舟木 克枝 院長の独自取材記事
ぺんぎんキッズクリニック
(大阪狭山市/滝谷駅)
最終更新日:2023/07/04
国道310号線沿い、大阪狭山市と河内長野市の市境の近くにある「ぺんぎんキッズクリニック」は、2021年10月に開院した真新しいクリニックだ。院内にはメインキャラクターのペンギンをはじめ、イルカやラッコといった海の生き物があちこちに描かれていて、子どもたちが親しみやすい空気を醸し出している。「帰る時にはお子さんもご家族も笑顔になっていただけるクリニックをめざしたい」と話す舟木克枝院長は、総合病院の小児科医長や小児科クリニックの分院長を務めた経験豊富な女性医師。明るく気さくな話しぶりが印象的な舟木院長に、開院の経緯やクリニックのコンセプト、診療時に心がけていることなどを語ってもらった。
(取材日2023年6月8日)
子どもも家族も笑顔になれる場所をめざして
ペンギンのモチーフが明るく楽しい雰囲気ですね。院名の由来を教えてください。
「舟木小児科」など名字を使うと何となく堅いイメージになるので、名字ではない院名にしたいと思っていたんです。いろいろと考えたのですが、最終的には私がペンギン好きなので、ペンギンをクリニック名とメインキャラクターにしました。ペンギンは、ブリザードが吹く厳しい自然環境の中でも、親鳥が卵を大事に抱き続けることから「世界で最も過酷な子育てをする鳥」と言われています。そんなペンギンと同じように一生懸命に子育てをされているお父さんやお母さんの一助となって、地域の子どもたちの健全な成長を一緒に見守っていけるようなクリニックでありたいという思いを込めています。
クリニックのコンセプトについてお聞かせいただけますか?
当院のコンセプトは「帰る時には、みんな笑顔」。小さいお子さんたちに親しみを持ってもらえるように、メインキャラクターであるペンギンのぬいぐるみやグッズをあちこちに散りばめています。子どもたちが当院を受診することを「ペンギンに行く」と言って、喜んで来てくれるのがすごくうれしいですね。近隣の幼稚園に健診に行くと、当院に通っている子どもたちが「あ、ペンギン先生だ!」と話しかけてくれるんですよ。もちろん子どもさんだけでなく、ご家族にも笑顔になって帰っていただけることをめざしています。受診後には心配事が少しでも軽減し、明るい表情になってもらえるようなクリニックでありたいですね。
この地で開院を決めた理由を教えてください。
私の地元である堺市美原区に隣接していて、人口に対して小児科クリニックが少ないエリアでもあったので、大阪狭山市を選びました。大阪狭山市の中で何ヵ所か候補地があったのですが、駐車場が一番広かったことが決め手になりました。ほとんどの患者さんが車で来られるので、約17台の駐車スペースがあるこの場所を選んで良かったですね。ここは大阪狭山市と河内長野市の市境に近く、東に行けばすぐに富田林市に入ります。そのため、3つの市から患者さんが来てくださっています。以前私が分院長を務めていたクリニックがある堺市からもアクセスが良い立地ですね。
豊富な診療経験を生かし、アレルギー疾患にも対応
開業されるまでのご経歴についてお聞かせください。
関西医科大学医学部を卒業後、小児科学講座に入局しました。小児科を選んだのは、女性医師が活躍しやすい分野だと思ったから。眼科や皮膚科も女性が多い分野ですが、私は全身を診る科に進みたかったので、小児科を選択しました。入局後は、大学病院や総合病院で経験を積み、3つの病院では医長も務めました。そろそろ独立開業したいと考えていた時、先に開業していた大学の後輩に相談したところ、「ちょうど新しく分院を立ち上げることになったので、分院長をお願いしたい」と打診があったんです。すごいタイミングだと思い、これも何かのご縁と思ってお引き受けして、5年間分院長を務めた後に当院を開業しました。
クリニックにはどんな患者さんが来られていますか?
当クリニックは、0歳児から中学3年生までのお子さんを対象としています。小児科とアレルギー科を標榜しているため、発熱・咳・鼻水・嘔吐・下痢といった内科系の症状や、アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎・食物アレルギーといったアレルギー疾患など、幅広い患者さんが来院されていますが、特に多いのは感染症とアトピー性皮膚炎ですね。感染症に関しては、発熱・感染症状の患者さん専用の出入り口や、隔離室、経過観察室を用意し、皆さんに安心して受診していただけるような環境づくりを徹底しています。また、大阪狭山市・河内長野市・富田林市の予防接種にも対応しており、ワクチン専用の時間帯や専用の待合室を用意しているため、安心して接種に来ていただけると思います。
特にアレルギー疾患をご専門とされているそうですね。
総合病院の小児科医長、小児科クリニックの分院長を務めていた際に、アレルギー疾患の診療経験を多く積みました。当クリニックでは特にアトピー性皮膚炎で受診される患者さんが多く、原因・悪化因子の検索と探索、スキンケアによる皮膚機能異常の補正、薬物療法の3つを基本とする治療を行っています。食物アレルギーに関しては、「完全除去ではなく、食べられるものを症状に注意しながら徐々に食べていく」という方針のもと、食事指導を進めています。また、重度の食物アレルギーの患者さまは近畿大学病院などへスムーズに連携をとっています。
どんなことでも気軽に質問できる雰囲気づくり
患者さんと接する際に心がけていることはありますか?
子どもさんに対しては、雑談を交えたり、目線の高さを合わせたりして、できるだけ安心して受診してもらえるように心がけていますね。また、診察が終わった後も、診察室の扉が閉まるまで「バイバイ」と手を振って笑顔で見送るようにしています。ご家族に対して心がけていることは、常に話しやすい雰囲気を作ること。私がそのように意識しているからなのか、こてこての大阪弁で喋っているからなのか(笑)、理由はわからないですが、「関係ないんですけど、もう1個聞いてもいいですか」って、よく質問されます。主訴とは直接関係のないことでも、気軽に相談していただけるような雰囲気を作れたらいいなと思って接しているので、遠慮なく何でも聞いてもらえるとうれしいですね。
女性医師だからこそ、患者さんやご家族が話しやすいという面もあるのでしょうか。
子どもさんのお母さんから「女性だから話しやすい」と言っていただけることはよくありますね。小学校高学年から中学生くらいの女の子だと、男性医師よりも女性医師に診てもらいたいという方もいらっしゃいます。当院は私を含め、看護師も受付スタッフも全員女性なので、そういった面での受診のしやすさもあるかもしれません。小児科での勤務経験があるスタッフばかりで、子どもさんやご家族に対する接遇も安心して任せられますね。ちなみに当院のスタッフは、看護師も受付もみんな同じユニフォームを着ているんですよ。「看護師だから」とか「受付だから」とか関係なく、みんなが同じ目線で子どもたちを見ているという意味を込めて、全員同じユニフォームにしています。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
開業して2年目ですが、おかげさまで多くの患者さんに来ていただいています。これまでにも七夕の時期に笹の葉と短冊を用意したり、クリスマスに風船をプレゼントしたりと、子どもたちに楽しんでもらえるような企画を行ってきたのですが、今後も何か考えていきたいですね。また、流行している疾患の情報などをSNSを通じて発信していければと思っています。これからも患者さんやご家族が笑顔になれるクリニックをめざして、スタッフ一同で頑張っていきますので、どんな些細なことでもどうぞお気軽にご相談ください。