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田畑 摩純 院長の独自取材記事

一番町耳鼻科

(仙台市青葉区/青葉通一番町駅)

最終更新日:2022/01/26

田畑摩純院長 一番町耳鼻科 main

仙台市内の中心地・一番町の東一番丁通り沿いに「一番町耳鼻科」はある。院長の田畑摩純先生は仙台の生まれ。重度の先天性難聴の兄を持ち、幼い頃から医師を志して2021年12月、地元に開業した。やわらかい物腰が印象的な田畑先生が大切にしているのは「共感する心」。患者の話を丁寧に、最後まで聞いて不安や心配に寄り添い、押しつけのない医療を提供することを心がけている。「本当は患者さんが健康で医療機関を受診しないことが一番」と優しく語る田畑先生に、開業にあたってのこだわりや、今後について聞いた。

(取材日2021年12月16日)

患者との対話を基本に、先進の医療を提供

開業にあたり、なぜこの場所を選んだのでしょうか?

田畑摩純院長 一番町耳鼻科1

耳鼻咽喉科の患者さんは子どもからお年寄りまで年齢層が幅広く、さまざまな方が来院します。このため交通アクセスが良く、人が行き交う場所が良いだろうと、仙台の中心部であるこの場所を選びました。同じビルには他科のクリニックや薬局が入っています。開業して間もないですが、買い物のついでに来る人、近隣の会社にお勤めの方も来てくださっています。インターネットや電話で予約されて受診される方もいますし、予約なしで当日来院される方も。耳鼻科の専門的なことはもちろん、専門外のことでもわかる範囲で診させていただき、その上で専門の医療機関にご紹介もできますので、気軽に来ていただけるとうれしいですね。

モットーや、大切にしていることを教えてください。

治療の方法や技術、知識などは日々アップデートされますから、アンテナをしっかりと張ってキャッチし、日々勉強していくことをモットーにしています。あとは接遇ですね。お子さんは特に病院に対して怖い、痛いというイメージを持ちますし、成人の方でも先生の態度が怖い、という方はいます。昔の病院はそういったイメージですが、時代は変わりました。今の医療は患者さんの話を聞いて、治療を提供することを重視しており、当院でも患者さんとの対話、接遇をスタッフとともに大切にしています。特にこの地域は「美しく、正しく生きていく」という健康意識が高い人が多い場所。耳鼻咽喉科は人生をより快適にするために体の機能を良くしたり、治したりする目的の診療科ですから、しっかりと満足していただける医療をめざしています。

開業にあたり新しい技術や知識として導入したものはありますか?

田畑摩純院長 一番町耳鼻科2

検査結果を自動で患者さんにメール送信してくれる、医療に特化したスマートフォンアプリを採用しています。当院では新型コロナウイルスの検査も行っていますから、なるべく迅速にお知らせしたいと導入しました。電話ではなく、メールのほうが時間を選ばず、患者さんが知りたい時に知ることができて便利ですからね。お知らせする内容は細かな検査結果ではなくて、「基準値内です」とか、「基準値外でしたので詳しく知りたい方はご来院ください」といった第一報のようなもの。お子さんや親御さんなど、家族の分も一括管理できてたいへん便利です。こういった患者さんのための新しいツールも積極的に取り入れていく方針です。

患者とその家族に共感し、ケアができる医師をめざして

先生はなぜ医師を志したのでしょうか?

田畑摩純院長 一番町耳鼻科3

兄が先天性の難聴で、また幼い時の高熱で脳にも障害を負っていて意思の疎通が難しかったんです。私は小さな頃から「兄としゃべってみたいな」とずっと思っていて、同じような境遇のお子さんやご家族の助けになりたいと小学生の頃から医師をめざしていました。先天性の難聴は本当に難しくて、私たち医師が介入することで必ずしも治るわけではなく、力及ばないことは多々あるのですが、ご家族のケアも含めて、悲しみや苦しみを乗り越えた先の喜びや、その子を受け入れて伸ばしてあげる力になれればと思っています。私自身が親世代になってみて、改めて「両親は本当に大変だったろうな」と感じます。「患者さんとそのご家族に共感し、ケアができる医師になりたい」と最初に抱いた思いは、今も変わりません。

患者さんと接する際にどのようなことを心がけていますか?

共感の心ですね。患者さんのお話を遮らずに話を聞いてあげて、押しつけの医療にならないように心がけています。治療に選択肢がある場合、希望を聞くとかえって困ってしまう患者さんもいますから、そういった方には「私も好きな良いお薬があるので、これにしましょうか」というふうに提案することもありますね。共感する気持ちは、医師と患者という立場に限らず、人と人が対面した時の心がけと同じです。またスタッフに対しては、「患者さんが困っている素振りを見たら、自分から声をかけてほしい」と強く伝えています。受付スタッフを採用する際には、そういった配慮ができる優しい人柄を重視しました。看護師は3人在籍していますが、耳鼻科病棟の勤務経験者がいますから、その人を中心に、私の意見も入れながら当院のスタイルを練り上げています。

患者さんとの思い出深いエピソードを教えてください。

田畑摩純院長 一番町耳鼻科4

数えきれないほどの思い出があってひとつに絞るのは難しいのですが、ダウン症のお子さんで、中耳炎を繰り返していた患者さんでしょうか。耳の手術をしたことで、ご家族も含めて喜んでもらえたことは印象深いですね。耳鼻科の疾患は、手術によって改善をめざせることが多いんです。耳鼻科はあまり手術のイメージがないかもしれませんが、例えば喉だと喉頭がん、咽頭がん、声帯ポリープの手術などがありますし、それから舌がんなどの口周りの手術、あとはアレルギーの簡単な手術や私の専門の副鼻腔の手術など、いろいろとあるんですよ。患者さんが喜んでくれることが、医師としての一番の幸せ。この点に尽きますね。

信頼を積み重ね、地域医療に貢献していきたい

開業にあたり、デザインや設備でこだわった点を教えてください。

田畑摩純院長 一番町耳鼻科5

病院というと、暗い、怖いといったネガティブなイメージがありますから、待ち時間に明るい気持ちで過ごせるようにと、色を統一して仙台の街並みに合ったデザインをお願いしました。待合室の椅子やテーブルは、栃木県の益子の作家さんにオーダーメイドしたもの。仙台は自分が育った町ですから、「あまり格好の悪いものにはしたくない」という気持ちもありますね。機器に関しては、手術もしているのでCTを導入しています。被ばく量にはかなりこだわって、低被ばくの小型のものを選びました。CTを置いている耳鼻科はあまり見かけないかもしれませんが、なかなか原因がわからない疾患も、CT検査で原因を見つけることができる場合もあるんですよ。患者さんにとっても、私にとっても非常に便利な道具です。

手術にも対応しているのですね。

開業したばかりでこれからではあるのですが、私自身手術が好きで、これまで副鼻腔を専門に耳や喉の手術を手がけてきました。以前、東北公済病院で勤務していたのですが、同院では開業医向けに手術室を貸してくれて手術管理をしてもらえるだけでなく、同院の医師が術後管理をしてくれるんです。術後管理を経て落ち着いたら、また当院に戻ってきていただいてフォローをしていく、という連携体制はすでに整えてあります。私に限ったことではありませんが、手術では先端の技術、知識を動員して患者さんの治療にあたらせていただきます。

今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

田畑摩純院長 一番町耳鼻科6

究極を言えば、患者さんが健康になって医療機関を受診しないことが一番。そうは言ってもお困りの時はありますから、そんな時に頼れる場所でありたいです。耳掃除のような些細なことでも構いませんし、アレルギー性鼻炎、声が出ない、首にしこりがあるといった、首から上の困り事に幅広く対応していますので、気軽にご相談ください。リンパ節の手術も経験がありますので、甲状腺やリンパ節の頸部エコーにも対応しています。丁寧な接遇と、先端の医療サービスを提供し、小さなお子さんからご年配の方まで、患者さんの信頼を一つ一つ積み重ねて地域医療に貢献していくことをめざしています。

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