全国のドクター9,182人の想いを取材
クリニック・病院 158,625件の情報を掲載(2024年4月25日現在)

  1. TOP
  2. 愛媛県
  3. 大洲市
  4. 伊予大洲駅
  5. からまつ眼科クリニック
  6. 唐松 純 院長

唐松 純 院長の独自取材記事

からまつ眼科クリニック

(大洲市/伊予大洲駅)

最終更新日:2021/11/22

唐松純院長 からまつ眼科クリニック main

大洲市の中心地の一角にある「からまつ眼科クリニック」は、2021年10月に開業したばかりのクリニック。院長の唐松純先生は、これまで沖縄、京都、福井、静岡などの病院に勤務し、白内障の手術をはじめさまざまな眼疾患の手術治療の技術を習得してきたドクター。開業した同院では、一般眼科診療と、得意とする手術治療双方に力を注いでいく方針だ。執刀医として責任を預かる以上、時には厳しく患者に接する一方、極力患者の負担や不安を軽減するための体制づくりにも余念がない。そんな唐松院長にこれまでの多彩な経歴や、診療へのこだわり、新たな一歩を踏み出したクリニックへの思いについて、たっぷりと話を聞いた。

(取材日2021年11月4日)

各地で培った技術と経験を糧に、地元の地域医療に貢献

まず最初に、医師という職業や眼科を専門とされた経緯を教えてください。

唐松純院長 からまつ眼科クリニック1

実は私は当初医師の道をめざすつもりはまったくなく、高校生の頃は読書ばかりしているような人間だったんです。ところが当時、脇役ではあるんですが医師が出てくるノンフィクション作品に出合い、そこから医療の世界に興味を持つようになりました。当初は「自分が小説や文章を書く時のネタになるかな」というくらいの軽い気持ちだったのですが、それが医師をめざすようになったそもそもの動機です。大学でさまざまな医療の現場を見たというのもありますが、ちょうどその頃、私の親戚が視力を失い意気消沈する様子を間近に見ていたこともあって、「人間はいつか必ず死ぬけれど、何が残っていればより幸せに生きられるのか」ということを考えた末、眼科という道を選択しました。

先生は、これまでいろんな地域の病院に勤務されてきたそうですね。

信州大学医学部を卒業し、その後は沖縄や京都、福井、静岡にある病院の眼科で診療してきました。「腕が磨けるならどこへでも行きます」というスタンスで働いていたら、気づけばこのような経歴になっていましたね。気候も環境も文化もまったく異なる土地ばかりでしたから、新しい場所に住むたびにいろんなカルチャーショックを受けました。ですが、その土地ならではのおいしい食べ物を知ることができましたし、地元である愛媛を離れたからこそ、故郷の良さにあらためて気づくこともできました。貴重な経験ができたと思っています。

そんな中、愛媛に戻って開業された理由は何だったのでしょう。

唐松純院長 からまつ眼科クリニック2

一番大きなきっかけは、2011年の東日本大震災でしょうか。震災を経て、自分の子どもを育てることを考えた時、自分だけでなく、私の両親など上の世代も一緒になって子どもの成長を見守る環境が理想ではないかと考えるようになり、2013年に地元の愛媛に戻ってきたんです。戻った当初は愛媛大学医学部附属病院、次に愛媛県立中央病院に勤務していたんですが、大洲の病院で眼科手術をする医師が不足しているという話を頂き、2017年からは市立大洲病院に勤務し眼科部長を務めました。そちらでさまざまな手術に携わらせていただいたのですが、その中で、もっと自分の采配が利く環境で得意の手術治療を行い、地域に住む患者さんの力になれたらと思い、開業する道を選びました。

手術に特化したシステム・設備を兼ね備えた眼科医院

先生が専門とされている分野や治療内容について教えてください。

唐松純院長 からまつ眼科クリニック3

網膜硝子体手術を中心とした手術全般で、これまでに手がけてきた手術で最も多いのが、水晶体再建術という白内障の手術です。網膜硝子体手術ができれば白内障の大きなトラブルなどもリカバリーが期待できますし、緑内障手術やまぶたの手術など、眼科疾患の主な手術治療も一通りこなせます。7年間勤務した福井赤十字病院には、眼科手術の技術が抜きん出た先生がいらっしゃって、熟練の技術を間近で見ながら学ばせていただいたんです。その先生の影響で、私自身も眼科手術という治療分野を極める道を進むようになりました。眼科疾患において患者さんの回復に直接的につながるのは、やはり手術によるアプローチだという考えもベースにあります。

クリニックの方針としても手術に力を入れているとお聞きしました。

近年は個人の開業医でも手術環境をしっかり整えている眼科さんは多いですからね。手術と言っても眼科の場合、施術時間は短いものも多く、白内障手術だと10分以内で終わるものが大半だと患者さんには説明しています。ただ、施術時間自体は短くとも、眼科の手術は最初のメス入れから最後まで一瞬たりとも気の抜けない工程ばかりです。短い時間でも内容は密度の濃い手術となるので、その点は知っておいていただきたいですね。

クリニックの造りや設備についてこだわった点について伺います。

唐松純院長 からまつ眼科クリニック4

まず大きなポイントとしては、一般診療の患者さんと手術を行う患者さんの動線をフロアで分けていることです。1階は一般外来の患者さんの診療を行い、2階は手術患者さんのみが出入りする設計となっていて、手術前の不安や緊張を少しでも和らげられるような空間づくりを意識しました。また施設の設備だけでなく、手術関連の外来の診療時間も平日は毎日設けています。手術で当院を利用する患者さんのハードルを少しでも低くしたかったのと、スタッフの動きを一定化させたかった、という考えでこのスタイルになりました。来院の際もウェブ予約を導入しているので、これによって少しでもクリニックでの待ち時間を減らして、患者さんにとっての利便性が上がればと考えています。

手術を行う眼科医として、真の意味でためになる存在に

診療で患者さんと接する際に意識していることはありますか?

唐松純院長 からまつ眼科クリニック5

医師である私とスタッフとの役割分担です。私自身はどうしても病気や手術の説明などで厳しい話をせざるを得ないシーンが多々あるので、その分スタッフが患者さんの不安や心配を取り除く役割を請け負ってくれています。手術がメインとなる場合、優しくあることが必ずしも患者さんのためになるわけではありません。良いことも悪いこともなるべく事実に即してお話ししようと努力しています。そうやって私が現実的な対応になってしまう分、スタッフには優しくきめ細かに患者さんをサポートしてもらうと言いますか、私が「塩」であれば、スタッフは「飴」の役割と言いますか、医師には話せない部分もキャッチアップしてもらいたいと思っています。意識しているのは、クリニック全体で患者さんを多面的に支えられるような体制ですね。そういった点でもスタッフには、本当にさまざまな面で支えてもらっています。

休日などプライベートの時間はどのように過ごしていらっしゃいますか?

私自身は今、松山市に住んでいるんです。新型コロナウイルスが流行してからはなかなか遠くにも行けないので、最近は子どもと一緒に大洲の臥龍山荘や、松山城に登ったりしています。少しずつ寒くなってきましたから、この前はお城下の景色を眺めながら食べる鍋焼きうどんがおいしいと子どもも喜んでいました。私も子どもと一緒に鍋焼きうどんを食べているうちに、うっかりビールやじゃこ天も欲しくなっちゃったりして(笑)。地元にある観光スポットというのは、住んでいる人は普段あまり行かないものですが、今は遠くに出かけることができない分、あらためて地元の魅力を再発見するような過ごし方をしていますね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

唐松純院長 からまつ眼科クリニック6

ものを見る視覚は、人が五感で感じる情報のうち8割を占めるとされています。人生100年時代を生きる中で、感覚器の中でも重要な視覚を生涯守っていくためのお手伝いをさせていただきたいと考えています。当然ですが、たとえ体に不具合があったとしても、病院通いをすることだけが人生のすべてではありません。地域での楽しい行事やご自身の生活をまずは充実させていただくことが大事だと思っています。それに加えて健康で毎日を暮らすために、当院でもしサポートできることがあれば、いつでもお力添えさせていただきます。

Access