堤武士院長の独自取材記事

つつみ歯科クリニック

(広島市中区／鷹野橋駅)

最終更新日：2025/05/14

広島市中心部の中区宝町にある「つつみ歯科クリニック」の開業は2021年。比較的新しい歯科医院だが、小児から高齢者まで数多くの患者が連日来院し、2023年にはユニットを増設してリニューアルした。院長の堤武士先生は、生まれも育ちも広島県。九州歯科大学を卒業し、同大学院で歯周病を中心に学んだ後、複数の歯科医院で研鑽を積み、インプラント治療、審美歯科、矯正歯科など幅広い診療に携わってきた。その経験をもとに一般的な診療から専門的な診療まで対応。最近は新型コロナウイルス感染症の流行以降にニーズが増えた矯正にも注力している。「知識や技術だけでなく、患者さんやスタッフと“人と人”としての関係を築くことも大事だと思っています」と話す堤院長に、開業までの経緯やクリニックの特徴、診療にかける思いについて聞いた。

（取材日2025年4月15日）

多彩な診療分野で幅広い患者層に愛されるクリニック
歯が悪くならない口腔環境を土台から築くことをめざす
技術と知識を常にブラッシュアップしてニーズに応える

多彩な診療分野で幅広い患者層に愛されるクリニック

広島の中心部で開業された理由を教えてください。

九州歯科大学を卒業後、大阪市内のクリニックに勤務していましたが、開業を機に地元である広島に戻ることにしました。このエリアを選んだのは、広島の中心部でありながら歯科医院がそれほど多くなかったからです。またこの周辺は、これからにぎわいが増していくのではないかと思ったのも理由の一つですね。現在も商業施設やホテルが立ち並び、マンションの建設も進んでいますが、今後はさらに開発されて人口も増えていくのではないかと考えています。

2023年にリニューアルされたそうですね。

開業は2021年ですが、ありがたいことに患者さんが増えてきたこともあって2023年にリニューアルしました。ユニットを3台から6台に増やし、うち半分を完全個室にしたのはカウンセリングを重視するためです。特に矯正の場合は、見た目や歯並びのコンプレックスといったデリケートな相談になることもあるため、専用ルームを設置しました。また無料の託児スペースも併設し、3人の保育士が常駐しています。私にも小さな子どもがいますので、親御さんにゆっくり安心して治療を受けていただきたいと思ったことと、妻が保育士でそのキャリアを生かして皆さんのお役に立てればと思い、設置しました。

どんな患者さんがいらっしゃいますか？

小さなお子さんからお年寄りまで幅広い世代の方がいらっしゃいます。最近では20～30代の患者さんも増えました。主訴としては虫歯や歯周病治療、小児歯科、入れ歯の作製から、矯正、予防歯科、インプラント治療、審美歯科など、こちらも幅広いですね。当院では特に、インプラント治療や透明で目立たないマウスピース型装置を使用した成人の矯正にも力を入れていますが、最近は男性でホワイトニングを希望される方が増えていますので、この分野にもより注力していきたいと思っています。

歯が悪くならない口腔環境を土台から築くことをめざす

診療や治療ではどのようなことを心がけていらっしゃるのでしょうか。

最初に勤務した病院や大阪時代の貴重な経験から、自分が開業するときは虫歯などの一般的な治療から審美歯科やインプラント治療など自由診療まで対応できるクリニックにしようと思うようになり、現在の幅広く診療するスタイルができあがりました。また勤務医時代には、患者さんとスタッフに愛情を注ぐことが大切だということも学ばせていただいたので、スタッフと歯科医師、患者と歯科医師という垣根を越えた「人と人」としての信頼関係を築いた上で、良い医療を提供していきたいと考えています。治療には、すべての世代の方が生活を楽しく豊かにできるようなサポートを提供したいという気持ちで臨んでいます。そのために、プライバシーに配慮した丁寧なカウンセリングを行い、現在の悩みから生活スタイルに至るまで患者さんの背景をできる限り理解した上で診療を行うよう心がけています。

特に注力している治療はありますか？

最近は、コロナ禍を経て要望が増えた成人の方の矯正に力を入れています。もちろんインプラント治療などにも注力しているのですが、そもそもの歯並びが悪いと治療にも限界があるものです。そこで悪くなった歯を治すのではなく、悪くならないような口腔環境を土台からつくりたいと考えるようになりました。矯正を行うことで歯並びや噛み合わせの改善が期待でき、お口の健康のみならず、全身の健康にも良い影響が及ぶことが見込めます。またインプラント治療や補綴治療の前に矯正を行うことで、より良い口腔環境の実現につながることも。当院では成人の方にはマウスピース型装置を用いた矯正を推奨しており、3Dプリンターで装置を作製して即日お渡ししています。

精密な診断や治療のために先進の医療機器を導入されているそうですね。

はい。当院では、歯根の形や骨の厚み、血管や神経の位置も含めて顔面全体を立体的に撮影できる歯科用CTを導入しています。特に歯並びは鏡で見ただけではわかりにくいものです。このように広範囲で撮影すれば患者さんとともに全体像を把握し、より精密な診断ができるようになります。また矯正に使用する装置や歯列模型、インプラント治療用のパーツなどを作製できる3Dプリンターも設置しています。そうした装置などをすぐに作製できるだけでなく、例えばこまめに通院できなくなった、型が割れてしまったという時などにも再度の型採りや来院は必要なく、保存したデータですぐに復元することも可能です。さらに安心・安全を考慮し、先進の滅菌器、水の除菌ユニット、飛び散りを軽減する口腔外バキュームを活用するなど、感染防止や衛生面にも配慮しています。

技術と知識を常にブラッシュアップしてニーズに応える

先生が歯科医師をめざされた理由を教えてください。

子どもの頃は虫歯が多く、よく歯科医院に通っていたのですが、主治医の先生がしっかり話を聞いて優しくしてくれたので、治療の痛みは苦手でも歯科に対しては良いイメージを持っていました。そんな体験から漠然と医療の道に進みたいと思うようになった一方で、親戚に歯科医師がいたことから歯科医療に興味を持つようになり、歯科大学に進学することにしたんです。大学では、病院実習の際に歯周病専門の先生にとてもお世話になり、歯周病治療を包括的に学びました。歯周病に悩む患者さんが多いこと、歯周病菌が体の不具合に影響することなどについても知り、自分が開業するときは歯周病治療を一つの柱として取り入れていきたいと考えるようになりました。そんな思いもあって、卒業後は歯周病の講座に入局し、大学院でも歯周病について専門的に勉強しました。

休日はどのように過ごされていますか？

スポーツジムで体を動かしたり、子どもと一緒に公園へ出かけてリフレッシュしていますね。特に子どもと一緒の時間はとても楽しいのですが、同時に父親としての大変さも痛感しています。しかしそうした子どもとの時間が、実はお子さんの診療に役立っているんです。例えば歯科医院に対して怖い、痛いというイメージを持つお子さんのために、院内BGMをお子さんが好きそうな音楽にしたり、モニターでアニメを流したりといった工夫など、こまやかな対応を心がけることにつながっていると思います。親御さんの言葉にもしっかりと耳を傾けるようにしていますので、お悩みや心配事があれば遠慮なくご相談ください。

最後に今後の展望をお願いします。

最近はインターネットで調べて「こういう治療を受けたい」と具体的におっしゃる患者さんが増えてきました。そういったご要望も含めて可能な限りお応えできるように、知識と技術をブラッシュアップするための勉強や情報収集に努めています。全国の歯科医師で構成されるスタディーグループに参加しているのですが、ここでは歯周病グループ、インプラントグループなどさまざまなグループがあり、ほかの先生方から刺激を受けながら学んでいます。これからも常に研鑽を怠らず、しっかりと時代についていき、スタッフ一同地域の皆さんのお役に立てるよう精進してまいります。どうぞ末永くよろしくお願いいたします。