奥村 嘉章 院長の独自取材記事
オクムラフォレストールクリニック
(大津市/石山駅)
最終更新日:2026/08/12
石山駅から徒歩6分。駅前のにぎわいと下町の風情が混在するエリアに「オクムラフォレストールクリニック」はある。院長の奥村嘉章先生は、滋賀医科大学卒業後、県内の中核病院で約25年にわたり内視鏡検査・治療に携わってきた消化器内科を専門とする医師だ。院名にある「forestall(フォレストール)」は「予防する」という意味。内視鏡検査もそのほかの診療も、すべては病気を未然に防ぐためという理念を貫いている。体への負担を減らしたいとの思いから胃と大腸を一度に診る同時検査にも対応し、経験に裏打ちされた精度の高さで徹底的にポリープの切除にあたる。多くを語るタイプでは穏やかな人柄ながら、検査へのこだわりに話が及ぶと言葉に力がこもる奥村院長に、予防にかける信念と診療の強みを聞いた。
(取材日2026年7月9日)
「予防」の実現のため、基幹病院で培った技術を地元へ
まずは、開業に至るまでの経緯をお聞かせください。

滋賀医科大学を卒業後、滋賀県内の中核病院で消化器内科を中心に、内視鏡の検査と治療に約25年間携わってきました。内視鏡の魅力は、小さな傷で治療ができたり、通常では届きにくい場所の組織を採取できたりするところです。患者さんに喜んでいただけたときの達成感は格別でした。ただ、勤務医時代には専門的な治療に没頭できた一方で、身近な患者さんを診る機会が減っていったんです。もっと地域の方の診療をしたい、自分の地元で磨いてきた技術を役立てたいという思いが強くなり、開業を決めました。前職の勤務先がこの近くにあり、そちらで検査をしたご縁で来てくださる方も多いです。できるだけたくさんの方に届く医療を実現したいと、日々の診療にあたっています。
「フォレストール」という院名が印象的です。由来を教えていただけますか。
「forestall(フォレストール)」には「予防する」という意味があります。当院の診療で最も大切にしているのが、まさにこの「予防」です。内視鏡検査もそのほかの診療も、すべては病気を予防するために用意しています。早期のがんというのは無症状であることがほとんどで、強い症状がないと検査を受けにくいという状況はおかしいのではないかと感じていました。「症状はないけれど、しばらく検査を受けていないから」くらいの気持ちで気軽に来ていただける体制をつくりたい。それが開業時からの思いです。当院がめざしているのは、一般的なクリニックと病院の間を埋めるような体制づくりです。検査のハードルを下げながらも精度の高い医療を届けていくことが、私の役割だと考えています。
開業にあたり、機器や設備で力を入れた点はありますか。

開業時点での先進の内視鏡機器をそろえました。拡大内視鏡や狭帯域光という特殊光を使うことで、組織を採取しなくても良性がんかをある程度見分けることができます。さらに、開業医での導入が少ない超音波内視鏡も備えています。体の外から当てるエコーでは空気に邪魔されて膵臓の全体像が見えにくいのですが、胃の中からであれば障害なくしっかり観察できます。粘膜の下にある腫瘍に針を刺して組織を採取する検査にも対応可能です。先端に約1.5cmの硬い部分があるためスコープが太く、挿入にはかなりの慣れが求められます。胃と大腸の同時検査ではベッドを180度回転させるので、検査室は広めに設計しました。院内血液検査の装置も導入し、肝機能などの結果が当日わかる体制です。
胃と大腸の同時検査に対応。「精度」へのこだわりも
内視鏡検査を受けやすくするために工夫されていることはありますか。

まず、鎮静をかけて検査を受けていただくことを原則にしています。患者さんが楽なだけでなく、体の力が抜ければ検査の精度向上にもつながるからです。もう一つの大きな特徴が、胃と大腸を一度で検査する「同時検査」です。自宅で洗腸剤を飲んで腸がきれいな状態で来院していただき、まず胃を検査し、寝たまま体位を変えてそのまま大腸の検査に入ります。他院では朝に胃の検査をした後、院内で洗腸剤を飲んで午後に大腸の検査を行う「同日検査」が多いのですが、当院は文字どおり一度で完了します。検査のために何度も休みを取る負担を減らしたいとずっと考えていたので、開業と同時に実現しました。ポリープも検査時にその場で切除することが可能です。
検査の精度に対するこだわりをお聞かせください。
内視鏡検査は経験の多さだけでなく、精度の高さが大切です。近年、内視鏡の学会でも「腺腫発見率」、つまり将来がんになり得る小さなポリープをどれだけ見つけられるかが検査精度の指標として重視されています。大腸は曲がりくねっていて死角が多いため、普通にカメラを入れて抜くだけではどうしても見落としが生じます。死角になりやすい場所にカメラを曲げて入れ、隅々まで確認することが発見率の向上につながるのです。海外のデータでは、小さなポリープの発見率の高い医師が検査した場合のほうが、患者さんのその後のがんリスクが低いことも示されています。当院では2cm近いポリープまで外来で切除しますし、数が10個、20個あっても徹底的に取ります。一回の検査で質の高い結果を出すことを常に意識しています。
大腸がんや胃がんは予防が図れる時代と聞いています。

はい。大腸がんは、ポリープを早い段階で取っていくことで予防が期待できるがんです。当院から大腸がんで亡くなる方をなくしていきたいという思いで、日々の検査にあたっています。胃がんについても、ピロリ菌の感染歴があるかどうかでリスクをある程度区別できます。「きれいな胃ですよ」と言われたことのある方でも、詳しく診ると過去に感染した痕跡がわかるケースは少なくありません。リスクのある方には最低でも2年、できれば1年ごとの検査をお勧めしています。予防のためには一回受けて終わりではなく、繰り返し受けていただくことが欠かせません。2回目以降の経過観察は電話で予約できるようにしていますし、次の検査を負担に感じないよう楽に受けられる環境づくりを大切にしています。
クリニックと病院の間を埋めるような医療体制をめざす
日々の診療で大切にされていることを教えてください。

患者さんの要望はお一人お一人違うので、できるだけその方の気持ちを読み取るように心がけています。同じ症状で来られても、薬だけで十分という方もいれば、しっかり検査をしてほしいという方もいらっしゃいます。希望に応じて検査の範囲を判断することも、私たちの大切な役割です。院内で幅広く対応できるよう、循環器・呼吸器・消化器それぞれを専門とする医師に診療を担当してもらい、心臓や頸動脈、甲状腺のエコー検査まで行います。気になる症状があればその場でエコーを当てて腸まで確認します。対応が難しい場合でも適切な施設に責任をもって紹介し、ほぼ診断がついた状態でお送りできることが当院の強みです。
予防という観点で、ほかに取り組まれていることはありますか。
その一つとして、自費診療の選択肢もご用意しています。自費診療と聞くと、美容目的のエイジングケアがイメージされがちですが、それとは少し異なります。将来の健康を見据えて症状がない方にも胃と大腸の内視鏡検査をご提案しています。また、健康維持の観点から、保険診療の中でビタミンの状態の検査を行った際、不足があればサプリメントなどを活用した補い方をお伝えすることもあります。今後は内視鏡を専門とする医師を増やして検査の待ち日数を減らしたいですし、健康寿命を延ばす取り組みを日々の診療でさらに充実させたいと考えています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

来てくださった方に満足していただけるよう、多くの診療を院内で完結できる体制を整えています。私がめざしているのは、一般的なクリニックと病院の間を埋めるようなクリニックです。そのためにも、検査から診断、必要に応じた専門施設への橋渡しまでを一貫して担える体制をつくってきました。これまでさまざまな訴えの患者さんに対応してきた経験がありますので、ご自身の症状がどの診療科にあたるのかわからないという場合にも、道筋をお示しできると思います。「症状はないけれど、ちょっと気になることがある」という段階でも構いません。予防を軸に、地域の皆さんの健康をしっかりと支えていけるよう、これからも力を尽くしてまいります。
自由診療費用の目安
自由診療とは胃カメラ/1万1000〜、大腸カメラ/1万8000円~
(鎮静剤希望の場合+4400円)

