原川 良介 院長の独自取材記事
はらかわ歯科たまプラーザ
(横浜市青葉区／たまプラーザ駅)
最終更新日：2025/11/06
東急田園都市線・たまプラーザ駅から徒歩4分の場所にある「はらかわ歯科たまプラーザ」。待合室には原川良介院長が作った本格的な鉄道模型が飾られており、実に楽しげな雰囲気だ。原川院長は東京医科歯科大学病院（現・東京科学大学病院）にて補綴全般の臨床・教育・研究に携わってきたスペシャリスト。地域に根差したクリニックでありながら、専門的な治療を提供したいと考え、インプラント治療や歯内療法など各分野に精通した歯科医師が在籍している。2025年の4月からは歯周病を専門とする歯科医師も加わり、原川院長が理想とする体制にまた一歩近づいた。「治療に妥協せず、日々最善を尽くすように努めています」と穏やかに話す原川院長に、同院のチーム医療や診療する上で大切にしていることなど幅広く聞いた。
（取材日2025年6月18日）
専門的な視点を持ち寄って患者の希望に寄り添う
初めに、クリニックの診療方針をお聞かせください。
開業当初から、専門的な治療も含めてどんな診療でも請け負えるようにしたいと思っていました。患者さんのニーズにより即した、テーラーメイド医療の提供です。虫歯や歯周病、噛み合わせの治療、補綴治療、歯内療法、口腔外科、歯列矯正など、一口に歯科医療といってもさまざまな分野に分かれます。包括的に患者さんの歯を支えていきたいと考えた際には、それらの分野を網羅的に対応できなければなりません。当院の開業にあたって、保険診療だけでなく難しい自由診療にも対応できるようにと、各分野を専門とする歯科医師を呼べるような体制を整えました。いわば街にある小さな大学病院のようなイメージです。
現在はどのような体制で診療されているのですか？
私は義歯や補綴を専門としていますし、マイクロスコープを駆使した精密根管治療を得意とする歯科医師、インプラント治療や矯正歯科、それぞれを専門とする歯科医師も在籍しています。インプラント治療を担当する浜口潤也先生は、経験が豊富で安心して任せられ、サイナスリフトや前歯のインプラント治療など、難症例にも対応しています。さらに2025年の4月から歯周病を専門とする松浦孝典先生が加わり、私が理想とする体制にまた一歩近づきました。松浦先生は私の大学時代の同級生で、技術力も人柄も素晴らしい方。留学帰りで英語対応も申し分ないですし、頼もしい限りです。
各分野のスペシャリストが集まることで、包括的な治療を可能にしているのですね。
そのとおりです。例えばインプラント治療を行うにしても、その前に歯周病がコントロールされた状態になっていなくてはなりません。溶けてしまった骨など歯周組織を回復させるための歯周組織再生療法や、下がってしまった歯茎の移植など、当院では専門的な技術を必要とする歯周病治療にも対応しています。土台が整ったところでインプラントを埋め込んで歯をかぶせていくのですが、「どこに、どのように」を考えるためには、インプラントの埋め込み技術に加えて、噛み合わせや補綴の知識が必要です。このように一つの治療にも各分野の専門的な視点を取り入れながら、患者さんのご希望をより良くかなえられるよう、歯科医師同士で協力して治療を行っています。
歯科技工も院内で行っていると伺いました。
歯科技工物は、型採り後に歯科技工士さんにお任せするケースが多いと思いますが、頭の中のイメージを歯科技工士さんにすべて伝えきることは難しいのです。細かい調整にも対応するには自分で作るほうがスムーズな場合もあると思い、歯科技工室を院内に設けることにしました。もちろんすべての歯科技工物を私が作るわけではなく、外部の歯科技工士さんと連携することもあります。意思伝達しにくいケースや、製作に時間をかけられない場合に、院内技工で対応しています。
噛み合わせまで重視した補綴治療を提案
開業される前はどういった場所で研鑽を積まれてきたのですか？
東京医科歯科大学（現・東京科学大学）を卒業後、同大学病院にて噛み合わせやかぶせ物、義歯などの臨床・教育・研究に携わり、補綴全般の知識を身につけました。その後は少し特殊かもしれませんが、海上自衛隊に入隊し、歯科医官としての勤務経験もあります。診療自体は一般歯科治療でしたが、自衛隊は自衛官全員に階級がつきますので、階級に応じた組織の中での役割を求められることが多かったです。組織がしっかりしていましたので、組織の中での立ち居振る舞い一つとっても学ぶことがたくさんありました。船に乗って海外に同行することも、普通の歯科医師ではなかなかできない貴重な経験でしたね。
専門分野である義歯・補綴について詳しく教えてください。
補綴に関してはこれまで長年培ってきた技術がありますので、強みの一つだと思っています。ほとんど歯がない方や、何年も噛めない状況が続いている方、顎がずれてしまっている方なども診ることができます。かぶせ物を用いて、全体のバランスを整えて噛み合わせを作り上げていく「フルマウス治療」にも力を入れています。治療の入り口になる噛み合わせのずれやきちんと噛めているかどうかを評価をした上で、口腔機能を高めていくためにはどうすれば良いのかという点まで提案しています。補綴を専門としてきたことでの強みは、長い目で見た予測ができることにもあります。5年後、10年後を先読みした上で行う治療ですので、患者さんときちんと相談して治療を進めていけば、先々の不安の解消にもつながるのがメリットです。
やはり「噛み合わせ」は重要なポイントなのですね。
はい。成人の患者さんは、特に奥歯のトラブルが多い印象です。虫歯になってしまいかぶせ物をしていると、噛み合わせがずれやすくなります。自分は大丈夫と思われている方でも、少しずつずれていくことで、20歳の頃の噛み合わせと比較すると大幅に変化しているケースも見られます。「噛み合わせがずれていて」と歯科医院を受診された方は少なくても、定期検診やクリーニングの際に歯科医師から指摘されたことのある人は多いのではないでしょうか。顎や噛み合わせがずれてくると、顎関節症の症状も出やすくなってしまいます。顎の痛みでお悩みの方は一度歯科医院を受診してみてください。噛み合わせが原因かもしれません。
地域に根差し、頼られる歯科医院をめざす
診療する上で、重視されていることがあれば教えてください。
一番は妥協しないことでしょうか。常に自分の腕を磨きつつ、手を抜いてしまったなと自分が思わないよう、日々最善を尽くすように努めています。それと、インフォームドコンセントですね。きちんと理解してもらえるような説明をし、治療の選択肢を提示した上で、患者さんの自由意思から決定してもらうプロセスを大事にしています。言われるがままの通院では継続的な治療につながらないことが多いので、患者さんの理解のためにも、説明に使用するツールに関してはこだわっています。口腔内カメラをはじめ、治療前後の状態をモニターに映してその場で見ていただけるようにするなど、細かなところにも工夫を凝らしています。
今後の展望をお聞かせください。
地域に根差した歯科医院であり続けることはもちろん、クオリティーの面での信頼性を上げながら、より専門的な治療の提供をめざしていければと思っています。「はらかわ歯科たまプラーザに行けば、安心して治療を受けられる」と皆さんに頼っていただける歯科医院でありたいですね。そして長い目で見た時に、スタッフや歯科医師をもっと育てていくことも大事だと考え、技術をしっかりと継承し、教育機関としての性質もさらに強化していきたいと考えています。それが歯科医療の発展に少しでもつながれば何よりです。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
もともとこの近辺に住んでいましたので土地勘もあり、「開業するならこの地域で」という思いがありました。当院が地域に根差し、多くの方にご来院いただけていることをうれしく思います。このエリアは雰囲気も良く、何事にも意識が高い方が多い街という印象です。これからも地域に根差した歯科医院として、皆さんの健康をサポートいたします。同時に歯科医療の枠を超えて、例えば夏祭りへの出店など、当院を育ててくださったこの地域の活性化にも貢献していきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント／埋入：33万円～、上部構造：16万5000円～、サイナスリフト：27万5000円～
歯列矯正／金属ブラケット：66万円～
歯周組織再生療法（1歯）：9万9000円～
結合組織移植（1歯）：3万3000円～
ジルコニアクラウン：11万円～
ノンメタルクラスプ金属床義歯：44万円～
コーヌステレスコープ義歯：66万円～
