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岡本 全弘 院長の独自取材記事

西大和眼科クリニック

(北葛城郡上牧町/五位堂駅)

最終更新日:2022/02/21

岡本全弘院長 西大和眼科クリニック main

「西大和眼科クリニック」は、奈良県北西部上牧町の上牧町役場近くに位置する。院長は奈良県出身の岡本全弘先生。奈良県立医科大学卒業後、奈良県内の基幹病院で研鑽を積み、2021年11月に開業したばかりだ。診療モットーは「患者ファースト」。近隣住民の目の健康を守るため、視力低下や充血、麦粒腫などよく見られる症状の診療に加えて、白内障・緑内障の日帰り手術、糖尿病網膜症の診療など幅広く対応する。一つ一つ言葉を選んでわかりやすく話してくれる岡本先生。その様子からは患者に対しても丁寧に対応する、まさに患者ファーストの姿勢が伝わってくる。新しい環境で意欲的に診療に取り組む岡本先生に、開業に対する思い、注力している治療、診療時の心がけなどについてじっくりと聞いた。

(取材日2021年12月7日)

目薬で瞳孔を開かずに撮影できる眼底検査装置を導入

開業地としてこの場所を選んだ理由を教えてください。

岡本全弘院長 西大和眼科クリニック1

僕は奈良県出身で実家が近いのと、開業前に勤務していた奈良県西和医療センターにも近く、なじみがあったからということがまずあります。それとこの上牧町には眼科のクリニックがこれまで足りていなかったんです。例えば手術となると場合によっては遠くの基幹病院まで足を運ばなければならず、この地域の皆さんがもっと身近で眼科治療を受けることができるようになったらいいなと思い、この場所で開業することにしたのです。

どのような患者さんが多く訪れますか。

上牧町をはじめとした地域の方々が中心で、特に50代から70代くらいの方が多いです。加えて、働き盛りの世代や子育て世代、お子さんもいらっしゃいますね。特徴としては、お車で来られる方が多いということでしょうか。そのため、目薬で瞳孔を開かなくても撮影できる眼底撮影装置を導入しています。目薬で瞳孔を開きますと、4~5時間ぼやけた状態になり運転して帰ることができなくなります。眼科受診後すぐに運転できるかどうかが受診のネックになっていることも多いので、この装置を導入することによって検査を受けようと思う方が増えて病気の早期発見につながればと考えているのです。

糖尿病網膜症の方が多いとお聞きしました。

岡本全弘院長 西大和眼科クリニック2

糖尿病網膜症は糖尿病の合併症の一つですけれども、内科で基本的な治療を受けていても眼科で糖尿病網膜症の検査は受けていないという方が少なくありません。糖尿病を患いますと、目の奥にある網膜に張り巡らされた毛細血管が少しずつ傷ついて、血管が詰まったり変形したりします。その結果、出血や網膜浮腫により、視力が低下し、時には失明に至ることもあります。これが糖尿病網膜症です。初期には自覚症状がほぼないため「視力は問題ないし、見えているから大丈夫」と放置する方が多いのですが、そうするとだんだん悪化してしまいます。早めに治療を始めればレーザー治療などで進行を遅らせることが期待できる可能性があります。糖尿病、糖尿病予備群の方は定期的に眼科を受診し、眼底検査などを受けるようにしてください。

「患者ファースト」で、優しさと思いやりを大切に

緑内障の方も多いそうですね。

岡本全弘院長 西大和眼科クリニック3

緑内障も初期の段階に発見できないと徐々に悪化し、見づらくなっていきます。早期の緑内障発見には光干渉断層計検査が有用です。これは近赤外線を使って網膜の断面を撮影する検査方法です。治療はまず目薬を処方しますが、それでも視野の欠損など症状が進む場合は手術を行います。当院では緑内障の日帰り手術を受けていただけるようにしています。40歳代以上で視力が低下したなど気になる症状がある方は、もしかしたら緑内障かもしれません。早めにご相談ください。

お子さんではどのような訴えが多いでしょうか。

小学生、中学生では、学校の健診で視力低下を指摘され、眼鏡を作りたいというご要望が多いですね。近年、環境的な要因によってアジア全域で近視人口が増えてきています。近視は緑内障の危険因子といわれていますので、注意する必要がありますね。この他、斜視や逆まつげ、麦粒腫(ものもらい)なども多いです。お子さんに関連したところでは、携帯型のフォトスクリーナーという機器を導入しています。これは生後半年の赤ちゃんにも使用でき、近視、遠視、乱視などの屈折異常や瞳孔不同、斜視などの発見に役立つ機械です。何か異常があれば早い段階から経過を追うことができますので、お子さんの目や視力についてご不安な方はご相談いただければと思います。

診療時に心がけているのはどのようなことですか。

岡本全弘院長 西大和眼科クリニック4

「患者ファースト」の診療を心がけていますね。特にもっと楽に検査を受けていただきたいと思っていて、その1つが先ほどの無散瞳で撮影できる眼底撮影装置です。もともと眼科は検査が多く、待ち時間が長いといわれます。それが受診控えにつながっているところもあると思いますので、いろいろな工夫で時間短縮を図れたらと思っています。それともう1つ、患者さんへの接遇も気をつけていますね。スタッフも含めて常に優しさと思いやりを持って接するように努めています。

気軽に通える眼科に。地域住民の目の健康を守りたい

眼科医師をめざしたきっかけについてお聞かせいただけますか。

岡本全弘院長 西大和眼科クリニック5

祖母、父ともに糖尿病網膜症を患っていたんです。内科に通って治療を受けていましたが、眼科に通院していると聞いたことはなく、どんどん見えづらくなっていきました。僕はまだ子どもでなぜそうなるのかもわからなかったけれども、その様子を見て眼科医師になって糖尿病網膜症の方を治療したいと思ったのが最初のきっかけです。実際に医師になってから、父には僕自身がレーザー治療を行い、白内障の手術もしました。こういった経緯もあって、糖尿病網膜症の治療には今でも思い入れが強いですね。

患者さんとの印象的なエピソードを教えてください。

すべての出会いが思い出深いですね。中でも僕は白内障をはじめとした手術をこれまでかなりの数執刀させていただきました。ほとんどの方が喜んでくださるのですが、中には不満を持たれる方もおられます。そういったときは、事前の説明など患者さんにきちんと向き合う僕の姿勢が足らなかったのかもしれないと反省し、次に生かすようにしています。一人ひとりの患者さんの診療で学ばせていただいているという感じですね。手術は一期一会で、僕は何度も執刀していても患者さんは初めてということがほとんどです。ですから、患者さんの立場に立って、いつでも初めて手術するような心構えで常に気を引き締めて臨むように心がけています。

最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

岡本全弘院長 西大和眼科クリニック6

とにかく気軽にお越しいただけたらと思います。他の病気と同じく、目の病気も早期発見、早期治療が大切です。特に糖尿病網膜症、緑内障は失明の原因としても多く、糖尿病、糖尿病予備軍の方、40歳代以上の方は注意が必要です。なるべく負担の少ない検査機器で検査を行い、診断をつけ、できるだけ短時間で適切な対応をさせていただきます。目が痛い、赤いなどの不快感、見にくい、かすむなどの目の不調があればいつでも受診してください。地域の皆さんの目の健康のために、長きにわたって貢献できればと思っています。

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