仁科 周平 院長、鍋嶋 克敏 副院長の独自取材記事
にしな内科
(尼崎市/立花駅)
最終更新日:2025/10/16
JR神戸線・立花駅の南側、駅直結のビルにある「にしな内科」は、糖尿病や内分泌内科を専門に研鑽を積んだ仁科周平院長が2021年に開業したクリニック。糖尿病の専門的な治療に加え、急性疾患から慢性疾患まで幅広く対応してきた同院だが、診療を通して感じた地域のニーズに応えるべくクリニックの機能強化を決断。2025年10月より仁科院長の旧知の友であり、消化器内科で研鑽を積んだ鍋嶋克敏先生を副院長に迎え、同ビルの3階から2階へ移転する。広くなった院内には全身撮影可能なCTや内視鏡を導入し、より高度で幅広い医療の提供が可能となった。「病気だけを診ずに、人を診ることを大切にしています」という2人に、新たな一歩を踏み出すクリニックについて話を聞いた。
(取材日2025年9月4日)
なんでも相談できるかかりつけ医をめざして移転
まずは移転・リニューアルに至った経緯から聞かせてください。

【仁科院長】当院は2021年に開業したクリニックで、今年5周年を迎えます。この4年間は患者さんに恵まれ、良い関係を築くことができたのではないかと思います。しかしいつ頃からか、患者さんと接するたびに日本のクリニックで行われる内科診療の問題を肌で感じるようになりました。それは、「一人の患者さんが健康でいるためには、あちこちのクリニックを受診しなければならない」ということです。これは医療が専門化する中で起きたことで、良いこともある反面、高齢化が進む日本の大きな問題だと思います。もし、一人の患者さんが一つのクリニックで病気のことや介護、福祉についての相談ができれば、患者さんだけでなく地域にとってのメリットも大きいはずです。そこで、クリニックの機能をより強化することを決意し、より広いスペースを求めて、移転・リニューアルすることを決めました。
クリニックとしてはどんな変化があるのですか?
【仁科院長】幅広い診療を行うには私一人の力では足りないため、消化器と内視鏡のスペシャリストである鍋嶋克敏先生を副院長に迎えました。院内には従来の当日迅速な血液検査機器や甲状腺、血管、心臓、腹部など全身対応の超音波装置、骨密度撮影エックス線装置に加え、新たに全身撮影が可能なCTと内視鏡を導入し、検査体制をさらに充実させました。
仁科院長が鍋嶋副院長に声をかけたのはなぜですか?

【仁科院長】実は私たちの出会いは中学の入学式で、たまたま席が前後だったことで仲良くなったんです。部活もバスケットボールで一緒でしたし、高校、大学も一緒。12年間一緒ですから、彼のことは知らないことのほうが少ないくらいかもしれません(笑)。鍋嶋先生はすごくおおらかで優しい人ですし、消化器内科疾患と内視鏡検査についても豊富な経験を持っている先生です。私がめざす「病気ではなく人を診る」を体現してくれる先生だと思っています。
【鍋嶋副院長】私たちは友達ですけど、お互いに専門分野が違うこともあって、一人の医師として尊敬できる部分、尊重し合える部分が多いなと感じています。これまで一緒に診療する機会はほとんどなかったので、これから仁科院長の診療を見て、自分もまた成長していきたいです。
得意分野を生かしつつ、ジェネラリストとして対応
鍋嶋副院長のこれまでのご経歴についても聞かせてください。

【鍋嶋副院長】神戸大学医学部を卒業後は、大阪の総合病院で消化器内科医として勤務してきました。胃や腸、肝胆膵といった消化器領域を中心に、内科診療はもちろん、内視鏡検査や治療に幅広く携わってきました。また、がん患者さんも多く担当し、初期治療から緩和治療まで幅広く関わってきました。実は私は独立志向があまりなく、内視鏡検査や治療に大きなやりがいを感じていたので、総合病院で働き続けるつもりでした。ところが仁科院長から声をかけていただき、クリニックのコンセプトや設備を知るにつれて、「これまで培ってきたスキルを生かしながら、自分がやりたい医療を、より患者さんの身近な場所で提供できる」と確信し、副院長就任を決意しました。
それぞれの専門分野をお聞きします。
【仁科院長】私の専門は、糖尿病や内分泌疾患です。糖尿病の治療は、合併症予防が第一に挙げられていますが、血糖値を診るだけでは実は不十分。血糖値ばかりに目を向けてしまうと、肺がんや大腸がんなどの疾患の見落としにつながる可能性があるため、その人に合った全身の健康管理が行えるよう注意しながら診療にあたっています。
【鍋嶋副院長】私は消化器が専門で、これまでの経験を生かし患者さんに寄り添いながら安心して受けていただける検査や治療をしていきたいと思っています。がんは命に関わる病気ですが、早期に見つければ治る可能性が十分にあります。内視鏡は診断のためだけでなく、がんを予防するためにも大切な検査なんです。どうしてもつらい検査というネガティブな印象を持たれがちですが、安心して受けていただけるよう工夫を重ねています。大事な検査だからこそ、できる限り身近で安心できるものとして提供していきたいと思っています。
その他にも注力したいことはありますか?

【鍋嶋副院長】それぞれに専門分野はありますけど、2人とも常に「内科医」であることを意識して診療を行ってきました。ですから、症状や病名にとらわれず、なんでも気軽に相談してもらえたらうれしいですね。
【仁科院長】当院は検査環境が整っているので、大きな病院に行くべきか迷った時にはゲートキーパーの役割を果たすことができると思います。適切な治療はもちろん、適切な診療科にしっかりとつないでいくことも私たちの役割だと考えていますので、他院からの紹介の患者さんも積極的に受け入れたいと思っています。当院で完結できるレベルの診療を提供できるよう努力することはもちろん、それぞれの患者さんに適した治療へと導く扇の要のような存在の主治医になっていきたいです。
高度な医療を丁寧に親しみやすく提供するクリニックに
患者さんと接する上で大切にしていることは?

【鍋嶋副院長】なるべく簡単に、そして丁寧に説明することです。治療や検査には不安がつきものだと思いますので、難しい言葉は使わず、わかりやすい説明を心がけています。また、検査結果が出るまでに時間がかかるようなことがあれば、不安を和らげるひと言をかけるようにしています。例えば「取ったポリープががんかどうか」の結果が1週間後であれば、患者さんは1週間不安な気持ちを抱き続けることになりますから、その気持ちを軽減するためにどうすればいいか考えるようにしていますね。
【仁科院長】患者さん一人ひとりに寄り添っていくことを大切に考えています。実は糖尿病など生活習慣病の治療では、病気に関係のない会話から、治療の糸口が見つかることも。「自分や自分の家族だったらどんな治療をしてほしいか」も大切にしている基準です。
患者さんの利便性に配慮して、さまざまな取り組みをされていますね。
【仁科院長】「病院に行きたい」と楽しみに思っている人はいないと思いますので、待ち時間やクリニック滞在時間を短縮するためにウェブ予約システムや問診システムを導入しています。ウェブ問診を利用していただければ、来院後スムーズに診療に移れますし、医療者としても診療に必要な準備を事前に済ませておくこともできます。簡単に利用できますので、ぜひ活用ください。また、インターネットでは動画共有サービスを使った情報発信にも力を入れています。楽しみにしてくださっている患者さんも多いので、患者さんとのコミュニケーションのきっかけになることもあるんですよ。今後も、より患者さんの役に立てるようなコンテンツを発信していきたいです。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

【鍋嶋副院長】当院では消化器を中心に、幅広い内科診療とCTなどの検査設備を生かし、病気の早期発見・予防に力を入れています。内視鏡だけでは見つけにくい隠れた病気も見逃さないよう努めています。健康への不安を抱えた方も、安心して気軽にご相談いただければと思います。
【仁科院長】親しみやすく高度な医療の提供に努め、地域の皆さまが健康のことで困った時・不安な時を支えられるクリニックに成長していきたいと思います。駅からも近く通院にも便利だと思いますので、働き世代の健康サポートにも尽力していきます。糖尿病や内分泌疾患の専門治療に加え、消化器疾患の専門的検査・治療も可能となりましたので、ちょっとした体調不良はもちろん、より専門的な医療を希望される時にも気軽にご来院ください。

