松井 健一 院長の独自取材記事
まつい消化器内科クリニック
(刈谷市/刈谷市駅)
最終更新日:2022/05/23

名鉄三河線の刈谷市駅から徒歩8分ほどの「まつい消化器内科クリニック」。2021年11月に開業したばかりの清潔感あふれる院内は、患者がリラックスできるようにとの松井健一院長の思いが込められたぬくもりを感じさせる内装になっている。松井院長は内視鏡検査のエキスパート。同院では、院長の専門である消化器内科をはじめ、幅広い年齢層の患者を対象に一般内科の診療も行う。忙しい日々のリフレッシュ法は「家族、愛犬と過ごす時間」と優しく話す松井院長に、開業までの経緯や内視鏡検査、医師を志したきっかけなどについて、たっぷり聞いた。
(取材日2021年12月22日)
病気のみを診るのではなく、一人ひとりを丁寧に診る
開業までの経緯、この地を開業地に選んだ理由をお聞かせください。

研修医時代から内科・消化器内科の診療に十数年ほど携わり、たいへん忙しくも非常にやりがいを感じていました。そこでは、ESDと呼ばれる内視鏡による早期がんの切開・剥離手術などで治療できるような初期のがんの患者さんに加えてがんがかなり進行した状態でクリニックから紹介されてくる患者さんも多く、もっと早い段階で病気を発見できないだろうかと思うことが多々ありました。また、開業医は勤務医よりも患者さんにとってより身近な存在であることにも魅力を感じ、開業を決めました。この地を選んだのは、刈谷豊田総合病院で初期研修を受け、その後も消化器内科に計7年間勤めていたのでなじみがあったからです。この辺りの患者さんに多くのことを学ばせていただいたという思いもあり、地域に貢献したいと考えたのです。
院内の感染症対策について教えてください。
開業の1年少し前から内装の設計などを始めたのですが、コロナ禍でしたから、まずは感染症対策を念頭に考え、待合室・診察室・処置室など患者さんが滞在する部屋の空気を定期的に入れ替える仕組みを採用しました。ソファーや扉の取っ手など手が触れるところは、頻繁に消毒しても耐久性のある素材にしています。また空気清浄機を活用し、スタッフの消毒や手洗い、ソーシャルディスタンスなども常に意識しています。さらに、入り口に手洗い場所を設置するなど、今の状況だからこそ考えられる対策も取りました。発熱のある方に関しては事前に連絡していただき、隔離用の個室で診察を行っており、熱のない患者さんと接することのないよう細心の注意を払っています。
診療の際に心がけていることはありますか?

「病気のみを診るのではなく、患者さん一人ひとりを丁寧に診る」ことです。同じ病気でも、背景や基礎疾患、年齢や性別など、あらゆる要素で対応は変わりますので、丁寧にお話を聞いてしっかりと診察をします。触診や聴診を含め基本的な身体診察をもとにした正確な診断、丁寧な説明を心がけています。電子カルテは後でも入力できますので、その場では患者さんの目を見るようにしています。また、胃・大腸の内視鏡検査では苦痛の少ない検査を心がけていますが、そのためには技術面に加え、「患者さんに苦痛を与えない」という意識を常に持って丁寧な検査を行うことが大切だと考えています。
豊富な検査経験で培った技術を生かし、苦痛を軽減
診療内容や特色を教えていただけますか?

クリニック名に「消化器内科」とあるように、主な診療内容は私の専門である消化器内科です。「おなかが痛い」「気持ち悪い」「胸やけがする」「便に血が混じる」など、腹部に関連する症状ですね。また健康診断での異常、例えば、消化器のバリウム検査で異常があったり、便潜血検査で引っかかったり、肝機能の数値が悪かったりした方なども診ています。刈谷市は企業が多いので、健診結果で気になることがあればご相談いただければと思います。私は消化器内科のみならず一般内科にも携わってきており、日本内科学会総合内科専門医の資格も持っていますので、風邪のような病気の他、高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病の診療を通じ、予防を含めた健康のフォローアップをしています。
大腸内視鏡検査について教えてください。
大腸の内視鏡検査は、前処置として下剤を飲んで便を出し、おなかの中を空っぽにする必要があります。クリニックで前処置をする場合は院内で数時間過ごすことになりますので、患者さんに個室スペースを用意し、リクライニングのゆったりした椅子でテレビを見ながらリラックスして下剤を飲んでいただけるようにしています。トイレも個室ごとに専用になっていますので、衛生面でも安心できると思います。検査中は腸管から吸収されやすく、おなかの張りの少ない炭酸ガスを使用しています。ご希望に応じて鎮静剤も使用可能で、うとうとしながら受けられる苦痛の少ない検査にも対応しています。実際、鎮静剤の需要はかなり高いですね。また、検査でポリープが見つかった場合は日帰りでの切除も行っていますが、サイズが大きいもの、がんが疑われるものは専門施設に紹介しています。
胃や胆嚢・膵臓の診療についても教えてください。

胃内視鏡検査は、鼻から挿入する径の細い経鼻内視鏡を導入しています。非常に画像もきれいで、口からの太い内視鏡と比べてもほぼ遜色がありませんので、精密な診断が可能です。診断に関しては名古屋大学医学部附属病院在籍時に専門として学び、数多く行ってきましたので、その経験を生かし、がんの早期発見、症状の原因究明に努めたいと思います。胆嚢・膵臓については、血液検査や超音波検査を行っています。超音波は放射線を使用せず簡便にできますので、気軽に受けていただけきたいですね。MRIやCT検査が必要な場合は、刈谷豊田総合病院のネットワークを通じて直接当院から検査予約をし、病院へとつなぐことも可能です。現在も同院では非常勤で週に1回、主に大腸内視鏡検査を担当しているんです。他にも、安城更生病院や前勤務地である豊田厚生病院などとも連携しています。
一人ひとりの患者を最善の医療でサポートしたい
医師を志したきっかけ、消化器内科を専門に選んだ理由をお聞かせください。

子どもの頃、開業医だった祖父の家に遊びに行った時、祖父がすごくにこやかに患者さんとお話をしている場面を見たのです。それがずっと良い印象として残っていたことが、医師を志したきっかけです。消化器内科を専門に選んだのは、診断から治療まで自分で行うことができることと、内視鏡の手技が興味深かったこと、また、がん患者さんを担当させていただけることが大きかったですね。最初の診断から病状説明の後も長く診ることができる分、たいへん責任を感じていました。
お忙しい中、どうやってリフレッシュし健康を維持されているのですか?
小学生の子どもと遊んだり、愛犬の散歩に行ったり、家族や愛犬と過ごすことですね。大学ではハンドボールをしていましたが、最近は歩くことで健康を維持しています。また、コーヒーを飲んで気分転換をするのも好きですね。運動や食事については患者さんにアドバイスすることもありますが、散歩でもいいので、動くことを心がけるのが大切です。食事は好きな物を食べることは大事ですが、一方で、例えば、大腸については消化の良い物や発酵食品、繊維質の物など、やはり和食がいいのではないでしょうか。
今後の展望をお聞かせください。

この地域に根差し、病気の治療・早期発見、検診などを含む予防に貢献したいと考えています。かかりつけとして、何でも安心して相談していただけるようなクリニックでありたいですね。そして、患者さんに適切な診察・検査を行い診断し、必要な場合は連携する地域の中核病院を紹介するなど、患者さんにとって最善の医療を提供できたらと思います。また自身については、開業医として患者さんと向き合うことを大事にしながら、これまで同様勉強会・研究会などにも参加し、時代の流れに合わせて進化していければと。医師は生涯勉強が必要ですので、知識や技術を常にアップデートして診療に還元したいと思っています。
読者へのメッセージをお願いいたします。
おなかを中心とした消化器系の症状から、風邪、生活習慣病、健康診断や市の特定健診・がん検診での異常など、どんなことでも構いませんので気軽に受診していただければと思います。インターネットや電話でも予約可能ですし、少しお待ちいただくかもしれませんが、予約なしの診察も受けつけていますので、急な体調不良の際もご連絡ください。スタッフもみな、熱心で患者さん思いなメンバーばかりなので安心して来院していただければと思います。患者さん一人ひとりに一番適切な診断、治療を提供できるよう心がけていきます。