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山下 喜洋 院長の独自取材記事

痛みとあたまの刈谷クリニック

(刈谷市/刈谷駅)

最終更新日:2023/06/16

山下喜洋院長 痛みとあたまの刈谷クリニック main

刈谷駅直結のショッピングセンターのみなくる刈谷2階にある「痛みとあたまの刈谷クリニック」。共同駐車場があり、車でのアクセスも便利だ。体のさまざまな痛みと、頭部疾患に特化した同院は、大府市にある「名古屋南脳神経外科クリニック」の分院で、2021年に開業した。痛み全般の悩みに対応する麻酔科と、脳や脊髄、脳血管系の疾患を診る脳神経外科を診療。山下喜洋院長は基幹病院の脳神経外科勤務を経て2023年4月に院長に就任した。医師になる前は病院の敷居が高く感じていたという山下院長は、気軽に入れる脳神経外科をめざしているという。にこにことして親しみやすい印象の山下院長に、クリニックの診療内容について話を聞いた。

(取材日2023年5月17日)

麻酔科と脳神経外科のコラボレーション

痛みと頭に特化したクリニックだそうですね。

山下喜洋院長 痛みとあたまの刈谷クリニック1

「痛みとあたまの刈谷クリニック」という名前なので、頭痛だけを診るクリニックと思われがちですが、「あたま」は脳神経外科のことで、「痛み」は全身の痛みを麻酔科の医師が神経ブロック注射などで治療をするペインクリニックのこと。いわば、脳神経外科と麻酔科をコラボレーションしたクリニックです。刈谷医療圏での痛みの治療の貢献と、大府市にある「名古屋南脳神経外科クリニック」の分院という位置づけで2021年に開業しました。刈谷市は企業が多い場所で、本院の理事長は、刈谷に勤めている方たちから痛みの相談を多く受けるけれど、紹介できるクリニックがないと感じていたそうです。そこで痛みに特化していて、駅から通いやすいところを選びました。

本院との連携はあるのですか?

主には、本院の「名古屋南脳神経外科クリニック」での手術前後の通院に利用していただくといった連携を図っています。駅も近く、駐車場もあるので、当院は通院には便利です。本院の麻酔科医や脳神経外科医も交代で当院の治療にあたっており、当院では施行困難なMRIなどの比較的大がかりな検査や、比較的複雑な処置、手術が必要と診断したときは本院を紹介しています。まだ双方ともに開院間もないですが、患者さんの都合に合わせて利用いただけていると感じます。

院長就任前の先生のご経歴について教えてください。

山下喜洋院長 痛みとあたまの刈谷クリニック2

名古屋大学医学部を卒業後は、刈谷豊田総合病院の脳神経外科に入職しました。その時に先輩だった、本院理事長の近藤五郎先生と知り合い、「将来、地域に必要な救急医療のできる脳神経外科クリニックを立ち上げたいと思っているから、君もどうですか」とお誘いいただいたんです。「面白いことを考えているな」と興味をかき立てられ、体制が整ったら自分もいずれ参加したいと思いました。その後、名古屋大学医学部附属病院に戻って大学院へ進んだ後、中濃厚生病院を経て、再び刈谷豊田総合病院に戻りました。各病院で、手術をはじめさまざまな経験を積ませていただいた後、満を持して(笑)、院長就任となりました。 

患者さんと接する際に気をつけていることはありますか?

よく「患者さま」という言葉を耳にするのですが、そこまで仰々しくしないほうが、患者さんともフラットに話ができると思っているので、私はさんづけで呼んでいますね。診察中は、患者さん目線を忘れず、わかりやすい言葉で説明することを心がけていて、横文字の多い医療用語もなるべく使わないようにしています。医師の前で、いまいち理解できていなくてもつい「わかりました」と答えてしまうのは、私でもそうなので、話が伝わっているかどうかは患者さんの様子を見ながら確認するようにしています。

頭痛から帯状疱疹後神経痛、肋間神経痛まで

どんな疾患の患者さんが多いのですか?

山下喜洋院長 痛みとあたまの刈谷クリニック3

脳神経外科にまつわる痛みの患者さんが多く、年齢層はお子さんから中高年まで幅広く来院しています。最も多いのが頭痛で、痛みのコントロールや治療に対応しています。一般的に脳神経外科と麻酔科は別々に開業していて、必要に応じて互いに紹介し合うケースが多いのですが、当院ではどちらの診療にも対応できるので、クリニック内で連携した治療ができるのも利点ですね。頭痛には片頭痛をはじめ、さまざまな種類の頭痛があります。まずは、頭痛を引き起こしている脳外科的な疾患がないかを検査と診察で確認してから、その後、痛みの治療を始めます。まれに高齢の患者さんで慢性硬膜下血腫という硬膜と脳の間に血液がたまってしまう疾患が見つかる場合もありますから、そういった場合は外科的治療が必要となります。

頭痛以外ではどのような疾患を診ていますか?

帯状疱疹後神経痛や肋間神経痛などですね。帯状疱疹は皮膚に出るので、皮膚科にかかった後に受診される方が多いのですが、最初から当院に来ていただいても治療可能です。むしろ、最初から診たほうが帯状疱疹後神経痛になっても早めに治療ができますから、痛みはなくてもかゆみが出た段階の帯状疱疹で来ていただいて構いません。痛みにこだわらず、めまいやふらつきの患者さんも来院されます。地域に下肢静脈瘤治療を行うクリニックが少ないこともあり、本院理事長の近藤五郎先生が下肢静脈瘤治療の血管内治療など軽度から重度までさまざま治療法を行っています。下肢静脈瘤の場合、足がだるくなるので、頭の病気を疑って来院されるというケースが多いです。また、頭の形の外来など、小児脳疾患の診療経験を持つ医師の外来も設けています。麻酔科の医師が担当するペインクリニックでは三叉神経痛、腰痛や膝痛などにも対応してもらっています。

脳神経外科ならではの頭痛治療はありますか?

山下喜洋院長 痛みとあたまの刈谷クリニック4

外傷後の頭痛は、検査でわかる所見は少なく、病歴とひどいけがをしたかどうかなどの話を聞いて判断しなければいけません。交通事故などの外傷が原因の頭痛の場合は、ブラッドパッチ療法が選択肢に挙がります。ブラッドパッチは血液がかさぶたのように固まることを利用した治療法で、自分の血液を硬膜外腔に注射することで脳脊髄液が漏れるのを防ぐことをめざすというものです。脳神経外科領域の治療ですが、実施している施設は限られています。当院ではブラッドパッチ療法は行っていませんが、ブラッドパッチが必要かどうかの見極めはしています。外科ですから、手術で実際に患者さんの脳を見ていることは診断にも大いに役立ちます。

患者の話を丁寧に聞き、原因を突き止めて診断

先生が医師をめざし脳神経外科へ進んだ理由を教えてください。

山下喜洋院長 痛みとあたまの刈谷クリニック5

高校生の頃は理系だったのですが、頭の中でいろいろ考える学問よりも実学的な学問のほうが好きでした。数学や物理に対し、医学は実学的な学問。人体というのは身近なものであり、自分にも関わっているものなので、もっと勉強したいと思い、医師をめざしました。勉強したことが人の役に立てるということにも魅力を感じましたね。医学部を卒業して専門を選ぶ時、私は頭の病気に興味があったので、神経内科や精神科も考えましたが、脳に直接アプローチできるのは、脳神経外科だけだと聞き、関心を持つようになりました。脳神経外科では、先生方が迅速な決断力と行動力を持って日々手術に臨んでおり、そういったシビアな環境の中で自分を鍛えたいと思ったんです。大変そうだけど、若いうちならやってもいいだろうと考え、脳神経外科に入局しました。脳神経外科での経験によって多少は手も頭も動く医師になれたと思っています。

今後、取り組みたいことはありますか?

頭痛で悩んでいる患者さんが意外と多いので、もっと突き詰めた診療をしたいなと思っています。慢性的な頭痛というのは、話をよく聞いて原因を特定していくことが大事です。例えば、肩凝りからくる筋肉の緊張と脳血管の拡張という2つの頭痛の原因は、誰でもどちらかは持っているもの。原因が1つではない混合型頭痛というのがありますから、よく患者さんの話を聞いて原因を突き止め、合う薬を処方していきたいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

山下喜洋院長 痛みとあたまの刈谷クリニック6

私も医師になって10年以上になりますが、その頃よりは頭痛薬もだいぶ種類も増えています。原因が特定されない慢性的な頭痛に対しては、合う薬を見つけて服薬でコントロールしていくというように、昔よりは治療しやすくなっていると思います。当院の治療で、前よりも良くなったという方が増えればいいなと思っています。私自身も医師になる前は、病院というのは敷居が高い場所でした。ですが、このクリニックは気軽に入っていただけるようショッピングセンター内に入居しています。買い物のついでで来院される方もいらっしゃいます。「そういえば時々頭痛になるから診てもらおうかな」という感じで、気軽にご来院ください。

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