナーによる事前検査もその場で可能。話の結果を持ち帰り、じっくりと検討することができる。
- 2デジタル機器による精密なシミュレーション
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矯正が決まれば、矯正計画のプランニングと装置の作製ために、より詳しい検査やデータ採取を実施。歯科用CTや頭部エックス線撮影装置、口腔内スキャナーといった先進機器を駆使し、3次元的な完成形のイメージを導くことが重要だという。こうして採ったデータと歯科医師の設計をもとに、1〜2週間程度でシミュレーションが完成。特に問題がなければ患者の納得の上、矯正に使用する透明なマウスピース型装置の製作工程に入る。
- 3装置が到着し、いよいよ矯正がスタート
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2週間〜1ヵ月ほどで装置が完成するので、実際に装着を体験。あとは1日20時間以上という装着時間を厳守し、4〜7日ごとに自分で装置を交換しながら歯を動かしていく。脱着のこつは説明動画や歯科衛生士の指導からしっかりと学んでおこう。装置の清掃には中性洗剤などを使用し、熱湯や歯磨きペーストは変形や傷の原因になるのでNG。注意点をしっかり守って自己管理していくことが計画とおりに矯正を進めるための鍵となる。
- 4矯正期間中は定期検診で進行状態をチェック
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矯正期間中は1〜3ヵ月に1回のペースで歯科を受診し、問題なく進んでいるかどうかのチェックを受ける。マウスピース型装置を用いた矯正は、経過を診ながら何度か再スキャンを行い、新たな装置を製作して継続していくのが前提。当初の予測とは違う動きがあったとしても、ゴールは同じなので心配する必要はない。また、矯正から虫歯治療、定期検診まで一貫して任せられる歯科医院を選んでおくと安心だろう。
- 5矯正終了後は後戻りの防止のために保定装置を装着
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矯正が完了した後は、歯並びが後戻りするのを防ぐために保定装置(リテーナー)と呼ばれる薄いマウスピース型器具を装着。最初は1日20時間以上からスタートし、一定期間の後は就寝時だけ装着するなど、様子を見ながら徐々に間隔をあけていく。保定期間は患者によって異なるが、矯正にかかった期間と同程度となるケースが多いという。ここでも大切なのは自己管理。歯科医師の指導や助言をしっかりと守りたい。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正/フルケース77万円~、部分矯正(イージーケース)/上下片側33万円〜、ワイヤー矯正/片顎55万円~、マウスピース型装置を用いた小児矯正44万円~、歯科用アンカースクリューを用いた矯正/1ヵ所:3万3000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。