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内川 俊毅 院長の独自取材記事

とよさきこどもクリニック

(豊見城市)

最終更新日:2022/09/20

内川俊毅院長 とよさきこどもクリニック main

豊見城市にある「とよさきこどもクリニック」は2021年5月開業。付近には幹線道路があり、近隣の糸満市などからも通いやすい。院内の随所に木材が使われていて、落ち着いた印象の院内。待合室の壁には大きな木が描かれ、まるで童話の世界が広がっているようだ。院長の内川俊毅先生は、一般的な小児科の診療をはじめ、肺高血圧症や心筋症、心臓移植などの小児循環器の診療にも携わってきた経験豊富な医師。「確かな診療」「丁寧な説明」を診療方針に掲げ、地域密着の医院をめざして開業したという。大阪府出身の内川院長に、沖縄県で開業した経緯や診療時に大切にしていることなどについて聞いた。

(取材日2022年3月15日)

社会貢献への強い思いを抱き小児科の医師に

はじめに、院長のこれまでの歩みをお聞きします。医師をめざしたきっかけを教えてください。

内川俊毅院長 とよさきこどもクリニック1

最初に通っていた大学は、医学部ではなく工学部でした。親と兄が工学部出身なので、その流れに乗って進学したんです。当時は大学卒業後にどのような職業に就きたいのか考えていませんでした。その後、将来のことを考えた時に「社会貢献がしたい」と思ったんです。工学部で学んだことを生かして物作りをすることも社会貢献になりますが、目に見えてわかりやすくて直接的に貢献できる仕事が良いなと。そこから勉強し直して医学部に入りました。大学2年の時のことです。親には反対されましたね。「決意表明を書きなさい」と言われて(笑)。決意表明が認められて、医学部に方向転換しました。

社会貢献がしたいと思い医学部をめざされたのですね。小児科を選ばれた理由は何でしょうか?

一人の人を長く診たいと思い、小児科を選びました。広島大学医学部を卒業後、大阪にある基幹病院の小児科で3年ほど勤務し、主に入院が必要な患者さんの診療に携わりました。その後、大阪大学医学部附属病院で各専門を回ったのですが、そこで循環動態研究グループに入ったんです。大学では研究が中心になることが多いですが、私は診療がメインでしたね。肺高血圧症や心筋症、心臓移植などの小児の循環器の診療を担当しました。大阪大学医学部附属病院には7年ほど勤務しました。

出身地の大阪府から、沖縄県には移られたきっかけがあったのですか?

内川俊毅院長 とよさきこどもクリニック2

沖縄には縁もゆかりもありませんでした。大学病院で循環器の診療を続けていたのですが、自分の子どもが誕生し、今後の家族との過ごし方について考えるようになったんです。当時は診療が忙しく、子どもになかなか会えない生活を送っていました。もっと家族とコミュニケーションがとれるような生活をしないといけないなと思い、医局を出て基幹病院に移ろうか……と考えるようになったんです。新しい場所で心機一転スタートしたいと思いさまざまな場所を探していたのですが、次第に南下していって。ついに沖縄が候補に挙がったんです。人生は一度きり。家族や職場に相談し、思い切って知り合いもいない環境でチャレンジすることにしました。

対話を通して患者の要望を理解し、確かな医療を提供

沖縄で勤務医として研鑽を積まれてから開業したとお聞きしました。

内川俊毅院長 とよさきこどもクリニック3

沖縄に移住後、豊見城中央病院小児科(現・友愛医療センター小児科)の小児科に8年ほど勤務しました。こちらに来る前は、地域性などを含めて一から勉強し直さなければならないと思っていましたが、先生方がいろいろと教えてくださったので助かりました。当院を開業したのは2021年5月です。もともと開業しようという思いはなかったのですが、同時期に入職した医師が先に開業し、「豊崎エリアに良い物件があるのだけれど、開業するのはどう?」と勧めてくれたんです。彼は地元で開業することを念頭に置いて勤務医をしていて、入職から6年目で開業しました。彼が独立した当時、私は部長に近いポジションに就いていて、そろそろ新しいことをしてみたいという気持ちになっていたんです。開業すれば、自分の責任で自分のやり方で診療できる。同期に後押しされて開業を決意しました。

クリニックの診療方針を教えてください。

「確かな診療」「丁寧な説明」をすることを大切にしています。患者さんの要望を見極め、要望に応えるために正しい医療を提供することが目標です。理想は、患者さんと時間をかけて対話し、要望を理解すること。また、正しい医療に結びつけていくことも心がけています。処方された薬そのものは症状に合ったものであっても、正しく服用したり塗ったりしなければ、効果が期待できませんよね。「ほかのクリニックで処方してもらった薬が効かない」という方は、正しい薬の塗り方をしていないことが原因かもしれません。塗り薬を処方する場合は、患者さんに正しい塗り方をお伝えすることも重視しています。

開業にあたり内装でこだわった点はございますか?

内川俊毅院長 とよさきこどもクリニック4

来院された患者さんがリラックスできるよう、待合室の床や診察室の扉などに木材を使用しています。待合室の壁に描かれた大きな木は、沖縄県出身のアーティストの方に描いていただきました。熱帯魚がいる水槽は、私の趣味で置いたものです。診察室は白を基調としていますが、処置室の天井を青空のようにしたり、海に住む生き物たちの壁紙を張ったりして、遊びに来るような感覚でクリニックに来てもらえるように工夫しました。スタッフお手製のものも知らない間に増えています(笑)。現在スタッフは、常勤と非常勤を含めて受付が3人、看護師が4人在籍しています。小児科での勤務経験があるスタッフもいますので、開業当初から安心して仕事を任せています。

小児の循環器疾患にも対応し基幹病院との懸け橋に

診療では患者さんとの対話を大事にされているのですね。

内川俊毅院長 とよさきこどもクリニック5

しっかりとお話を聞いて要望に応えることで、患者さんへの貢献につながるのではないでしょうか。特に初診の方やこれまでとは異なる症状で受診される方とは、じっくりお話をする必要がありますね。できるだけ症状などを詳しくお聞きしたいと考えています。ただ、診察時に対話を重視すると、患者さんの待ち時間が長くなってしまうことがあります。対話の時間を確保しながら患者さんの待ち時間を短縮することが、今後の課題です。現在は豊見城市や糸満市から通院される方が多いですが、より広い範囲の地域の方々を診療したいですね。

開業後も小児の循環器疾患に対応されているそうですね。

勤務医時代に小児の循環器の診療を専門にしていましたので、開業後も心雑音や胸の痛み、動悸など、循環器に関連した症状のお悩みや疑問にお答えしています。このような症状があっても、いきなり大学病院や基幹病院を受診するのは気が引けるかもしれません。必要に応じて基幹病院をご紹介しますので、まずは当院にご相談ください。心臓の超音波(エコー)検査も可能です。循環器の病気の疑いのあるお子さんの受け皿となり、専門医療機関との懸け橋になれればと考えています。乳幼児健診や保育園での健診で指摘されて受診される方もいらっしゃいます。症状がなくても気になることがあればご相談ください。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

内川俊毅院長 とよさきこどもクリニック6

当院では、発熱や咳などの風邪の症状から、胸痛や心雑音などの循環器に関する症状やお悩み、乳幼児健診で気になったことなど、幅広く対応しています。診療において大切にしていることは、ゆっくりと患者さんのお話をお聞きし、しっかりとご要望にお応えすること。薬の正しい使い方などもお伝えします。より多くの方々に当院のことを知っていただき、豊見城市と周辺地域の皆さまに愛されるクリニックをめざしていきたいと考えています。まだまだ患者さんを受け入れることができますので、お気軽にお越しください。

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