熊木 健二 院長の独自取材記事
不動前ステーション歯科・矯正歯科
(品川区/不動前駅)
最終更新日:2025/10/09

「不動前ステーション歯科・矯正歯科」は、東急目黒線「不動前」駅の改札を出てすぐ右手、駅の中にある。同院では歯周病や口腔外科を得意とする熊木健二院長のもと、それぞれ専門分野を持つ複数の歯科医師と、歯科衛生士・歯科助手が連携して診療にあたる。熊木院長は、患者としてクリニック選びに悩んだ経験があることから、患者の気持ちに寄り添うことを重視。まずは歯を残し、再発を防ぐことを重視して、口の中全体を見据えた治療計画を患者とともに考える。そうして作成した治療計画をもとに、先進の知見・技術・機器を駆使し、じっくりと時間をかけて治療に取り組む。近隣からだけでなく、地域住民の紹介で遠方からも患者が訪れるようになり、うれしく感じているという熊木院長に、診療への想いから今後の展望まで話を聞いた。
(取材日2025年9月8日)
親知らず抜歯から歯周手術まで。外科治療が得意分野
歯科医師としての歩みをお聞かせください。

実は、絵を描くのが好きで美大に進学したいと思っていました。しかし、もともと歯が悪く、いろいろなクリニックを回ってもなかなか悩みが改善せず苦労した経験から、痛みや不安に寄り添う歯科医師になりたいと考えるようになり、歯学部に進学しました。子どもの頃から手先が器用だったので、適性はあると思いました。卒業後、最初に勤務したクリニックでは歯周病など深刻なトラブルを抱える高齢の患者さんが多く、インプラントや外科治療などの技術を磨き、歯を残して口腔機能を保つための治療を学びました。次に勤務したクリニックでは若い患者さんが多く、健康で美しい歯を保つための治療を経験しました。幅広く臨床経験を積み、開業を考えていたところ大学の先輩から「一緒に医療貢献しないか」と声をかけていただき、先輩が院長を務める「世田谷通りデンタルオフィス松陰神社前」の分院である当院の院長として開業するに至りました。
幅広く歯科診療を経験されたとのことですが、得意分野はありますか?
僕は外科治療の経験が豊富で、例えば歯周病の外科手術や親知らずの抜歯、インプラントについては安心して任せていただきたいと思います。もちろん当院でも、それらの処置を行うことができます。外科治療の分野に興味を持ったのは、勤務医1年目に参加した勉強会がきっかけです。歯を残すための歯周病の手術や、インプラントで食べ物を噛めるようにすることをめざす治療を、自分自身で患者さんに提供できるようになりたいと思いました。当時勤務していたクリニックには、重度の虫歯や歯周病の人が多く来院されていました。一般的な虫歯治療や根管治療のスキルだけでは対応しきれないケースが多かったため、そこで外科的な治療の経験を重ねることで、腕を磨いてきました。
開業から4年、変化を感じておられますか?

開業にあたり、地域密着型のクリニックにしたい、患者さんがご自身の知り合いに紹介したくなるようなクリニックをめざしたいという想いがありました。診療を続ける中で、幅広い年代の地域住民の皆さんが来院してくださるだけでなく、患者さんのご紹介で遠方から足を運んでくださる方も増え、ありがたい限りです。もともと僕自身はこの土地に縁はありませんでしたが、積極的に地域に関わろうと商店街の組合に加入し、毎年開催される商店街のお祭りにも参加しています。お祭りでは、歯ブラシを配ったり、レジンでキーホルダーを作成したりしています。子どもたちも多く来場するので「歯医者さんって怖くないんだな」と親しみを感じてもらえたらいいですね。
患者とともに口全体の健康を考えた最善の診療をめざす
診察の際に心がけていることはありますか?

例えば虫歯を1本ずつ治療していると、患者さんは全体の治療期間や費用がわからず不安になることもあると思います。そこで当院では、1本1本の歯ではなく口全体をしっかり時間をかけて診察した上で、患者さんと一緒に治療計画を立て、誠意を持って適切な治療を提供することをモットーにしています。1回の診察時間は長くなりますが、複数箇所を同時進行で治療することもでき、結果的に治療期間が短縮することもあります。治療計画を立てる際には、無理に自由診療をお勧めせず、患者さんに合わせ適切な治療法を考えます。さらに、口の中の写真を毎回撮影してご覧いただくなど、治療の経過をきちんと理解して安心していただくことにも努めています。
歯を残す治療にこだわっているそうですね。
天然歯は噛み心地が良いですし、抜歯で生まれ持った歯がなくなってしまうのは悲しいことですからね。かつては抜歯するしかなかったケースも、先進の知識や技術により温存が可能になることもあります。ですから、本院の壱岐院長が定期的に行っている勉強会の他、さまざまなセミナーに参加して、積極的に先進の知識や治療法を学んでいます。歯を残すための具体的な取り組みとして、根管治療の際、自由診療・保険診療関係なく必要な患者さんすべてにマイクロスコープやラバーダムというシートを使用しています。根管に細菌が残った状態でかぶせ物をすると痛みや腫れが再発する恐れがあるので、マイクロスコープを使い、肉眼ではよく見えない細菌が残っていないかをしっかり確認します。さらにラバーダムで患部以外を覆って治療中に細菌が侵入することを防ぐことで、再治療のリスクの低減を図ります。
マウスピース型の装置を用いた小児矯正を始めたと伺いました。

当院には、矯正を専門分野とする歯科医師が在籍し、子どもから成人まで、審美面だけでなく、噛み合わせや口腔機能も重視した矯正を提供しています。顎の骨が成長中の子どものうちに行ったほうが、抜歯をせずに済んだり、口腔機能の成長につながったりとメリットがあります。新たに導入した小児矯正は、取り外し可能な器具を日中の1時間と睡眠中に装着するとともに、ご自宅で呼吸や発音、嚥下のトレーニングを行うというものです。治療によってきちんと口が機能すること、鼻呼吸ができること、顎が発達することが見込め、歯並びが良くなることが期待できます。ご自宅でのトレーニングを行ったら記入していくチェック表をお配りし、目標を達成したらごほうびを用意するなど、モチベーションを高める工夫も行っています。
機能性と審美性を両立し、口の中から健康を支えたい
オフタイムの過ごし方を教えてください。

特に趣味などはないのですが、休日や仕事帰りを利用して、週に4日くらいサウナに行きます。時間があるときは、結構長く滞在しますよ。僕の場合、診療時間以外がすべてオフタイムかというとそうではなく、勉強会やセミナーに参加するなど、先進的な歯科医療についての勉強に充てていることも多いです。サウナで気持ち良く汗をかく時間が、いいリフレッシュになっているのかもしれませんね。
今後の展望をお聞かせください。
先ほど申し上げたように、積極的に勉強やセミナーに参加し、先進の歯科医療に関する知識や技術のアップデートを図っているので、それを患者さんに還元していきたいです。かつては抜歯が必要だった症状も、先進の治療で温存が可能になることがあるかもしれません。大切な歯を守るために、より良い医療を提供できるように精進していきたいです。そして、地域の方のお役に立つ地域密着型のクリニックにしたいという想いで開業しましたが、今後、さらに他の地域で分院展開することも視野に入れています。もしも実現したら、新たな土地でも1人でも多くの人に適切な治療を行い、地域に貢献したいと考えています。
最後に、読者の皆さんへのメッセージをお願いします。

勤務医時代に患者層の異なる2つのクリニックで診療に携わった経験から、当院では「機能性と審美性の両立」を重視しています。例えば、きれいな歯並びに見えても、噛み合わせが良くないこともあります。見た目だけではなく、噛む・飲み込む・話す・呼吸するといった口の機能がしっかり働くことが大切なんです。そうした考えから、お口の発達をサポートする小児矯正にも力を入れ、小児歯科検診などの際に、顎の発達や口呼吸などが気になった場合は、ご家族にお伝えするようにしています。また、歯周病が生活習慣病に影響するなど、お口の健康は全身の健康に大きく関わります。大切な歯を守り、皆さんの健康を守るために、先進の医療も積極的に取り入れつつ、患者さん一人ひとりに合う治療を提供するために、力を尽くしていきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはワイヤー矯正/88万円程度、インプラント(CT・検査代など含む)/55万円~、セラミックを用いた補綴治療/4万4000円~、マウスピース型の器具を用いた口腔機能のトレーニング/44万円程度、根管治療(前歯)/8万8000円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。