北村 英二 院長の独自取材記事
北村総合歯科
(流山市/南流山駅)
最終更新日:2025/09/22
南流山の大通りに面した3階建てのビル。「北村総合歯科」は、かつて歯科嫌いだったという北村英二院長が、治療をなくすことを第一に考えて開業したクリニックだ。特にインプラント治療は北村院長の専門分野で、さまざまな難症例にも対応。そのほか、北村彩副院長の専門性を生かした入れ歯治療、虫歯や歯周病の治療や再発予防、マウスピース型装置を用いた小児矯正、訪問歯科診療など、さまざまな歯と口の悩みに向き合っている。家族ぐるみで通う患者も多い、明るく清潔感のある院内で、北村院長の歯科治療への思いや同院のチーム医療について語ってもらった。
(取材日2025年5月16日)
歯科嫌いだったからこそ、怖くない歯科治療をめざす
先生がそもそも歯科嫌いだったと伺ってびっくりしたのですが……。

そうなんです。子どもの頃に通っていた歯科クリニックが、処置について説明もなく、少し威圧的ともいえるようなところで、毎回「痛いな、怖いな」と悲しい思いで通っていました。その後、とある小児歯科専門のクリニックに行くようになったのですが、そこの先生が面白い方で、少なくとも歯科に対する恐怖心が払拭できたんです。「今日はこれを使って、こういう治療をします」と、子どもにもわかりやすい説明をしてくれるなど、スタッフさんも皆さん優しい方ばかりでしたね。だからこそ自分が開業する際は、患者さんが怖い思いをするようなクリニックにはしたくない、痛い治療をするクリニックや話を聞いてくれないクリニックばかりではないと伝えたい、という強い思いがありました。
開業するにあたって、なぜこの場所を選ばれたのですか?
私は日本大学松戸歯学部を卒業した後、大学病院に残り、その後は総合病院の口腔外科科長、一般歯科院長、開業前の6年間は新宿のインプラントを専門としたクリニックの院長も務めました。流山市を選んだのは、4人目の子どもができたことが大きなきっかけです。妻ばかりに育児の負担をかけるわけにはいかない、自宅近くで開業しようと考え、この場所を選びました。幹線道路沿いではありますが、一本道を入ると住宅街で、患者さんは近隣に住んでいる方が中心です。土曜も開けているので、平日は通えない会社勤めの方も来てくださいます。ご家族のどなたかが入り口になり、それからほかのご家族も「久しぶりに歯科検診でも受けようか」などと来てくださるケースが多いですね。
幅広い年齢層に支持されているのですね。治療で心がけていることをお聞かせください。

恐怖心を与えず、威圧的にならず、優しく接することです。緊急性が高い治療以外は、まずカウンセリングルームで治療の目的や「過去に歯科で嫌な思いをしなかったか」などを丁寧に伺います。またスタッフも含め、患者さんが不安になるような情報を患者さんの前で言うことがないように常に気を配っています。もちろん治療やホームケアに必要なことはお伝えしますが、「どうしてこうなるまで放っていたの」など、ここで言っても仕方のないことをわざわざ言って、患者さんをむやみに傷つける必要はないですよね。これはお子さんに対しても同じです。トラウマになるような言動は、徹底して避けています。
患者とのコミュニケーションで治療の道筋を考えていく
インプラント治療では、難症例にも対応されていると伺いました。

抜歯をした日に仮歯まで入れるといった特殊なインプラント治療や、顎の骨が少ない場合に行う骨造成なども可能です。痛みや腫れもなるべく抑えて、安全性に配慮した治療ができるよう工夫しています。インプラント治療を専門的に学んできたのでメリット・デメリットなども詳細にお伝えできますし、他院から「この方のインプラント治療をお願いします」と紹介されることもありますね。ただ、すべての患者さんにとってインプラントという選択肢がベストとは限りません。費用の問題もそうですし、特にご高齢の方ですと「この先、ご自身で管理できるのか」という問題も出てきます。場合によっては入れ歯のほうが適していることも。入れ歯を支えるためのインプラント体を数本入れるオーバーデンチャーをはじめ、さまざまな種類の治療法があります。インプラントに限らず、その患者さんに合った治療を考えることの大切さを常々感じています。
患者さんの背景を知り、その中でベストな治療法を考えていくのですね。
「人生の最後の楽しみは食べること」という言葉があるように、「お口の中が健康であれば、その方の人生も豊かになる」と当院では考えています。インプラントはしっかり噛みたいという方にお勧めですが、お手入れがおろそかになるとトラブルにつながりやすく、そうなるとお口の健康も損なわれてしまいます。ですから、患者さんやご家族から生活背景を伺い、それに合った治療法を一緒に考えていくことが大切。当院の副院長が補綴治療を専門としていることも大きいですね。インプラントを専門とする私だけの視点に偏らず、先々のことまで見据えながら、患者さんやご家族と一緒にベストな治療法を考えていきます。
患者さん側も一緒に考えることが大切なのでしょうか?

歯科治療は、「クリニック側だけが頑張っても意味がない」という難しい側面があります。例えばメンテナンスを受けるとして、患者さんが「歯科医院に行けばどうにかしてくれる」という意識では、ご自身の歯を守ることは到底できません。歯科治療全般にいえることですが、まずご自分がどういう状況にあり、悪くなっているのならば何が原因であったかを理解し、その上で治療やメンテナンスを続けていくことが重要なのです。インプラントにしても「入れて終わり」ではなく、その後のメンテナンスが必要ですからね。受け身の治療ではなく、患者さんがご自身の状態を自覚して治療に臨む。そうすれば再発・再治療のリスクもぐんと下がるはずですから。
健康なうちから歯科に通い、歯を守ってほしい
何歳になっても歯に意識を向けることが大切なのですね。
もちろんです。やはり食べることは生活を豊かにしますし、歯が悪くなることで顎の状態が崩れ、それが高齢になった時に腰痛や膝の痛みとして突然現われることもあるのです。「歯周病になったからもう今さら治療しても……」と諦めるのではなく、何歳になっても治療やメンテナンスに取り組み、体全体の健康を患者さん自らの力で守っていってほしい。私たちはそのサポートを行いたいと思っています。
メンテナンス時にはホームケアのアドバイスもしてくださるのだとか。

歯のメンテナンスは歯科衛生士がメインで行いますが、そこで必須なのが患者さんとのコミュニケーション。例えば、働き盛りで飲み会も多い営業職の方と、お子さんの相手をする時間の多い主婦の方では、ご自分で行うホームケアの仕方も大きく異なります。どんな仕事・生活環境であるのか、前回から今回までの間に変化はなかったかなどをしっかり伺った上で、アドバイスや注意点をお伝えしているようです。また院内の掲示物の作成や、保育園などの検診時には「仕上げ磨きの大切さ」を学べる紙芝居を手作りしてくれるなど、本当に心配りが行き届いているスタッフばかり。おかげで私は治療に専念できるのだと感じています。
歯科技工所との連携についても教えてください。
セラミックなどの技工物は、長年連携している信頼できる歯科技工所にお願いしています。とても精密な技工をしてくださるので、私たちも患者さんに精密なインプラント治療を提供できています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

歯のことで困っている場合は、何でもご相談ください。その患者さんに最適な治療をご提案できるように努めます。そして大事なのは、困る前にクリニックに行くこと。健康な状態を維持するために、健康なうちに来てほしいんです。「将来、入れ歯になりたくない」「歯を守りたい」「きちんとした治療を受けたい」と考えている方はもちろん、メンテナンスに興味のある方も大歓迎です。自分の歯を良くしたい、守っていきたいという患者さんの思いに応えるクリニックでありたい、そう思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/40万7000円~、骨造成/5万5000円〜、入れ歯を支えるためのインプラント体を数本入れるオーバーデンチャー/44万円〜、マウスピース型装置を用いた矯正/44万円~66万円、セラミックインレー/7万7000円、セラミッククラウン/12万1000円/ジルコニアレイヤリング(前歯部)/15万4000円、ホワイトニング(オフィス)/初回3万3000円(税込)、ホワイトニング(オフィス)/2回目以降1万6500円(税込)
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

