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保護者に正しい知識で向き合ってもらいたい
子どもの低身長症

オハナこどもクリニック赤羽

(北区/赤羽駅)

最終更新日:2023/04/03

オハナこどもクリニック赤羽 保護者に正しい知識で向き合ってもらいたい 子どもの低身長症 オハナこどもクリニック赤羽 保護者に正しい知識で向き合ってもらいたい 子どもの低身長症
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子育てには正解がないといわれているが、日々子どもと接している母親や父親にとって悩みは尽きない。そうした中でも身長の進み方は目に見える変化であるがゆえに、周囲の子どもとの違いが気になってしまいがちだ。また親だけでなく、子ども自身が悩みとして抱えてしまうことも少なくない。低身長の原因はさまざまだが、時には深刻な病気が隠れていることもあるので注意が必要だ。小児科医で日本内分泌学会内分泌代謝科専門医でもある「オハナこどもクリニック赤羽」の宮川雄一先生に、詳しい原因や治療法について聞いた。

(取材日2022年8月16日/情報更新日2023年3月16日)

身長の低さや思春期の進み方が気になったらまずは小児科受診を

Q子どもの身長が気になっているのですが。
A
オハナこどもクリニック赤羽 小児内分泌疾患を専門としてきた宮川院長

▲小児内分泌疾患を専門としてきた宮川院長

身長の高低には、遺伝的要因、出生時の体格、思春期が始まる時期の3つが大きく関わると考えられます。ほかにも慢性的な病気やその治療、肉体的・精神的なストレス、栄養状態などが関わります。多くの場合はこれらが複合的に絡み合って身長に影響していますので、身長が低いこと=病気というわけではありません。低身長症には成長ホルモンの分泌不全を原因とするものがあり、治療対象となる割合は2割程度とされています。一方、まれですが脳腫瘍などの早期発見・早期治療が望ましい原因が隠れていることもあり、身長の伸びが急に低下している場合は注意が必要です。

Q具体的にはどういった場合に受診するべきでしょうか。
A
オハナこどもクリニック赤羽 ホームページでも医療情報の啓発を行っている

▲ホームページでも医療情報の啓発を行っている

他の子と比べて身長が低いのではないかといったお悩みや、その他身長について少しでも気になることがありましたら、まずは小児科に相談をしてください。すぐに精査や治療が必要な状態ではないと判断されることもありますが、経過観察の方法や期間、精査を必要とする指標などに関する具体的なアドバイスを受けられます。特に成長曲線が平坦になるような身長の伸びの急激な低下がある場合や、同年代の子どもに不釣り合いな身長の伸び方が続いている場合は、重篤な病気の可能性もありますので早めの受診をお勧めします。受診の際は母子手帳や学校の記録を持参していただけますと、診療の手助けになります。

Q思春期が早く来ると、最終的な身長に影響があるのでしょうか。
A
オハナこどもクリニック赤羽 身長の伸び方には注意が必要だ

▲身長の伸び方には注意が必要だ

思春期の兆候が周りより早く進む思春期早発症のお子さんについて、身長の伸びが止まる時期が早くなり、最終的に低身長となるのではと気にされる方も多いです。確かに思春期が始まった時の身長は最終的な身長を予測する重要な要素となりますが、思春期の進み方には個人差があるため、かなり早い年齢で思春期が始まった場合を除き、一概に低身長になるとは言えません。生理が早く来るなどの急激な身体の成熟がお子さんの負担や学校生活の妨げになる場合は、思春期の進行を抑制するための治療も可能です。ただ、この治療が必ずしも最終身長を伸ばす方向には結びつかないため、身長という観点からは治療の適応を慎重に判断する必要があります。

Q受診した場合は、どのような検査や治療を行うのでしょうか。
A
オハナこどもクリニック赤羽 治療をなぜ行うのかきちんと理解する必要がある

▲治療をなぜ行うのかきちんと理解する必要がある

低身長症で治療対象になるのは成長ホルモン分泌不全性低身長症、SGA性低身長症などで、採血、レントゲン、頭部MRI、さらには成長ホルモン分泌刺激試験という特殊な検査を行い、これらが診断されたお子さんには、主に成長ホルモン剤の注射を行います。ただ先ほども述べましたが、これらの治療対象となる割合は、低身長症全体の2割程度です。多くの場合、他に身長に影響を与えるような疾患やお子さんの生活の中で成長に影響を与えるようなストレスはないかお話を聞いて、治療を行ったり指導したりすることになります。治療が難しい場合でも、身長を含めたお子さんの全体的な発育を手助けできるようアドバイスをしますのでご安心ください。

Qお子さんの身長でお悩みの方にアドバイスをお願いします。
A
オハナこどもクリニック赤羽 身長や思春期徴候について気になったら早めに相談しよう

▲身長や思春期徴候について気になったら早めに相談しよう

お子さんが低身長の相談で小児科を受診することは、数は少ないですが成長ホルモン剤の投与を中心とした治療の対象となる疾患、さらには脳腫瘍など早期の治療を要する重篤な疾患の発見につながることに加え、経過観察が可能な根拠、その方法や期間が示されることで、ご本人、ご家族の不安が軽減されることに意味があると考えています。多くのお子さんにおいて、身長をさらに伸ばす方法は医学的に確立されていませんが、食事を含めた生活習慣や、アレルギー性疾患などのお子さんが他に持っている疾患の状況を確認しつつ、ご家族とともに身長の伸び方を見ていくことは可能です。ちょっとしたことでも、まずはお気軽に小児科へご相談ください。

ドクターからのメッセージ

宮川 雄一院長

お子さんの身長について気になるという親御さんは多いと思います。将来どこまで伸びるのかという心配もあると思いますが、成長の仕方にも個人差があります。気にしすぎず、お子さんの良いところを伸ばしてあげることが大切です。ご家庭でできることとしては、お子さんの「成長曲線」をつけてみることをお勧めします。成長曲線では、成長過程での複数の時期の身長を記録し、伸び方を見ます。そして、対象となるお子さんの身長の伸び方を、同じ性別の子どもと比較することが可能です。また、低身長の原因ごとに典型的な伸び方があるので、お子さんの低身長の原因をより精密に推測することができます。

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