福川 聖子 院長の独自取材記事
立川の森歯科クリニック
(鳥取市/鳥取駅)
最終更新日:2026/04/27
JR山陰本線・鳥取駅から車で約10分の場所にあるのが「立川の森歯科クリニック」。同院の前身は、1940年に智頭町に開院した伊藤歯科医院。院長の福川聖子先生の祖父が開業し、父へ、そして娘へと3代にわたって受け継がれてきた歴史を持つ。新規の患者はもちろん、昔から通院し続けている患者も訪れるほど地域の幅広い年齢層に頼られている歯科医院だ。虫歯などの歯科治療をしっかりと行うだけでなく、歯を支える歯周組織の健康を長く維持するための「歯周治療」に注力している。さらに、子どもの歯科治療や矯正治療にも対応している。「特にお子さんに関しては、その成長をともに育んでいける歯科医院をめざしています」と話す福川院長に詳しい話を聞いた。
(取材日2026年3月19日)
人生と健康をともに育む歯科医院をめざして
こちらは歴史ある歯科医院だそうですね。

はい、80年以上の歴史があります。前身は私の祖父が智頭町に開業した「伊藤歯科医院」で、そこから父、私と3世代でバトンをつないできました。父は商店街のほうで30年にわたり開業していました。その頃の歯科医院に訪れていた患者さんや、家族3世代にわたり通っていたという患者さんも来院してくださって、この開業数年では味わえないようなつながりや歴史を感じています。幼い時から自宅の敷地内にあった歯科医院でよく遊んでいたこともあって、歯科医師は私にとって一番身近な道でした。高校生の頃、進路を決める時には少し葛藤はありましたが、「一生懸命やれば人の役に立てる仕事だよ」という父の言葉に後押しされて迷いが晴れましたね。
歯科医師としてはお父さまの影響が大きいのでしょうか。
そうですね。東京歯科大学に進学して臨床研修を終えましたが、詰め物のやり方や義歯の作り方ばかり勉強していた頃に「自分は歯の大工になるのか」と違和感を持った時期があったんです。父に相談したところ、近代口腔科学研究会という研究会を紹介され、そこで学んでいくうちに違和感が払拭されていきました。その後、父の元で臨床の研鑽を積む中で、常に患者さんにとって最善の方法は何かを考えて勉強し続けていた父の姿を見て、「歯科を医療として捉えて患者さんの健康を生涯維持できるような歯科医師になりたい」と考えるように。父は5年前に他界しましたが、今でも周囲の人から「すごい歯科医師だったね」というお言葉をかけていただきます。父の年代では歯周病の概念はあまり認知されていなかったのですが、海外までプラークコントロールの勉強に行き、患者さんに歯磨きの仕方などを教えていました。そのバトンも、私が受け継いでいきたいと思っています。
歯科医院のコンセプトを教えてください。

法人名にもなっている「はぐくみ」が、この歯科医院の大きなコンセプトです。開業時にちょうど娘が生まれて自分が親になった時に、「親族だけではない大人たちとともに子どもの成長を喜べたらいいな」という思いが湧き起こり、夫と考えてこの名前に決めました。来院されたお子さんも歯科医院のスタッフのお子さんも育ち、院内の託児室でお子さんを預かることで親御さんも自分の健康を守り、それがまたお子さんにつながっていくような、ともに人生と健康を育める場所になりたいと強く思ったんです。そのイメージを設計士さんに伝えて建物を考えてもらいました。高齢者の方も、ここに来たら子どもの声が聞こえて元気になると思いますし、当院との出会いで本当の健康に気づき、人生が変わったという方がたくさんいらっしゃってうれしい限りです。
この場所から地域をより良い場所にしていきたいという思いが伝わってきます。
ありがとうございます。そうした思いから、医療人材の育成にも注力しています。当院は、歯科衛生学校の臨床実習の受入れを行っていて、実習では「少しでも多くの学びを得てほしい」という思いで、学生さんの指導を行っています。技術面はもちろん、スタッフたちの姿を見て「こんなふうに働きたい」と思ってくれるような実習先にしたいと思っています。これは普段の診療でも意識している点で、お子さんの来院も多いので、私たちと接する中で興味をもって将来の地域医療の担う仲間になってくれたらうれしいなと思っています。
歯周治療と矯正治療に注力
診療方針を教えてください。

歯と口の健康を長く守っていくためには、歯の治療をしっかりすることと、歯を支える歯周組織を健康に保つことが重要です。そのため、当院では、歯周治療に注力しています。虫歯だと思ったら歯茎の痛みだったという場合も考えられるため、初診の際には特にしっかり診察し、治療が終了したら継続的に来院していただいて口腔内の健康を確認していくというのが当院の診療方針になります。患者さんに、生涯を通じてご自身の歯で過ごしていただくことをめざしてお手伝いをするために、専門分野に特化するのではなく口腔領域全般を診察できる歯科医師であることを心がけています。
貴院ならではの取り組みはありますか?
先ほどお伝えした歯周治療の他に、当院では永久歯が生えそろう前に始められるお子さんの歯列矯正にも注力しています。歯並びが悪くなる原因にアプローチすることで骨を大きく成長させることをめざし、その歯列を保てるだけの機能をお子さんに備えさせるための治療です。自宅でマウスピースを装着したり、歯並びを悪くしている癖を治すためのトレーニングを2~3年行います。終了時にはスタッフのメッセージを入れた賞状を渡しているのですが、いつも感無量で泣いてしまいます(笑)。トレーニングは勉強熱心な専任スタッフが担当しています。とても優秀で、お子さんにやる気を出させたり、時には親子関係の悩みまで意識したりしながら伴走してくれるので、本当に頼りにしています。
設備や院内環境へのこだわりはありますか?

医療機器では、精確な診断をするために必要な歯科用CTと、矯正治療の診断ができるセファログラムなどの設備を導入して、医学的根拠を持って治療できる体制をつくっています。院内環境は、患者層が0歳から90歳代までと幅広いのでバリアフリー設計を重視しました。また小児歯科に対応しているため、キッズスペースや保育士が対応する託児室、お子さんがワクワクするような待合室のスポット、アクテビティスペースづくりにも注力しました。
歯を健全な状態で残すための歯科治療を
ご自宅でのケアや生活習慣についてのアドバイスもされているそうですね。

はい。例えば、当院では「ながら磨きでいいよ」と患者さんにお伝えしています。洗面所で歯磨きとなると、1分も立っていられませんよね。でも、お風呂やリビングで、テレビを観ながら、話をしながらといった風に歯磨きをすると、たくさん時間がとれるんです。きちんと隅々までブラッシングをするには、ある程度の時間が必要ですから「ながら磨き」を習慣化して時間をとろうというような感覚で取り組んでいただけたらなと思っています。私だけではなく、歯科衛生士、そして患者さんでチームとなって、来院時の歯周組織の状態のチェックや、ブラッシングで効果が出ているか判断して磨き方を再検討し、口腔環境の改善を図ることで一緒に健康な状態をめざしていきます。
お忙しい中かと思いますが、お休みの日にはどのようにお過ごしですか?
そうですね。20代後半から30代までは「よさこい踊り」に凝っていて広島県まで踊りに行ったりもしていましたし、バレーボールも結婚前までやっていました。もう自分自身の趣味というものは独身時代にやり尽くしてしまった感じがあって、現在は子育てそのものが趣味になっていますね。小学生3年生の女子と1年生の男子がいるのですが、つい先日、息子の卒園式がありまして、うれしさと同時に一抹の寂しさも覚えて、成長した姿につい涙を流してしまいました。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

現在の歯科治療は情報過多な上に場所も数多くあるため、選び方が難しいと思います。しかし最も重要なのは、自分の歯を健全な状態でどれくらい残して人生を送れるか、ということです。お口の中を診ると、その人がどれくらいご自身を大事にしているかがわかるものです。中には「ボロボロでどうしたらいいかわからない」「総入れ歯になるまで放っておこう」など、自分を諦めている人もいらっしゃるかもしれませんが、私はそこを何とかしたいと思っていますので、いつでもご相談ください。お口から自分を大事にする人が一人でも増えて、そういう大人にお子さんが触発され、またお口を大事にしようと思うような幸福の連鎖が生まれたらうれしいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とは子どもの矯正治療/40万円~

