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北村 智久 院長の独自取材記事

六町もやい歯科口腔外科

(足立区/六町駅)

最終更新日:2022/01/06

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足立区保塚町の閑静な住宅街に2021年11月オープンしたのが「六町もやい歯科口腔外科」だ。ゆとりをもって造られた明るい院内が印象的な同院の北村智久院長は、これまで大学病院や基幹病院で歯科口腔外科の専門的な診療に取り組んできた。同院でもその豊富な知識や経験を生かし、虫歯や歯周病などの歯科一般はもちろん、一見対応が難しそうな症例や患者の診療にも積極的に応えていきたいという。そんな北村院長に、同院のことや歯科診療にかける思いなどを聞いた。

(取材日2021年12月10日)

歯科医院と病院の間にある歯科クリニックをめざす

クリニックを紹介していただけますか?

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当院は、今年の11月1日に開院しました。虫歯や歯周病などの歯科一般はもちろん、私は大学病院や基幹病院の歯科口腔外科での診療経験があり、当院には歯科用CT、血液検査装置や生体モニターを設置し、静脈内鎮静麻酔を導入するなど、重症の患者さんにも対応できます。さらには、有病者や障害者の患者さんを診ることができるような体制を整えており、一見難しそうな症例や患者さんの診療にも幅広く対応できる医療機関になることをめざしています。院名にある「もやい」というのは、私が幼少期を過ごした伊豆諸島にある新島の言葉で「助け合い」という意味があり、当院でもみんなが助け合いながら医療機関としての責務を果たしていきたいという願いを込めて名づけました。

すてきな院内ですが、こだわったところはありますか?

一番こだわったのは、広さです。当院は1階でバリアフリーになっており、診察室は車いすのままで入れ、診察台に移るのが難しければそのままで治療が受けられるほか、必要なときには複数人のスタッフが動きやすいよう広く取ってあります。感染対策もそうですが、良い医療を提供するためには、広さがあるというのは重要なことだと考えています。また、院内はアットホームな雰囲気にしました。一般の人もそうかもしれませんが、特に自閉症などの障害があるお子さんは、慣れない場所でしかも医療機関特有の雰囲気があると緊張が解れないことがあります。今は学校も木目を使っているところが多いですが、当院も学校や家庭のような雰囲気を出せるよう木目を多く使いました。

院内で使う水にもこだわっているそうですね。

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はい。3系統の水質管理設備を備えています。まず、水道管から当院の建物に水が入ってくるところには、ウルトラファインバブルの発生装置が入っています。さらに、診療に使うすべての配管には次亜塩素酸水を使っています。診察ユニットの配管が汚れやすいのが歯科医院の常ですが、これらの水を流すことによって、常に清潔に保てるように努め、水が患者さんの口の中に入る前に汚染されることなく使えるようにしています。また、診療前のうがいには、さらに高濃度の次亜塩素酸水を使用していただいています。

どのような患者でも断ることなく受け入れたい

診療での特徴は、どのようなところでしょうか?

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歯科口腔外科がカバーするのは顎顔面領域と言って、目から下、首から上の範囲で、そこの疾患や病気、けがなどすべてがその範疇になります。一般的な歯科医院との違いを線で引くのは難しいのですが、私はこれまで大学病院や基幹病院で、重症の外傷やがんをはじめとする口腔粘膜疾患などの手術、入院や救急の患者さんなどの治療を経験してきました。それらを当院で行うことはできませんが、例えば、抜歯をするにしても、これまで顔面の多発骨折の手術や口腔がんなどで大きく切除した後の顔面の再建術などを行ってきましたので、そのような経験や技術的な素養を持ちながら、一般的な歯科医院では難しく断られてしまような場合にも、これまでの経験を生かして、対応することができます。必要なときには大学病院などに紹介もしますが、対応しないことはないというか、歯科医師の免許でできることは何でもするというのが私のスタンスです。

その中で力を入れていることはありますか?

歯科口腔外科の範疇に入るのですが、いわゆる有病者歯科です。はっきりした定義はないのですが、簡単に言うと基礎疾患を持っている方や、それに伴い薬を服用している方、さらには何かしらの障害がある方などの治療です。例えば、糖尿病や血圧などのコントロールがうまくいってない方や、リウマチや骨粗しょう症で薬を飲んでいる方、病気で血が止まりにくい方。病気ではありませんが妊婦さんも特別なケアが必要だということで対象になりますし、障害も精神障害、知的障害、身体障害がありますが、それらすべての方に対応します。それらの方には、それぞれに配慮しながら治療する必要がありますし、特に、糖尿病などの病気をお持ちの方は、歯周病が悪化するリスクが高く、この先も末永く噛む、食べるなどの機能を維持するためには、しっかりとケアを続けていくことが大切ですから、そのお手伝いをしたいと考えています。

高齢者の摂食・嚥下障害の診療にも力を入れていると伺いました。

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私は、これまでも高齢者の摂食・嚥下障害の診療にも力を入れて取り組んできました。人が年を取った後の楽しみは、テレビと食事、孫が来ることということもありますよね。そして、人生の終末期になるとすべての栄養を口から取ることができなくなってしまうことがありますが、それは高齢者の楽しみの一つである食事を奪ってしまう。つまり、生きる気力を失ってしまような重大なことだと思うのです。だとすると、逆にそういう方の食事の一口ってとても大切で、オーバークオリティーでも良いのではないかと考えているのです。実際に、関西のある施設では、和食屋さんが取ったおいしいだしを使って、きれいな食器を使って、見た目が旅館のような摂食・嚥下食を出したら、完食率が劇的に上がったという報告があります。ですから、私も同じようなコンセプトで摂食・嚥下食を提供する手伝いをしたいと思っていて、知り合いの和食料理人と相談をしているところです。

困ってなくても来てもらえる歯科クリニックにしたい

忘れられないエピソードはありますか?

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大学病院に勤務していたときですが、自分で根管治療があまりうまくできていないなと思ったんです。それで、これはマイクロスコープが必要だと思い、病院に買ってほしいとお願いしたのですが、駄目だったのです。それなら、自分で買ってしまえと。それで、お金もないので安いものを探して見つけ、教授に自分で買って良いですかと聞いたら、駄目だと言われて。それでも粘りに粘ってなんとか許可を取って、買ったらやっぱり駄目と言われて心が折れかけたこともありましたけど(笑)。最終的にはなんとか許可を取って、病院に持ち込んで使っていました。使い始めたら診療の幅も広がり、根管治療を希望される患者さんも増えて、頑張って買って良かったと思っています。

話は変わりますが、先生はなぜ歯科医師を志したのですか?

私は中学校を卒業してから高等専門学校に入学しました。小さな頃から、車はどうして動くのかなど、ものの成り立ちや仕組みに興味があったからです。それで、高専はすごく面白かったのですが、その頃に祖母が亡くなったのです。私はおばあちゃん子だったので、毎日のようにお見舞いに行っていましたが、そうしているうちに病気とは何か。人が死ぬとはどういうことなのか、自分は何もわからないと気がついたのです。それで、医学部に行くのも良いかなと思い始めたのがきっかけで、その後に紆余曲折あって歯学部に入りました。

今後の抱負と読者へのメッセージをお願いします。

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今回、良い医療機関をつくることができたと思っていますので、一般的な歯科医院と病院の間の存在として、地域の歯科医院では診るのが難しい患者さんを当院で、終わりなく診ていきたいです。患者さんの健康を生涯維持して、亡くなるその日までおいしいものを食べていただくためのサポートを、私の目の黒いうちはしていきたいと考えています。口の中の何かしらの病気や症状でお困りの方はもちろんですが、歯科医院にメンテナンスやクリーニングなどで通うことは、健康を長く保つのに有用だというエビデンスもありますから、何も困ってなくても来ていただける。当院をそんな場所にしていけたら良いなと思っています。

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