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山下 智 院長の独自取材記事

おおたかの森西口クリニック

(流山市/流山おおたかの森駅)

最終更新日:2025/02/06

山下智院長 おおたかの森西口クリニック main

流山おおたかの森駅西口から徒歩5分の「おおたかの森西口クリニック」。バラも咲く小さなガーデンが目印の戸建てクリニックだ。友人の家を訪れるようにドアを開ければ、そこはやわらかな色彩の院内。温かな笑顔の山下智(やました・さとし)院長が診察室で迎えてくれる。白衣の下はクラシックなスーツで、児童文学に登場する名医のような雰囲気に心落ち着く患者も多いだろう。現在も東京大学医学部附属病院で胃食道・乳腺内分泌外科部門の副医局長を務めている山下院長。これまで数多くの甲状腺疾患の治療を手がけ、その豊富な知見を同院でも生かしていく考えだ。全国的にもまだ少ない内分泌外科を標榜する同院では、どのような治療を受けられるのか。診療にかける思いなどとともに詳しく話を聞いた。

(取材日2023年12月20日)

父に憧れ内分泌外科の道へ。現在も大学病院の前線に

まず、医師になったきっかけを教えてください。

山下智院長 おおたかの森西口クリニック1

甲状腺などを扱う内分泌外科を専門にしていた父への憧れの気持ちが最初にありました。甲状腺疾患の専門病院やがん専門病院に勤務していて、患者さんが急変すれば真夜中でも病棟へ駆けつけていた姿を今でも覚えています。多忙にもかかわらず、私と遊ぶ時間もたくさんつくってくれていたんですよ。「サトシがわからなければ患者さんにも通じないだろう」と、わかりやすくがんの仕組みなどを話してくれました。小学生の頃、父にインタビューをして甲状腺について学級新聞に書いたこともあるんですよ。ごく自然に医学の道に進み、闘病中の親族もいたので、同じように苦しむ人を助けたいと外科を選びました。

外科医としてのご経歴をお聞かせください。

初期研修を終えた後、私は東京大学医学部附属病院(東大病院)の胃食道・乳腺内分泌外科に入局しました。父の勧めもあり、消化器外科という基本分野に加え、乳腺外科や内分泌外科など幅広い分野を学べる点に魅力を感じました。その後、同愛記念病院、国立国際医療研究センター外科に勤務し、食道がんや胃がんを中心としたがんの治療や手術を経験しました。同時に東京大学大学院で博士号を取得し、消化器がんの病理研究にも従事していました。2021年4月からは東大病院胃食道・乳腺内分泌外科の副医局長となり、現在は甲状腺・副甲状腺外科を専門とし、年間数多くの手術を行っています。同年11月にはこのクリニックを開院し、大学病院勤務を続けながら、週2日、こちらでも診療にあたっています。当院において、甲状腺・副甲状腺の病気で手術適応と判断した患者さんについては、手術は東大病院と連携して行い、術後は当院で継続的に診療を行います。

大学病院と平行してなぜ開業なさったのでしょうか。

山下智院長 おおたかの森西口クリニック2

甲状腺疾患は珍しい病気ではありません。にもかかわらず、内分泌外科を標榜するクリニックは少なく困っている患者さんがあふれている状況を改善したいと考えたからです。内分泌外科クリニックは都内には数件ありますが、流山市はおろか千葉県にもほとんどありません。妻の実家が柏市で「クリニック 柏の葉」を営んでいて一時期手伝っていたご縁もあり、この町に開業することにしました。甲状腺はいろいろな臓器・診療科の狭間にある存在で、何科を頼るべきか悩む患者さんもいるでしょう。首のしこりが気になって耳鼻咽喉科を訪ねる方もいれば、内分泌内科だからと糖尿病専門クリニックで診てもらう方もいます。甲状腺の中でもバセドウ病ならば内分泌内科でも管理できるかもしれません。ただ、首のしこりが甲状腺にできているのか、万が一でも悪性ではないのかしっかりとチェックする必要があるならば、ぜひ内分泌外科に来ていただければと思っています。

先進機器を導入し甲状腺疾患のトータルケアの実現を

クリニックの特色を教えてください。

山下智院長 おおたかの森西口クリニック3

当院は内分泌外科医が3人もいるという、非常に専門性の高い稀少なクリニックです。診察室も2室から4室に増やし、完全予約制で患者さんをお待たせしないよう努力しています。しかし、やはり患者さんの大半は甲状腺疾患の方で、その7割ほどが女性です。甲状腺疾患に関しては、手術適応の迅速な判断を含め、大学病院に準じた診断・治療が可能です。先進の機器による甲状腺エコー検査やエコーガイド下穿刺吸引細胞診を行い、必要に応じて東大病院や伊藤病院などの関連施設に即時紹介できる体制を整えています。また、甲状腺手術後に見られる反回神経麻痺の診療には喉頭ファイバーを導入し、甲状腺疾患のトータルケアができる体制を整えています。

現在の診療体制はどうなっていますか?

当院の特徴としては、私を含め、内分泌外科の専門医師が3人いることです。開院以来、甲状腺外科のベテランである父、山下共行医師にも協力してもらっています。また、日本乳癌学会乳腺専門医である丹羽隆善医師が土曜日に診療していますので、乳がんの診断や治療にも力を入れています。また、消化器内科の医師も常勤しています。甲状腺に問題があると、飲み込みにくくなったり、食道や胃の他の部分も心配になることがありますので、消化器内科の医師がいると安心です。また、甲状腺に近い気管や食道の状態を慎重に観察する必要があるため、嚥下内視鏡や胃カメラも用意しています。実際、甲状腺疾患が疑われて来院した患者さんが、実は食道炎である可能性もあります。そのような場合でも、当院では引き続き院内で診療を行うことができます。これは、さまざまな専門分野を持つ医師がいる当院ならではの対応です。

診療で大事にしていることは何ですか?

山下智院長 おおたかの森西口クリニック4

例えば、甲状腺がんは、適切な時期に手術を受け、適切な治療を受ければ完治が見込める病気です。ですから、見逃さないようにしたいと思っています。また、がん以外の甲状腺の病気、バセドウ病や橋本病などは、基本的には患者さんが一生付き合っていかなければならない病気です。ですから、患者さんご本人が「きちんと向き合っていこう」と思えるように、現在の状態がどうなっているのか、なぜどのような治療が必要なのかをわかりやすく説明するようにしています。小さい頃に父が私に話してくれたことを思い出しながら、患者さんの長い人生に寄り添っていきたいというのが私の一番の願いです。

患者の生涯にわたる甲状腺疾患との付き合いをサポート

今後の展望についてお聞かせください。

山下智院長 おおたかの森西口クリニック5

内分泌外科は全国でも専門とする医師の少ない特殊な外科です。ゆえに将来的には当院を甲状腺外科専門の外来研修施設として、若い外科医の研修の場にしたいと考えています。内分泌外科の要は外来部門です。手術が必要な患者さんを適切に判断できるよう、エコー診断や血液検査の解釈など、また、手術後の患者さんを適切に管理できるよう、甲状腺ホルモンやカルシウム、ビタミンDの調整などが適切に行えるように、若い医師を育てていきたいですね。また、現在は金・土曜日の週2日ですが、数年後には開院日を増やしたいと考えています。専門性が高い分、どうしても忙しくなり混雑もしますので、スタッフが疲弊しないように、ワークライフバランスにも気を配っていきたいと思っています。やはり医療に携わる人間であれば「人を治したい」「人を幸せにしたい」という理想があるはずですが、自分自身が幸せでなければ人を幸せにするのは難しいですからね。

お忙しい毎日ですがリフレッシュ法などはありますか?

娘とのお絵描きでしょうか。彼女はなかなか上手なんですよ。実は、私も学生時代は二次創作漫画でサークルを出していたこともありました。その頃からの友人が開業祝いに描いてくれた私の似顔絵も院内に飾ってあります。今はイベント救護室のボランティアで参加して、全国から集まる約80人の医療者のまとめ役もやらせていただいています。せっかくのお祭りで体調を崩してしまった方々にも少しでも楽しい思い出がつくれたらと、救護スタッフもコスプレするのが伝統です。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

山下智院長 おおたかの森西口クリニック6

かかりつけ医や健診で甲状腺疾患の疑いが指摘されたら、受診していただければと思います。当院では5~7割が甲状腺疾患で紹介でいらっしゃる患者さんで町のクリニックとしては珍しいのではないでしょうか。甲状腺疾患では服薬治療がメインになってきますが、例えば、検査の上で処方を出し、その後の管理は通い慣れたクリニックに戻っていただいても構いません。甲状腺疾患は長く付き合わなくてはいけないものなので、無理なく通院できる環境を整えるのが何よりも大事です。大規模病院で甲状腺がんの手術をして、近くで術後管理ができるクリニックを探している方なども相談していただければと思います。

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