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野崎 良一 院長の独自取材記事

のざき消化器IBDクリニック

(上益城郡益城町/健軍町駅)

最終更新日:2022/03/08

野崎良一院長 のざき消化器IBDクリニック main

益城インターチェンジ近くに位置する「のざき消化器IBDクリニック」は内科・消化器内科・胃腸内科・内視鏡内科・肛門内科を標榜するクリニックだ。院長の野崎良一先生は自治医科大学医学部を卒業後、さまざまな地域で一般内科の幅広い診療を経験。大腸疾患をはじめとする消化器内科を専門とし、医学博士も取得するなど、診療と研究を両立してきた。副院長などを務めた「大腸肛門病センター高野病院」での定年が目前に迫った頃、「残りの医師人生は自分の思う医療に注力したい」と考えるようになり、2021年9月に開業。専門である消化器疾患や内視鏡検査のほか、幅広い診療に尽力する。今回は野崎院長に、開業までの経緯や、クリニック名に「IBD」と入れた理由などについて語ってもらった。

(取材日2021年12月13日)

経験を生かして自分の理想とする医療を届けたい

開業に至るまでの経緯について教えてください。

野崎良一院長 のざき消化器IBDクリニック1

私が卒業した自治医科大学医学部には義務年限というものがあり、卒業後9年間は公的病院やへき地医療に従事することが義務づけられています。私も地域の総合病院はもちろん、町の診療所などさまざまな環境で幅広い疾患を診てきました。内科を診療していく中で特に興味を持ったのが、大腸疾患などの消化器内科領域でした。そこでまずは熊本市にある「大腸肛門病センター高野病院」で内視鏡について教えを受け、義務年限終了後は28年間勤務し、副院長や理事なども務め、診療に研究に忙しい日々を過ごしてきました。大腸肛門病センター高野病院での定年が目前に迫った頃、「自分の経験を生かして、理想とする医療を届けたい」と思うようになり、開業を決意。2021年9月に当院の開業に至りました。この地は九州各地からのアクセスもよく、患者さんにも受診していただきやすいので気に入っています。

どのような患者さんがお越しになりますか。

当院には、私が専門とする炎症性腸疾患(IBD)の患者さんが多くいらっしゃいます。IBDは医師と患者が二人三脚で診療を続けていくことが大切です。そのため大腸肛門病センター高野病院時代の患者さんが受診してくださることもあります。付き合いの長い患者さんですと、もう20年以上になるでしょうか。そのほか、おなかに関する症状でお悩みの患者さんが周辺のクリニックから紹介されていらっしゃることもありますね。また、当院は地域のかかりつけ医としての機能も大切にしたいと考えており、高血圧症や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病の患者さんも通っていらっしゃいます。病院の比較的少ない地域ですので、消化管に関係のない症状でも気軽に受診していただきたいですね。

診療方針について教えてください。

野崎良一院長 のざき消化器IBDクリニック2

患者さんファーストの医療の提供をめざしています。常に患者さん目線を意識して診療を行っています。IBDについては後ほど詳しくご紹介しますが、患者数に対して認知の低い病気なので、より多くの方に知っていただきたいです。その想いを込めてクリニック名にもIBDという言葉を加えました。また、胃と大腸の内視鏡検査を実施していますので、質の高い検査を提供していきたいです。加えて自治医科大学の卒業生として幅広く地域医療に貢献したいという想いがありますので、消化器疾患だけでなく、一般的な内科の診療もしっかり行っていきたいと考えています。あと、これは直接診療に関係のあることではありませんが、クリニック開業後も研究活動は継続してやっていきたいと思っています。医療は日進月歩ですから、常に新しい知識を取り入れて診療に役立てていきたいですね。

IBDの認知を高め困っている人を助けるために

クリニック名にもなっているIBDとはどんな病気ですか?

野崎良一院長 のざき消化器IBDクリニック3

IBD、炎症性腸疾患とは腸に炎症を引き起こす病気の総称で、代表的なものに潰瘍性大腸炎とクローン病があります。この2つは発症原因が不明で、国の指定難病にもなっています。日本ではIBDの患者数が年々増加傾向にあり、現段階で潰瘍性大腸炎とクローン病を合わせて約30万人の患者さんがいると考えられています。特に潰瘍性大腸炎は指定難病の中で最も患者数が多い病気として知られています。また潰瘍性大腸炎は20〜30歳代と50〜60歳代、クローン病は10歳代後半〜20歳代に発症しやすく、進学・就職・結婚などのライフイベントを控えた患者さんが多いことも特徴です。発見や治療が遅れると、日常生活に支障が出てしまう方もいるため、早期に発見し適切な治療を行うことが大切です。完治は難しい病気ですが、最近は病気の勢いを抑える目的の治療薬も登場しました。治療の継続で、これまでと同じように日常生活を送っていただけると思います。

病院を受診する目安について教えてください。

IBDはいずれも症状が徐々に現れることが特徴です。主な症状として、潰瘍性大腸炎では下痢や血便、腹痛が挙げられ、クローン病では下痢、腹痛のほか、発熱や体重減少、肛門の痛みなどが現れることもあります。「最近下痢が増えた」など、変化に気づいたときはまず消化器内科を受診してほしいですね。またIBDと間違われやすい病気として、過敏性腸症候群(IBS)があります。IBSはストレスなどをきっかけに腸の収縮運動が激しくなり、腹痛や便秘、下痢が生じる状態を指し、お子さんでは「朝おなかが痛くなり学校に行けなくなる」という方もいます。IBDの場合、速やかに治療が必要となりますので、当院では問診、血液検査、エコー検査などの検査をしっかり行い、病気を見逃さないように注意して診療しています。

内視鏡検査にも力を入れていると伺いました。

野崎良一院長 のざき消化器IBDクリニック4

はい。当院では、胃と大腸の内視鏡検査を実施しています。胃の内視鏡検査を実施しているクリニックは少なくありませんが、大腸の内視鏡検査を行っているクリニックはまだ少ないといえます。私はもともと大腸の内視鏡検査をメインで行ってきましたので、患者さんに負担のかかりにくい質の良い検査を提供していきたいと考えています。大腸内視鏡検査では大腸がんはもちろんのこと、IBDやがんの前段階を示す腺腫などさまざまな病気が発見されることも。人生で一度も大腸の内視鏡を受けたことのない方は、一度受けていただきたいですね。特にこの益城町は、これまで内視鏡検査を受けるためには熊本市内まで足を伸ばさないと受けられなかったということを聞いていますので、当院が開業したことにより、地域の方に気軽に内視鏡検査を受けていただけるようになればうれしいですね。

気軽に相談できる敷居の低いクリニックをめざす

こちらはスタッフもベテランぞろいと伺いました。

野崎良一院長 のざき消化器IBDクリニック5

はい。当院には現在、私と事務関連を担う妻のほか、看護師5人、診療放射線技師1人、医療事務2人が在籍しています。中でも、大腸肛門病センター高野病院時代からともに勤務していた看護師2人が幹部スタッフとして活躍しており、内視鏡検査に関する業務などは安心して任せることができますね。開業してみて改めて感じるのは、スタッフの大切さです。やはり、私1人ではできることに限界がありますから、任せられることは任せていきたいですね。今後は、私の方針に賛同してくれる後進の医師を育てていきたいですね。

先生が医師になったきっかけは何ですか?

私は熊本県天草市出身で、比較的病院の少ない地域で生まれ育ちました。高校時代に母が甲状腺の病気にかかったのですが、大学病院に入院しなければならず、子どもながらに「ちょっとした病気でも大学病院までいかなければ医療を受けられないのか」と感じたことを覚えています。このようなきっかけから、困っている人に医療を提供したいと感じ、医師を志すようになりました。自治医科大学を選んだのは、入学費や授業料などがかからず、親に迷惑をかけずに進学できると思ったからです。実際、自治医科大学に進学したからこそ、さまざまな地域でオールラウンドに診療に携わることができたので、それは今の診療の糧になっていると感じます。

最後に読者へメッセージをお願いします。

野崎良一院長 のざき消化器IBDクリニック6

当院は身近な、どんなことでも相談できるクリニックをめざしています。腹痛や下痢などの症状でお困りの際は、腸の病気がないかどうか確認するためにも一度ぜひ受診を検討してください。病気がないとわかるだけでも、安心につながることがあります。また、風邪など消化器と直接関係のない症状でお困りの患者さんも、ぜひお気軽にご相談ください。

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