患者のライフスタイルを重視し
希望の見え方を追求する白内障手術
とみい眼科クリニック 夙川
(西宮市/夙川駅)
最終更新日:2025/07/28


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70代の約8割、80代の約9割以上が罹患しているという白内障。現代では日帰り手術を身近なクリニックで受けることが一般的となってきている。水晶体の代わりに挿入する眼内レンズの種類も多様化し、患者が自分のライフスタイルに合わせて選べるようになってきた。しかし、選択肢が増えた分、「どのレンズを選ぶべきか」と悩む人も少なくない。兵庫県西宮市にある「とみい眼科クリニック 夙川」の冨井厚院長は、「その方の生活スタイルや見え方の希望に合わせて選ぶことが大切です」と話す。同院では、患者の「見え方の質」を重視。術前のカウンセリングや先進的機器を用いた丁寧な検査に注力し、術後に乱視が強くでないような調整にも気を配っている。今回は白内障手術で数多くの手術を重ねてきた冨井院長に詳しい話を聞いた。
(取材日2025年7月7日)
目次
一人ひとりに合った見え方を丁寧な検査と対話で導き、テーラーメイドの治療提供に努める
- Q白内障を疑うべき症状を教えてください。
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A
▲合併症や視野障害の進行を防ぐためにも、定期的な受診が大切
白内障が進行すると、視力の低下、物がかすんで見える、二重三重に見える、まぶしく感じるといった症状が現れます。こういった症状から仕事や生活に支障が出ている場合には、白内障手術を検討する必要があります。また緑内障などの他の目の病気を合併していて、視野障害の進行を防ぐ必要がある場合などには、早めの白内障手術が勧められることがあります。ほかにも、白内障が進行することで、まれに急激に眼圧が上がるケースがあり、視力がある程度保たれていても手術が必要になることもあります。白内障の進行状況や治療のタイミングには専門的な判断が求められるため、日頃から定期的にかかりつけの眼科を受診しておくと良いですね。
- Q白内障手術の流れを教えてください。
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A
▲検査データをもとに患者の希望も聞き、手術を行う
まずは、気になる症状が本当に白内障によるものか、検査して調べます。原因が白内障であれば、次に眼内レンズの検査を行います。目の度数や角膜のカーブ・形状、目の奥行きなどを精密に測定し、検査データをコンピュータに入力して適切なレンズを導き出します。その際、患者さんのライフスタイルや見え方の希望も聞き取ります。手術そのものは10~15分、準備を合わせても2時間ほどで終了します。術後は数日おきにフォローしていきます。見え方が落ち着くには平均して1ヵ月から1ヵ月半ほどかかり、必要に応じて眼鏡を合わせることになります。なお、当院では原則として片目ずつ手術し、もう片方は1週間の間隔を空けて手術しています。
- Q白内障手術で用いる眼内レンズにはどのようなものがありますか?
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A
▲冨井院長が患者に合ったレンズを選択
最も一般的なのは「単焦点眼内レンズ」で、遠くか近くのどちらか一方にピントを合わせるためのレンズです。一方「多焦点眼内レンズ」は、遠くと近くの両方、または中間距離までピントを合わせやすくするための工夫がされています。当院で扱う多焦点眼内レンズは、3焦点眼内レンズや焦点の合う範囲を広げた「焦点深度拡張型眼内レンズ」を使用しています。さらに「乱視矯正機能つき眼内レンズ」もあります。また、多焦点眼内レンズを使った白内障手術は選定療養制度の対象です。手術そのものは保険が使え、多焦点眼内レンズの費用だけ自己負担となるので、保険診療と自由診療を組み合わせて、質に配慮しながら医療を受けることができます。
- Qこちらで受けられる白内障手術の特徴について教えてください。
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A
▲先進の機器を導入し、より精密な検査を実施
通常、白内障手術は、目薬による点眼麻酔をしてから行いますが、患者さんの中には「怖い」「緊張する」という方もいます。そこで当院では、より安全性と痛みに配慮し、ご高齢の方も安心して受けていただける笑気ガス麻酔を導入しています。また、白内障は誰にでも起こり得る病気ですが、すぐに手術が必要となるわけではありません。当院では、見え方の変化や生活の様子を丁寧に伺い、本当に手術が必要かどうかを判断しています。「そろそろ年齢的にどうかな」といったご相談も多くいただきますが、目の状態や生活に支障がなければ、無理に勧めることはありません。
- Q白内障手術をする際に大切にしていることを教えてください。
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A
▲専門的な検査機器や手術機器を備え、検査の質を重視している
近年は50~60代と比較的若い方で、見え方にこだわりの強い方や、過去にレーシック手術を受けた方のご相談も増えています。こうした方は眼内レンズの度数決定がより複雑になることがありますが、当院ではそうしたケースにも対応できるよう、精密な検査とシミュレーションを行っています。また乱視が強く残っていると術後の視力や見え方に支障を来すため、なるべく軽く済むよう、乱視専用レンズの提案も含めて調整することに注力しています。こうした見え方の調整には、何よりその前段階の検査の質が非常に重要です。当院では、総合病院でも使われているような専門的な検査機器・手術機器を備え、一人ひとりに適切な治療の提供に努めています。
自由診療費用の目安
自由診療とは3焦点眼内レンズ/27万円〜、焦点深度拡張型レンズ/27万円〜、乱視矯正機能つき3焦点眼内レンズ/30万8000円〜、乱視矯正機能つき焦点深度拡張眼内レンズ/32万1300円〜